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山田長政(6)

 山田長政(6)

 アユタヤ軍には、沿岸水域での戦闘用の兵船しかない。

スペイン艦隊は、3本マストの小型ガレオン船4隻だ。

アユタヤの兵船が多数、近づこうとするが、スペイン船の舷側砲で、四散させられてしまう。

 

 王は長政に出動を命ずる。

 

 長政は一計を案じた。

「元寇の役での戦いを参考にしよう。」

 「小舟で夜襲をかけるのだ。」

「火炎弾を敵船に投げ込んで混乱させ、そのすきに切りこみをかけ、すぐに退避する。」

 

 夜、河中に停泊しているスペイン船の背後から忍び寄る。

 「それ、投げ込め!」

 火をつけた火炎弾を船首楼めがけて投げ込む。

 パッと船首付近に炎が上がった。

  スペイン兵が騒ぎ出す。

 

  兵蔵たちは小舟を船尾付近に回し、鍵梯子を舷側に引っ掛け、スペイン船に躍り込んだ。

 船尾楼から士官らしいスペイン人が飛び出してきた。

  サーベルを振りかざし、兵蔵に切りかかってくる。

 兵蔵はサーベルを跳ね上げ、相手の肩口に切りつけた。

 スペイン人はうめいて、前に倒れこむ。

 

  “ピー”と引き上げの合図の笛が鳴る。

 海に飛び込んで、小舟に退避する。

  背後から銃声が追いかけてきた。

 

  思わぬ反撃に驚いたスペイン艦隊は、引き上げていった。

 この功績により、長政はアユタヤ貴族の中で、二番目に高い地位を得る。

 兵蔵らも、なにがしかの銀貨を得た。

     

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