かなぶち鍼灸調体堂の「先ずは只管打歩」なほぼ毎日譚

基盤を追求すると、ついに「歩く」迄遡ってきました。

今日も休養/糖尿病と栄養補助食品

2013年11月22日 | 米国補完代替医療研究センター公開文書
主観的な体調はなんら問題なかったのですが、
・安静時心拍数が59拍/分と昨朝よりさらに高かった
・家事をしてたら時間が…
ということで、今朝も朝稽古を休みました。

今週(11月16日~22日)はテンポ走もロング走もしたし、73kmも走ったし、まいっか、ってとこです。

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久しぶりに米国補完代替医療研究センターのニュースレターを日本語化しました。

日本でも(糖尿病+糖尿病予備群)の方が全国民の27%に達したとか(厚生労働省 2011年国民健康・栄養調査報告)。
結論は、残念ながら栄養補助食品(サプリメント)が効くとは言えない、ってことです。

NCCAM(米国国立補完代替医療研究センター) Clinical Digest

糖尿病(タイプ2)と栄養補助食品
2013年11月


 糖尿病患者は数百万人に達している。糖尿病の治療がうまくいかないと、重大な病気が発症しかねない。糖尿病患者にとって役に立つと主張する数多くの栄養補助食品が流通している。それらについて医療関係者に尋ねる患者も多い。幾つかの栄養補助食品については、糖尿病(タイプ2)のコントロールに有効かどうか/重大な病気の発症リスクを低下出来るかという点について研究されている。しかし現時点では、否定的な結果しか報告されていない。西洋医学的な治療を受けること/健康的な生活習慣を実践すること(例えば、体重を毎日測定する等)といった事が、糖尿病の予防/病状のコントロール/進行の阻害に有効である。

 本稿では、幾つかの栄養食品に関し、糖尿病との関係について臨床試験の結果を紹介する。対象としているのは
・α-リポ酸
・クロミウム
・ハーブ系栄養補助食品
・マグネシウム
・ω-3脂肪酸
である。

 結論から先に述べると、いずれの栄養補助食品についても、糖尿病(タイプ2)の予防/コントロールという点で科学的な有効性を示していない。逆に、栄養補助食品の利用が腎臓病の発症と関連しているとする複数の例が報告されていることに注意を払うべきである。というのも、アメリカでは、糖尿病が慢性腎臓病の原因になるとされているからである。なので、既に腎臓障害が発生している/発生リスクが高い患者については、栄養補助食品の利用については慎重に監視すべきである。

【ミネラル類】
(1)マグネシウム
 マグネシウムは、人体によるグルコースの消費に関与し、多くの食品(非精製穀類、ナッツ類、緑黄色の葉物野菜等)に含まれている。マグネシウムの欠乏は糖尿病と関連がある。

<研究結果>
・マグネシウムが欠乏した状態での糖尿病のコントロールにおいて、マグネシウムの投与が有効であるとする臨床試験結果は報告されていない。
・2011年に発表されたメタ分析レポートでは、13の研究結果を対象に、マグネシウム摂取量と糖尿病の発症リスクとの関連を分析した。その結果、マグネシウム摂取量が少ない人で糖尿病が発症するリスクが高かった。
・上記のレポートで対象となった研究結果の内、2007年に行われた大規模な臨床試験では、穀物由来の食物繊維&マグネシウムの摂取量の多さと、糖尿病(タイプ2)の発症リスクの低さとの間に相関関係が認められた。具体的には、マグネシウムの含有量が多い食事を摂取している人では、糖尿病(タイプ2)の発症率が15%低かった。

<安全性>
・糖尿病患者に16週間に渡りマグネシウムを栄養補助食品として投与した際には、重篤な副作用は認められなかった。しかしながら、糖尿病患者がマグネシウムを栄養補助食品として長期間に渡り摂取した場合の安全性については確立していない。
・マグネシウムを大量摂取した場合、下痢や胃部の痙攣が発生する可能性がある。また、極めて大量(=5,000mg/日以上)に摂取した場合、死に至る可能性がある。
 
