1460年、西アフリカの探検事業を個人的に続けてきたエンリケ親王が世を去った。
次のアルフォンソ5世は、探検事業を民間で行うこととし、リスボンの豪商フェレナン・ゴメスに探検事業を委託した。
ゴメスの雇った船長達は、アフリカ大陸が東に切れ込むパルマス岬を越え、ギネーの地、ニジェール河のデルタ地帯に到達した。
そして、現地のペニン王国との間で、奴隷貿易を行い、金の取引を成功させた。
さらにある船長は赤道を越え、ガボンまで進んだ。
アルフォンソ5世の跡を継いだジョアン2世は、探検事業を民間から王室に戻し、強力に推し進めることになった。
国王の命を受けたディオゴ・カーンは1回目の航海でコンゴに到達し、2回目の航海でナミビアの地に足跡を残した。
この時代、アフリカとアジアは陸で繋がっている(インド洋は内海)と考えられていた。
しかし、ジョアン2世は大西洋からインド洋に抜ける航路はある、という可能性にかけ、さらなる探検を企画した。
アジアの香料が手に入れば、巨万の富が得られるのだ。
-----------------------------------------------------------------------
私はバルトロメウ・ディアス、代々ポルトガル王室の騎士として仕えてきた。
私の父、ディニス・ディアスは38年前西アフリカ遠征隊長として、遠くギネーの地近くまでの航海を成功させた。(第1章から第3章)
今回、国王陛下から、西アフリカのディオゴ・カーンの到達した地点よりさらに南下し、アジアへの航路を見つけよ、との命が私に下った。
国王陛下のため、またポルトガル王国に富をもたらし、キリストの教えを拡げるため、全身全霊を持って、この使命を達成しよう。
参考図:「西アフリカ航海の記録」、アズララ、カダモスト、岩波書店、1967
最新の画像もっと見る
最近の「大西洋」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- クリミアの歴史(7)
- 「オリエント急行」バルカンを行く(9)
- ウイルスって何だろう(6)
- 不死身の通信ネットワークを構築せよ!(6)
- ヒトラーのいない第二次世界大戦(7)
- 不思議な病気(8)
- 秀吉の野望と挫折(9)
- 生命の源「アミノ酸」(6)
- 「ドイツ民主共和国」の消滅(8)
- ナイルの水争い(8)
- ドン・カザーク(19)
- 貧者の空軍(9)
- 地震って何?(7)
- 遥かなる海へ(16)
- 北軍兵士の見た「風と共に去りぬ」(12)
- 脳内麻薬を捜せ!(9)
- 19世紀パリの光と影(9)
- 若宮丸の航跡(9)
- 原爆スパイ(8)
- 「北京の55日」番外編(8)
- 「地球外生命」はいるか?(5)
- 「林彪事件」の謎(8)
- 金(きん)(8)
- 国歌いろいろ(6)
- 悪党(鎌倉末期)(6)
- 老化を防げ!(5)
- 森の中に消えゆくトラ(4)
- テスラー成功と挫折(0)
- 国境とは?(25)
- 日記(0)
- 大西洋(696)
- ソマリアの青い海(20)
- 吹雪のバルト海(24)
- ペルシャ湾波高し(24)
- ロック・オン(20)
- ワレ「雪風」ト共ニ(20)
- 騎兵隊、前へ!(26)
- 惑星の動きを探れ!(19)
- 東方見聞録序章(25)
- 元素を捜せ!(25)
- レアメタルは戦略物質だ!(6)
- 種はどこから?(17)
- 智の都、アレクサンドリア(20)
- 文化大革命の嵐(22)
- 世界は微生物で満ちている!(19)
- 連合艦隊の誕生(17)
- 鉄砲見参!(18)
- 成功は失敗の始まり(17)
- 黒船の影(19)
- 石油の一滴は血の一滴(15)
- 前門の虎、後門の狼(8)
- 月をめざして(18)
- 水の不思議と太陽の恵み(17)
- がんの正体をあばけ!(10)
- 旅行(0)
- グルメ(0)
バックナンバー
人気記事