(原文)
Chapter ⅩⅦ The U-Boat’s Comeback and Defeat (November 1944―May 1945)
52.
Doeniz’s most formidable aces in the hole, the new Type XXI, XXⅢ and XXVI U-boats, never got into the war. Type XXI was a 1500-tonner with diesel-electric engines, new powerful batteries, and a beautifully streamlined hull so that she could make 17.5 knots submerged. No. XXIII was the same. The first boat of Type XXI was launched in April 1944 on Hitler’s birthday, and 119 units were completed before the end of the war; but they were so badly built that they had to be recalled after their training cruises, even during initial war patrols, for extensive repairs and alterations. Only three of these actually departed on combat missions, too late to accomplish anything.
An even greater menace was Type XXVI, the “Walter boat” powered by a hydrogen-peroxide turbine which required no air, and capable of steaming 158 miles submerged at 25 knots. Three of these were completed before the end of the war but never got to sea. Fortunate indeed that the war in Europe ended when it did; for a couple of hundred U-boats of these new types might have ruptured Allied sea communications and prolonged the struggle into 1946.
(訳)
第12章 Uボートの再攻勢と敗北(1944年11月―1945年5月)
52.
デーニッツの最も恐るべきエースである、新しい21型と23型、および26型Uボートはこの戦争には投入されなかった。 21型は排水量1500トンで、ディーゼル-電気機関と新型の強力な蓄電池を持ち、美しい流線形の船体をしていた。 そのため、Uボートは水中で17.5ノットを出せた。 最初の21型Uボートは1944年の4月、ヒットラーの誕生日に進水した。 そして、戦争の終わりまでに119ユニットが完成していた。 しかし、それらは出来が悪かったので、訓練航海の後、Uボートは呼び戻されねばならなかった。 最初の戦場でのパトロールの間でさえ、多くの修理と部品交換のため、呼び戻された。 結局、3隻の21型Uボートのみ、実戦に投入されたが、何かを成し遂げるにはあまりに遅すぎた。
より大きな脅威は26型だった。 それは、“ワルター・ボート”と呼ばれ、空気を必要としない、過酸化水素を使用したタービンにより推進した。 そして、それは水中を25ノットの高速で、158マイルを航行する能力を持っていた。 戦争の終了前に3隻の26型が完成したが、それらは海に入ることはなかった。 そうなる前にヨーロッパでの戦争が終わったのは、まったく幸運だった。 これらの新型Uボート200隻あまりにより連合国の海上交通路が遮断され、戦争が1946年まで延びる可能性もあったのだ。
(注釈)
Uボート21型主要目
排水量:1819トン(水中)全長:75.5m 全幅:7.1m
機関:5000馬力2軸ディーゼル機関、226馬力電動機
最大速力:水上16ノット、水中17ノット
武装:30ミリ対空機関砲4、64センチ魚雷発射管18
乗務員:57
潜水艦の水中最大速力は、その船体形状により大きく異なる。 大戦中の通常型潜水艦は水上で速力のでる船体形状をしていたこともあり、水中では4ノット程度だった。 現在の海上自衛隊の潜水艦“おやしお”の水中最大速力(公称)が 20ノットであることを考えると、21型Uボートが当時としては非常に高性能であったことがわかる。
〔参考文献:デビット・メイソン著「Uボート」、サンケイ出版〕
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