ガダルカナル島をめぐる戦いで、アメリカ軍は多数の魚雷艇を投入し、日本軍を悩ました。 第8艦隊司令部はこれをみて、魚雷艇部隊を日本本土から呼び寄せたのである。 魚雷艇部隊は輸送船に詰め込まれ、3月にラバウルに到着した。 魚雷艇は耐航性が悪く、外洋での航海には向かない。 そこから島伝いに700Km南下し、ようやくコロンバンガラ島に着いた。
第1魚雷艇隊は12隻から成る艇隊と設備調整班、医務隊、主計隊からなる基地隊とから構成されていた。 総員120名、それを束ねるのは小林海軍少佐で、いつもせわしく歩き回っている、やかまし屋の親父だ。
「諸君!遠路はるばるご苦労であった。 ここソロモンの戦いは今や最高潮に達し、アメリカ軍は物量に物を言わせ、迫ってきている。 しかし、我が魚雷艇隊が来たからには、奴等の自由にはさせない。 敵に目にものを言わせてやろうではないか!」
艇隊は3隻1チームをつくり、第1、第2、第3艇隊からなっていた。 3隻は予備だ。 この物語の主人公は、第1艇隊の403号艇の面々である。
艇長は久保田兵曹長、内地では内航船化学タンカーの船長をやっていた。
操舵員は真田兵長、航海訓練所の教官助手だったが、開戦と同時に海軍に志願した。
砲員は2人で、日本では、やくざな生活をしていた日下部上水と元学生の小松二水。
水雷員も2人で、徴兵前は農業をしていた佐々木上水と宮本一水だ。
機関員は大木機関兵曹と小嶋一水で、2人とも同じ造船所で働いていた。
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