ROMANS AND CARTHAGINIANS (11)
Hamilcar, the admiral of the opposing fleet, saw that the Roman rear was hampered by the transports which they were towing, and resolved to try to separate the leading divisions from them; hoping to capture the transports, and then the other divisions in details; with this intension he formed in four divisions. Three were in line, at right angles to the course the Romans were steering, and the fourth in the order called “forceps.”
The last division was a little in the rear and well to the left of the main body.
Having made his dispositions, Hamilcar passed down the fleet in his barge, and reminded his countrymen of their ancestral renown at sea, and assured them that their former defeat was due, not to the nautical ability of the Romans, but to the rash valor of the Carthaginians against a warlike people not even to be despised. “Avoid the prows of the Roman galleys,” he continued, “and strike them amidships, or on the quarter.”
ローマとカルタゴ（１１）
対する艦隊の司令官、ハミルカルはローマ軍の後衛が、曳航している輸送船により、行動の自由が奪われているのを見出した。 そこで彼は、輸送船を捕獲し、その後、他の部隊に個々に当たろうという望みを持って、後衛部隊から前衛部隊を切り離そうと決めた。 この意図のもと、彼は４つの部隊を形成した。 その内の３つを、ローマ艦隊が進んでくるコースに直角に配置した。 ４番目の部隊は“ピンセット”フォーメーション（進んでくる敵を挟みとる）の状態にあった。
最後の部隊は少し後ろにあり、主力部隊の左に位置した。
この配置をした後、ハミルカルは艦隊の将官艇に乗り移り、部下たちに彼らの祖先の海での名声を思い起こさせ、前回の敗北がローマ人の操船能力によるのではなく、今までに見下されたことのなかった好戦的なやつらに対するカルタゴ人の無分別な勇気（油断）によるものだと確信させたのである。 彼は続けて、“ローマのガレー船の船首を避けよ。 そして、やつらの船体中央部か後半1/4部にぶっつけろ！”
（ひとこと）
本文中のハミルカルは、第2次ポエニ戦争でのハンニバルの父とは同名異人である。 有名なハンニバルの父、ハミルカル・バルカスは第1次ポエニ戦争の終盤に登場する。 カルタゴ軍の総司令官になって後、シチリアで特殊部隊による作戦を多用し、ローマ軍を攪乱した。 しかし、カルタゴ海軍が壊滅、ハミルカルは補給を断たれ、それまでの戦果もむなしく、余儀なく和を乞う。 30年後、息子のハンニバルがローマを敗北の瀬戸際まで追い詰め、父の無念を晴らした。
〔参考文献：ロンタネッリ著「ローマの歴史」、中央公論社〕
