(原文)
Chapter Ⅴ Destruction in the Atlantic
6.If one or two torpedoes did not fatally hole the attacked ship, the submarine finished her off by shellfire. In the spring, when the nights became shorter and the ineffectiveness of our antisubmarine warfare had been demonstrated, the U-boats became bolder and attacked in broad daylight, even surfaced. Although they invariably attacked without warning, they commonly gave the crew a chance to get away before opening gunfire, and refrained from machine-gunning survivors in lifeboats, as had been freely in the early part of the war.
Survivors were often questioned as to the identity of the ship and the nature of her cargo, were sometimes offered water, provisions or cigarettes and dismissed with a standardized joke about sending the bill to Roosevelt and Churchill. The healthy and sunburned German submariners appeared to be having a glorious field day. They later referred to this period as “the happy time”.
(訳)
第5章 大西洋での破滅
6.もしも、1本か2本の魚雷で相手の船に致命的な破孔を開けられなかったら、Uボートは浮上し、砲火で船を沈めた。春、夜がだんだん短くなり、われわれの対潜水艦戦の効果的でないことが証明されてきた時、Uボートは大胆になり、日中に水面に現れてでも攻撃しだした。彼等は常に無警告で攻撃したが、通常、砲撃を開始する前に、乗組員に下船する機会を与え、戦争の初期にはよく行われていたように、 救命艇の生き残った人を銃撃することは控えた。
生存者は船名と積荷の内容を明らかにするため、質問された。また、時々、水や食料かタバコを提供し、ルーズベルトとチャーチルに請求書を送るという決まりきったジョークとともに姿を消した。健康そうに日焼けしたドイツの潜水艦乗り達は、栄光の日を楽しんでいるように見えた。あとで、彼らはこの期間を“幸福の時”と呼んだ。
(注釈)
当時のアメリカの大統領はルーズベルトで、イギリスの首相はチャーチルでした。撃沈したアメリカ、イギリス船の乗組員に渡した食料やタバコ代を2人に請求するというジョーク。ちなみにソ連はスターリン首相、中国は蒋介石総統。 枢軸国側ではドイツ ヒトラー総統、イタリア ムッソリーニ統領、日本 東条英機首相でした。
(参考文献:デビット・メイソン著「Uボート」、サンケイ出版)
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