（原文）
Chapter ⅩⅡ Atlantic (August 1943―June 1944）
37．
Between 18 May and 18 September 1943, 62 convoys comprising 3,546 merchant ships crossed between America and Britain by the northern transatlantic route, and not one ship was lost. Winston Churchill reported this to the House of Commons with unusual gusto, even for him. He also declared that the excess of new merchant tonnage construction over all loses, since 1 January, was 6 million tons, and that the crisis in food and other imports for the United Kingdom was past. But he rightly predicted that the struggle was not over, and that Doenitz was about to spring another surprise.
This was the Zaunkonig (wren) homing torpedo, attracted to an escort vessel’s propellers as our Fido was to a submerged hull. Doenitz first tried this new device on two northern transatlantic convoys which combined on their westward passage in September. He sank three Canadian and British destroyers and six merchant ships; but the other escorts, assisted by land-based Liberators, sank three of the 21 U-boats deployed against them.
（訳）
第１２章 大西洋の戦い（1943年8月―1944年6月）
３７．
1943年5月13日から9月18日の4ヶ月間に、3,546隻の商船により構成された62の船団が、北大西洋ルートを航行してアメリカとイギリスの間を行き来した。 しかし、1隻の船も失われなかった。 ウインストン・チャーチルはイギリス下院で、彼には珍しく非常な喜びを持って、このことを報告した。 彼はまた、1月1日以来の全損失を超えた新しい商船の建造トン数が、６百万トンに達し、イギリスにとり食料と他の輸入品に関する危機が過ぎ去ったと宣言した。 しかし、戦いはいまだ終わっておらず、デーニッツが次なる驚きを起こそうとしていることを、チャーチルは正しく予測した。
それは“ツァウンケーニヒ”（みそさざい）音響誘導魚雷だった。 そいつは我々の“フィド”が潜水艦に引き寄せられるように、護衛艦のプロペラに引き寄せられるものだった。 デーニッツは最初にこの新兵器を、９月に西行き航行として統合された２つの北大西洋船団に試した。 彼は、3隻のカナダとイギリスの駆逐艦および6隻の商船を沈めた。 しかし、他の護衛艦は、陸上基地からのリベレータ爆撃機の助けをかり、攻撃してきた21隻のＵボートの内、3隻をやっつけた。
(注釈)
音響誘導魚雷は、艦船のエンジン音やスクリュープロペラ音をキャッチして、その音のする方向に向かう魚雷です。 推進力がある限り、ある範囲内を航走するという新兵器で、現在のミサイルのはしりである。 日本海軍の“回天”は、誘導部分を人間に置き換えたものです。 兵士を粗末にする戦いのやり方では戦争には勝てない。
