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日本海海戦(30)

 原本はイギリス人、Shippen Edwardにより書かれた「Naval battles of the world: from Salamis to Japan Sea」(1905年刊)で、サラミスの戦いから日本海海戦までの歴史的な海戦を紹介している。 日本は周囲を海に囲まれてはいるが、とても海洋国家とはいえない。日本人がはるかなる海に眼を向けたのは、室町や明治のほんの一時期にすぎない。世界では海の支配をめぐり、いくたびかの戦いが繰り広げられた。それを垣間見ることにより、歴史の舞台では忘れられがちな部分にスポットを当ててみよう。

Battle of the Japan Sea (30)
[by Sydney Tyler]
 Togo enjoyed the great advantage of tactical position when he opened fire, having the lightest of the Russian ships between him and Rojestvensky’s heavier vessels, thus something the fire of the latter. Besides, Togo was able to use all his broadsides, whereas the sternmost ships of the Russian columns, coming on in line ahead formation, could probably only with difficulty use any guns at all.

 When Sunday morning came, the Russian fleet was divided. The faster and stronger division, under Rojestvensky, was met by Kamimura and Uriu, while the slower division, under Nebogatoff, renewed the fight with Togo. With some of the scattered Russian units it was a case of save himself who can. In the running fight the Japanese enjoyed the advantage of superior speed, enabling them to concentrate their fire and bring every crippled Russian ship to bay. Admiral Nebogatoff’s battered remnant surrendered off Liancourt Rocks, while Rojestvensky, with the best remaining battleships, fought on for the honor of the Russian navy.

日本海海戦(30)
[シドニー・タイラー著]
 東郷提督は砲火を開いたとき、自分とロジェストウェンスキーの戦艦群との間にいるロシア艦をはっきりと見ることができるという戦術上有利な位置を活用した。  それはロシア艦隊の砲撃に何がしかの影響を与えた。  そのほかに、東郷は艦隊の舷側砲を全部使用できたが、ロシア艦隊の後部の艦は縦陣フォーメーションのため、全部の砲を使用できなかった。

 日曜の朝には、ロシア艦隊は2つに分断されていた。  ロジェストウェンスキー率いる高速で強力な戦隊は上村(島村の誤り)と瓜生の戦隊と会敵し、一方のネボガトフ率いる低速の戦隊は東郷との戦闘を再開した。  四散させられたロシア艦にとり、それは自分が生き残るための戦いだった。  追撃戦で日本艦は速力で勝っている利点を大いに活用した。  優速を利用し、すべての損傷したロシア艦に集中砲火を浴びせ、追い詰めた。  ネボガトフ提督の乱打された残存艦隊は竹島沖で降伏した。  一方、ロジェストウェンスキー提督の強力な戦艦群はロシア海軍の栄光のため戦い続けた。

(ひとこと)
 日本海海戦に惨敗した後、ロシアは海軍力では世界の3流国になった。  19世紀末の各国戦艦保有数を比べて見ると、イギリスが他にぬきんでて多く、フランス、ロシア、イタリア、アメリカ、日本、ドイツの順であった。  日本海海戦10年後の第1次世界大戦の前では、イギリス、ドイツ、アメリカ、フランス、日本、ロシアの順になる。  ドイツの躍進とロシアの凋落が目立つ。
〔参考文献:松村劭著「三千年の海戦史」、中央公論新社〕
〔参考図:ジョン・コルトン著「二十世紀」、タイムライフブックス〕
     
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