The Spanish Treasure Ships (1)
Within some forty years after the first discovery of America by Columbus, and when Henry VIII was reigning in England, certain Spanish adventures, with whom we are not now further concerned, found out and conquered Mexico and Peru; and from that time, for more than three hundred years, these countries produced by far the greater part of the gold and silver that came to Europe, as well as very many of the precious stones－diamonds, rubies, emeralds, pearls, and such like.
There was thus a very constant traffic in this sort of waters, from America to Spain. What was found in Peru was collected, in the first instance, at Callao, the port of Lima, from which it was sent by ships to Panama. Thence it was sent on the backs of mules, by mountain paths, across the Isthmus to Nombre de Dios, or, later on, when the Spaniards found Nombre de Dios very unhealthy, to a place near it called Porto Bello; and from there again by ship to Havana in the island of Cuba.
スペイン黄金船団（１）
コロンブスによるアメリカ発見から40年たたない内、ヘンリー8世がイングランドを統治している時代、ここでは深く触れないが、スペインの冒険野郎たちがメキシコとペルーに侵入、その地を征服した。 その時から、これらの植民地はヨーロッパに来る金銀の大部分と多種多様の宝石－ダイアモンド、ルビー、エメラルド、パールその他－を生産し続けたのである。
ここには、極めて定期的なアメリカからスペインへの物流ルートがあった。 まず、ペルーで掘り出されたものはリマの港、カヤオに集められ、船でパナマに運ばれた。 それから品物はラバの背に乗せられ、山道を通ってパナマ地峡を越え、ノンブレ・デ・ディオスに運ばれた。 後に、スペイン人達はノンブレ・デ・ディオスが不健康な土地であることに気づき、近くのポルト・ベロに場所を移した。 そして、ふたたび船でキューバのハバナに輸送された。
（ひとこと）
コロンブスがスペイン王室の援助を得て西インド諸島に上陸したのが1492年。 殖民と共に、黄金を求め、スペインの冒険家や山師、無頼漢が新大陸に押し寄せた。 1534年にはメキシコのアステカ王国、ペルーのインカ帝国を滅ぼし、広大な新大陸の大部分を支配下におさめた。 スペイン本国から副王を派遣し、植民地の資源、金銀財宝を徹底的に収奪して本国に送ったのである。 先住民のインディオは奴隷化され、酷使と白人が持ち込んだ病気により急速に人口を減らしてしまった。
〔参考図：石島晴夫著「ヘンリー・モーガン」、原書房〕
