皆無斎残日録

徒然なるままに、日々のよしなし事を・・・・・

行動するという事

2010年09月09日 19時51分21秒 | 随想

行動を起こすという事を考える時、その難しさを思う。今この時でよいのか?この場所でよいのか?この人と共にでよいのか?思い迷い逡巡する。行動の先に手に入れたい望む未来を、希望的観測をせずに現在の客観的事実のみを見て判断し描いたか?
人は苦境にある時、弱い立場にある時、ともすれば希望的観測を抱きがちになり、それをまるで事実のように幻想してしまう事がある。希望的な主観がいつの間にか現実であるかのような幻想に浸って客観的な現実を忘れてしまうのだ。


また、人を率いて行動しなければならぬ時、行動の最中にあっても常に冷静に第三者の目で自らを客観視することができるか。物事というものは、その渦中に居てその熱気に心が火照り、目が血走っている時は、その本当の姿、その本質は見えぬのである。残酷なくらいに醒めた冷ややかな視線が必要なのである。さりとて、特に人を非日常的な激しい行動に駆り立てるには、狂気を帯びさせねばならぬ。その為には自身も狂気を帯びていなくてはならないのだ。しかし、狂そのものではなく、狂気を帯びた正気でなくてはならぬのである。
更には、自ら泥にまみれ泥水を飲み傷つく覚悟はあるか?その覚悟のない意見など意見でない。そうでない人間の指図など、人は聞く振りはしても従わぬものだ。


我々衆は愚なのである。個々でいればそれなりに賢明であったとしても、衆の渦中に巻き込まれると愚になるのである。その衆の心を掴んで操れる者が権力者や富者になれるのである。利権はそのための真に一つの手段である。利権を持つ者は、利権が生み出す利益の配分を与えることによって、受益者に支持される。


ただ、人生は如何なる結末が待っているにせよ、行動するべきなのだ。漫然と止まっていてはいけないのだ。行動のみが結果を齎すのだ。いみじくも宇野千代女史は言った、「生きるという事は行動することである」。




パグ犬きなこの写真日記

日記No.2……2010年3月~

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