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第2話(4)

 “エイラート”被弾(4)

 真っ青な海面を、魚雷艇が赤旗を立てたデコイを曳航して疾走する。
今日は射撃訓練だ。

 ミサイル艇は、魚雷艇の進路を遮る形で突進した。
30ノットを超えると、艇は激しく振動する。

 人の声は、周りの騒音で怒鳴らないと聞こえない。
信号と身振り、手振りの伝達となる。

 デコイを曳航する魚雷艇は、激しく回避運動を始めた。
距離約1000メートルで、艦首の40ミリ機関砲が火を噴く。

 デコイが着弾の水柱の林で見えなくなった。
しかし、崩れる水柱の中から、デコイが姿を現した。
「へたくそめ!」
ミサイル班の水兵が罵る。

 今度はミサイル班の番だ。
20キロ離れた海上を高速で曳航されている標的船が目標だ。
空の弾頭をつけた、模擬ミサイルが使われる。

 ミサイル照準手アミルは、ハガイと共にブリッジ上のミサイル発射塔に入る。
目標は目視できない。
「ミサイル発射用意、よし!」

 「発射システム、目標捕捉!」
“発射許可”の警報器が鳴り響く。

 アミルは発射ペダルを踏み込んだ。
ミサイル容器の頭部が開き、尖ったミサイル頭部が姿を現す。
ミサイルはしばらくふかしを行った後、轟音を残して青空に飛び出した。
 ミサイルはすぐに降下し、海面上20メートルを疾走する。

アミルは望遠鏡でミサイルを捉え、望遠鏡の真ん中にミサイルが来るよう、ジョイスティックでミサイルを誘導する。

 机上演習では上手くできたのに、なかなか真ん中に誘導できない。
脂汗が吹き出てくる。
「落ち着け、これはゲームだ。」
ハガイの静かな声で我に返る。

 「ミサイル、レーダービームに乗せ!」
ガブリエル・ミサイルは接近すると、自分のレーダーで目標を探知し、追跡する。
そして、海面上の高度2メートルで目標に突入する。

 「目標に命中!」


     
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