ウイルスがまだ、未知のものだった1918年、インフルエンザウイルスによる感染症が発生し、世界的大流行(パンデミック)となった。
折からの第1次世界大戦による人,物の大移動もあり、全世界で20億人が感染し、2000万人以上の人々が死亡したと推定されている。
日本でも人口の4割、2,300万人が感染し、死者は38万人に及んだ。
この感染症を起こしたインフルエンザウイルスは、1933年に発見された。
そして、多くの研究者により、ウイルスがどのように人体に侵入し、増殖し、感染症を引き起こすか、が解明されてきた。
〇ウイルスは目や口の粘膜組織を経由して、人体に侵入する。
〇そして、喉、気管、肺の中に入り込む。
〇各部位の細胞の受容体と結合し、細胞の内部に侵入する。
その時、ウイルス表面のスパイクが鍵、細胞の受容体が鍵穴の役目を果たす。
〇侵入したウイルスは、細胞の持っている再生産機構を乗っ取り、細胞の代わりにウイルスを作らせる。
〇増殖したウイルスは、細胞の外に放出される。
〇放出されたウイルスは、別の細胞に侵入する。
こうして、人体に発熱や痛みなどのインフルエンザ感染症を引き起こす。
そして、それは肺炎などの危険な合併症の引き金になる。
参考図:「ウイルスって何だろう?」、武村政春監修、PHP研究所、2020
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