(2)クロミウム
 クロミウムは多くの食品に含まれる必須微量ミネラル類である。クロミウムの摂取量が極端に少ないと、グルコースを有効利用出来ない。

<研究の有効性>
・クロミウムと糖尿病予防/症状のコントロールの関係については、数多くの研究が実施されている。但しそれらの多くは規模が小さいか、内容について質的に問題がある。

<研究結果>
・研究結果(2007年の系統的レビューを含む)では、クロミウムの摂取が糖尿病の症状コントロール/進行リスクの低減に何らかの効果があるとは示されていない。

<安全性>
・栄養補助食品としてクロミウムを摂取した場合、胃痛/胃部膨満が発生する可能性がある。
・大量に摂取した場合、腎臓障害/筋肉に何らかの問題/皮膚反応が発生すると複数の研究結果で報告されている。

【ハーブ類及びその他の栄養補助食品】
 ハーブ系栄養補助食品が糖尿病の症状コントロールに役立つとする証拠は報告されていない。

(1)シナモン

<研究結果>
・糖尿病患者がシナモンを摂取した場合、特に効果もリスクも認められていない。2012年に報告された系統的レビューでは、10のランダム化比較試験の結果をまとめているが、それによると糖尿病(タイプ1&2)に対しシナモンを服用することを支持する結果は得られていない。

<安全性>
・ヨーロッパで普通に売られているシナモン/桂皮を調べた所、多くの商品にクマリンが含まれていた。クマリンは人によっては、肝臓病を発症/悪化させる可能性がある。さらに、抗凝血剤を服用している人がクマリンを含む食品を摂取するのは危険な場合がある。というのも、抗凝血剤とクマリンが反応した場合、出血する可能性が高まり得るからである。

(2)α-リポ酸
 α-リポ酸とは、栄養補助食品として販売されている抗酸化剤であり、一般の食品(レバー/ほうれん草/ブロッコリ/トマトなど)にも含まれている成分である。

<研究結果>
・2011年に実施された臨床試験(糖尿病患者467名を被験者とする)では、α-リポ酸を600mg/日投与した場合、糖尿病に伴う黄斑浮腫(かすみ目を伴う眼の症状)を予防できなかった。
・2011年に実施された臨床試験(糖尿病(タイプ2)患者102名を被験者とする)では、α-リポ酸/ビタミンEをそれぞれ単独/組み合わせて投与しても、血中コレステロール値/インスリン抵抗性は改善されなかった。

<安全性>
・α-リポ酸を過剰に服用した場合、吐き気/胃のムカつき/疲労感増大/不眠が発生する可能性がある。

(3)ω-3脂肪酸

<研究結果>
・2008年に報告された系統的レビューによると、糖尿病患者にω-3脂肪酸の栄養補助食品を投与しても、その血中糖濃度のコントロールには役に立たなかった。
・2012年に報告された研究結果(メタ分析+系統的レビュー)では、海産物/野菜類とω-3脂肪酸を組み合わせて摂取した場合と、糖尿病(タイプ2)の進行リスクの関係を調査した。その結果、それらの間には殆ど関係は認められなかった。

<安全性>
・ω-3脂肪酸の栄養補助食品には通常、負の副作用は無い。仮に発生したとしても、大抵の場合は消
 化器系の軽い不調(げっぷ/消化不良/下痢など)である。
・ω-3脂肪酸を摂取した場合、出血時間が延長する可能性がある。

(4)その他の栄養補助食品
<研究結果>
・現時点では、高麗人参/アメリカ人参を糖尿病の治療に用いることを支持する研究結果/臨床試験結果は報告されていない。

<安全性>
・糖尿病患者がハーブ系栄養補助食品を服用する際の安全性について、現時点で発表されている情報からは何らかの一般的な結論は導き出せない。
・ハーブ系栄養補助食品と糖尿病の処方薬との相互作用については充分に研究されてはおらず、健康上何らかの問題が発生する可能性は否定出来ない。



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