ぼやきぼやかれ、ふりふられ。

映画や本や神社や展覧会。あとは日々のつれづれです。

やせっぽっちの彼女

2017-02-18 22:14:54 | 日記
夕方の銭湯は珍しくとても空いていた。
サウナには、驚くほどやせっぽっちな女の子が一人だけだった。

正確にいうと、彼女が驚くほどやせっぽっちだと気づいたのは、サウナを出た後だった。
なぜなら彼女は、その中でサウナスーツを着こみ顔にタオルを巻いて、一番角の上段で長い時間過ごしていたから。

先にサウナを出て広い湯船を独占していた私の目に映ったのは、サウナから出てスーツを脱ぐほとんど骨と皮だけの女の子だった。

何が彼女を追いつめるのか。
何にすがれば幸せなのか。

何度も何度もスーツを着こみ、サウナを行き来する女の子をのぼせながら夢現で眺める私の姿と、海の向こうの戦争をニュースで見ている私の姿のどこに、違いを見いだせばいいのだろう?

信じるものが救われる世の中ならば、とっくに皆幸せになっているはずなのに。

のぼせた頭じゃ到底答えなんて、見つからないけれど。。