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日本海海戦(28)

 原本はイギリス人、Shippen Edwardにより書かれた「Naval battles of the world: from Salamis to Japan Sea」(1905年刊)で、サラミスの戦いから日本海海戦までの歴史的な海戦を紹介している。 日本は周囲を海に囲まれてはいるが、とても海洋国家とはいえない。日本人がはるかなる海に眼を向けたのは、室町や明治のほんの一時期にすぎない。世界では海の支配をめぐり、いくたびかの戦いが繰り広げられた。それを垣間見ることにより、歴史の舞台では忘れられがちな部分にスポットを当ててみよう。

Battle of the Japan Sea (28)
[by Sydney Tyler]
 At dawn it was ascertained that the battleship division consisted of the Nikolai I, the Orel, the General Admiral Apraxine and the Admiral Seniavin.

 At sunrise, May 28, smoke from the Japanese ships reappeared on the horizon, whereupon the admiral gave orders for increased speed. The Admiral Seniavin and the Admiral Apraxine dropped behind.

 Toward 10 o’clock, the Japanese fleet appeared first to port and then to starboard, while the cruiser division manoeuvred behind the Russians to starboard. Baron Ferzen’s account continues:

 “I was cut off from the squadron and finding it impossible to rejoin it resolved to make for Vladivostok. I put on full speed and the enemy’s cruisers came on in pursuit. Owing to the insufficiency of my coal supply and the certainty of meeting the enemy’s cruisers, I subsequently altered my course for Vladimir Bay, where I arrived on the night of May 29.”

日本海海戦(28)
[シドニー・タイラー著]
 夜明けに、戦艦群はニコライ1世、オリョール、ゼネラル・アドミラル・アプラクシンとアドミラル・セニャーウィンの4隻と確認された。

 5月28日、日の出と共に、日本艦隊の煙が水平線上に再び現れたので、提督は増速を命令した。  そのため、アドミラル・セニャーウィンとゼネラル・アドミラル・アプラクシンは後方に取り残されてしまった。

 10時ごろ、日本艦隊は最初左舷側に、その後右舷側に現れ、その一方巡洋艦隊はロシア艦隊の右舷側後方を遊弋していた。  フェルゼン男爵の説明は続く:

 “私は隊から離され、ウラジオストックを目指す艦隊に再合流するのは不可能だと感じた。  私はスピードを最大限まで上げたが、敵の巡洋艦群は追跡してきた。  私の艦の石炭が不十分だったことと、敵の巡洋艦にぶつかることが確実だったので、私はウラジミール湾へとコースを変えた。  そこには5月29日の夜に到着した。”

(ひとこと)
 ロシアは海外に植民地を獲得する戦略ではなく、本国からの南下政策をとった。  それは列強との摩擦を引き起こし、オスマン・トルコとの露土戦争、イギリス、フランスとのクリミア戦争、イギリスのインド併合、アフガニスタン侵攻などを招いた。  また、清朝の衰退に乗じてイギリスやロシアが権益を求めて中国に進出した。  イギリスは日英同盟を結び、日本を使ってロシアの南下を食い止めようとしたのである。
      
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