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山田長政(8)

 山田長政(8)

  カラホムは長政をアユタヤから遠ざけようと、アユタヤの従属国リゴール

 での反乱鎮圧を要請する。

  リゴールはアユタヤから南400キロほどのところにある、マレーに近い辺境の地だ。

 「反乱鎮圧後は、そなたをリゴール王に任命する。

  日本人らを住まわせ、好きに統治すればよい。」

  甘言にのせられた長政は、出陣を承諾する。

 

  兵蔵らは支援のシャム兵らを伴い、リゴールへ出向く。

 リゴールは、うっそうとした密林に覆われていた。

 

  反乱軍は、象を押し立てて攻撃してきた。

 「蒙古軍の戦術で行くぞ!」

  シャム兵を前に出し、反乱軍が攻撃してきたところで、退却させる。

 深追いしてきた反乱軍を、兵蔵らは両側から包み込み、

 弓矢、鉄砲で痛撃した。

 

  反乱軍は密林に逃げ込む。

 この地の兵は、槍や刀の戦いには弱いが、弓矢はめっぽう、うまい。

  生い茂る藪草に足をとられているとき、樹上から矢を浴びせられた。

 兵蔵は胸に矢を受け、倒れる。

  市十郎が矢を引き抜き、後方に運んでくれた。

 

  長政もこの戦いで、足に負傷する。

 宿舎で傷の手当てを受けているとき、毒を塗られ、死んだ。

  反乱鎮圧には成功し、長政の長子がリゴール王になる。

 

  そんな時、長政が留守にしていたアユタヤでは、

 摂政カラホムが下克上により幼帝を追い出し、念願の王になる。

  長政の死去を知ったカラホムは、策謀をめぐらす。

  リゴールの元長官をたきつけ、反乱を起こさせる。

 長政のいなくなった日本人傭兵隊を、内部分裂させる。

 

 あっという間に、長政の夢見たリゴール王国は消え去り、

 日本人傭兵隊も密林に姿を消した。

 

  兵蔵は舟に乗り、アユタヤまで落ちのびた。

 しかし、カラホムの命により、アユタヤの日本人町は焼かれてしまう。

  兵蔵らは、住民を助けながら、カンボジアに逃げた。

 

 「住んだ所が、わしらの故郷さ!」

 

 参考図:「史伝 山田長政」、小和田哲男、学研M文庫、2001

     

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