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第4話(1)

 いざ、インドへ(1)

 1460年、西アフリカの探検事業を個人的に続けてきたエンリケ親王が世を去った。

 次のアルフォンソ5世は、探検事業を民間で行うこととし、リスボンの豪商フェレナン・ゴメスに探検事業を委託した。

 ゴメスの雇った船長達は、アフリカ大陸が東に切れ込むパルマス岬を越え、ギネーの地、ニジェール河のデルタ地帯に到達した。
そして、現地のペニン王国との間で、奴隷貿易を行い、金の取引を成功させた。
さらにある船長は赤道を越え、ガボンまで進んだ。


 アルフォンソ5世の跡を継いだジョアン2世は、探検事業を民間から王室に戻し、強力に推し進めることになった。
国王の命を受けたディオゴ・カーンは1回目の航海でコンゴに到達し、2回目の航海でナミビアの地に足跡を残した。

 この時代、アフリカとアジアは陸で繋がっている(インド洋は内海)と考えられていた。
しかし、ジョアン2世は大西洋からインド洋に抜ける航路はある、という可能性にかけ、さらなる探検を企画した。
アジアの香料が手に入れば、巨万の富が得られるのだ。

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 私はバルトロメウ・ディアス、代々ポルトガル王室の騎士として仕えてきた。
私の父、ディニス・ディアスは38年前西アフリカ遠征隊長として、遠くギネーの地近くまでの航海を成功させた。(第1章から第3章)

 今回、国王陛下から、西アフリカのディオゴ・カーンの到達した地点よりさらに南下し、アジアへの航路を見つけよ、との命が私に下った。
国王陛下のため、またポルトガル王国に富をもたらし、キリストの教えを拡げるため、全身全霊を持って、この使命を達成しよう。


参考図:「西アフリカ航海の記録」、アズララ、カダモスト、岩波書店、1967
     
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