![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/6f/94e44f2a370554516298df9b39be9d9a.jpg)
気持ち良く晴れた休日。
食事会にご一緒した佐藤節子先生は、五月の風を独り占めしそうに
清々しい、紗袷のお着物。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_en.gif)
下は白地につばめ柄だ。
ああ、いいですねぇ…。いつか誂えたいです。
感嘆の声を上げる私に、先生はこうおっしゃった。
-紗袷の柄はね、
空をとぶもの
風にそよぐもの
水にゆれるもの がいいわよ-
こういったことを、
さりげない会話の中でさらっと言える、佐藤先生の感性が私は大好きだ。
そして、
著名なきもの関係者の本や、講演などではなく
さりげない会話を通して得られる私は、つくづく幸せだと思う。
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着物縁が広がるとともに増えた愉しみの一つが「食」だ。
私は美味しいお店やお菓子には疎い方で、
今まで着物友にたくさん、良い情報を教えていただいた。
今回、お茶と食との融合という、一風変わった食事会に誘ってくださったのは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/bf/4bd708cef7c284a63026c434ed3ce369.jpg)
フードコーディネーターの松崎沙織さん。
イタリアン、フレンチ、ワイン、シャンパン…
幅広いジャンルに造詣が深い。
お茶のお稽古もなさっていて、この日は落ち着きと華やぎが共存する
いい色合いの紫の江戸小紋に、更紗の絵皿文の帯でスッキリ。
私は……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/51/544efa6784f8563f47955c063589c615.jpg)
初めて袖を通した、更紗花の単衣の小紋。
帯は織楽浅野さん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/13/d0dedbc949c3db02db7d55a6ac577ebc.jpg)
アイスブルーの地色が、私にはとても心地良い。
会場となった「HIGASHIYA GINZA」はポーラビルの2階にある。
ここには6人掛けのカウンター式の個室が1つあり、
今回の食事会はそこで行われた。
(HIGASHIYAは原則、個室も含め店内の撮影はNGだそうです。
下の写真は許可を取って、撮影しています)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/3e/e0fb180101b5ebcce4b3c188cb808ae8.jpg)
出席者は男性3人、女性3人。
男性は初対面の方ばかりで、カウンターに横並び、というのも何だか
不思議な感覚ではあったが、会が進むにつれ話も弾んだ。
この日のお品書きは下の通り。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/f7/ad04142468aa19a7ec28426c322e7b08.jpg)
一見、普通の和食のフルコースだが
実は食事の前や途中に、さまざまな淹れ方をしたお茶がふるまわれる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/e3/46ae0de2cc2b3760184ef1bb44ccd3c3.jpg)
写真左は、玉露の入った「宝瓶(ほうひん)」という茶器。有田焼だ。
取っ手のあるものを急須、ないものを宝瓶というそうで、
この浅いお椀のような形は、HIGASHIYAオリジナル。
これで一煎目を、40℃という低温でゆっくり出したものを
食前に一口いただいたが、お茶とは思えないフルーティな味に驚いた。
さらに二煎目を60℃で、三煎目は冷茶として、シソの葉を混ぜて…
そして最後に、淹れた後の茶葉は細かく刻まれ、お出汁のゼリーとあえた
小鉢になって出てきた。
苦みやえぐみのまったくない、青菜の和え物のようでさっぱりといただけました。
こうした、和食にお茶を組み合わせた食事を
HIGASHIYAでは「茶食会(さじきえ)」と称している。
昼1組、夜1組(マックス6人の範囲で相席も)の限定メニューだ。
今回は松崎さんのアレンジで、
お酒も数種。
日本酒のシャンパン(という表現で良いのでしょうか。発泡させたもの)などを
少しずついただいた。
でも私はアルコールはほとんど飲めず、知識もないので、
レポができません…。
写真のラベルでご判断いただければと思います。
お食事もとても美味しく
そして何より、お茶のいろいろな淹れ方を
目の前で見ながら、厳選された器でいただく、ということが
とてもスペシャルな体験だった。
今はちょうど、新茶の時期。
温暖で澱みのない空や風、そしてピュアな水といった
お茶を育んだであろう自然の恵みを五感で受け止め、
心まで澄み渡るひとときだった。
※HIGASHIYA GINZAのサイトはコチラ。茶食会の案内もあります。
※佐藤節子先生の、紗袷に関するコラムはコチラ。