ぼやきぼやかれ、ふりふられ。

映画や本や神社や展覧会。あとは日々のつれづれです。

映画【朝が来る】観てきました

2020-10-29 21:24:00 | レビュー・映画・本
眩しいほどに心を写したような景色や
深く深く心を抉るような感情や
命の、愛の、強さを。
こんなにもこんなにも目の当たりにして
止めどなく溢れ出す感情の
余韻すらおさまらない

これは
物語であり
映画であり
と同時に
私たち全てにとっての真実だから

特別養子縁組という制度を通して、
また
実の子をもてなかった母と
実の子を育てられなかった
ふたりの母を通して
探しつづけるのは
命の意味。
幸せのかたち。

エンディングに訪れる
希望の光に
涙が止まらなくなる。

河瀬直美監督の天才的な表現力に感服。
光の美しさがたまらない。

ぜひ観てほしい
今年いちばんの映画です。


映画【望み】観てきました

2020-10-15 18:12:00 | レビュー・映画・本
静岡東宝会館にて
石田ゆりこさん、堤真一さん主演の映画
【望み】
観てきました。

たとえ殺されていたとしても無実であって欲しいと信じる父。
たとえ殺人犯だとしても生きていてと望む母。 
こんな究極の選択を迫られたとき、自分ならどちらを望む?
わたしだったら?と終始考えながらの鑑賞。

犯罪自体や、加害者、被害者をメインに扱うのではなく、その周りの友人、知人、家族たちにフォーカスをあてた物語。
感情を抉られるようなセリフが多い。
苦しみしかない結末の、いったいどちら側をえらべば救われるのか?
救われることなんてもう、ないのか?

正しい家族のかたちとは?
しあわせな家族の未来とは?

少しずつ少しずつすれ違ってゆくそれぞれの思いが重く重くのしかかり、観ているこちらがわまで潰されてしまいそうでした。

石田ゆりこさんの演技は真実味あふれ、その母としての思い、行動に思わず涙が溢れます。
岡田健史くんの憂いを帯びた眼差しも、清原果耶さんの鬼気迫る演技力も素晴らしく、森山直太朗さん書き下ろしの主題歌も効果的に映画の世界観を増幅させていました。

この結末が良かったのかどうなのか?はなんとも言えないけれど、最悪の結末ではなかったことが救いです。
激しく揺さぶられるというよりも、静かに押し寄せる波のように感情が行き来する作品でした。
この余韻はしばらく続きそうです。








【窮鼠はチーズの夢を見る】観てきました

2020-10-05 21:33:00 | レビュー・映画・本
恋愛映画はあまり観ないのですが、
どうしても観たかった映画
【窮鼠はチーズの夢を見る】
ようやく観にいけました。

男とか女とか関係なく、まるで波のように打ち寄せ、引いても引いても戻ってしまう。
強い力で魅かれてゆく。

誰しも一度くらい経験したことのある、切ない程に狂おしい恋愛の、ジタバタもがいて晒した醜態を集めたような、思い出の吐きだめみたいな映画に、まさしく吐き気がするほど泣きたくなった。

あんなズルイひとに惚れたら負けだ、ってわかっていても止められない。
だってたったひとつの例外だから。
あんな嫉妬深くてストーカー気質のひとに魅かれる訳なんてない。
でもそれにだって例外はある。

スツール、灰皿、ジッポー、カーテン。
何を見ても今ヶ瀬を思い出す。

今ヶ瀬の濡れた目線。
恭一の移りゆく心。
強く儚い今ヶ瀬。
脆弱で希薄な恭一。

見逃していいシーンがひとつもない。
大倉忠義くんと成田凌くんの演技も素晴らしい。

苦しくって苦しくってそれでも幸せだと微笑む。
愛おしくて愛おしくって切ない。

映画を観ながらお菓子を食べる今ヶ瀬の髪を、恭一がそっと撫でるシーン。
たまらなかった。
少しずつ今ヶ瀬に心を寄せてゆくさまが、その小さなしぐさのひとつひとつでよくわかる。

強烈な想いに呑み込まれ過ぎて、感想がうまく書けません。

余韻に包まれてるだけで切なさがぶりかえすから。

それでも未来を感じさせるラストだったのが、小さな救い。

やばい。
もう今ヶ瀬が恋しくなっている。
叶わない恋なのにね。