ぼやきぼやかれ、ふりふられ。

映画や本や神社や展覧会。あとは日々のつれづれです。

【ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー】観てきました。(ほぼネタバレなし。)

2014-09-15 00:15:38 | レビュー・映画・本

全米で驚異的な大ヒット、と話題のマーベル作品
[ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー]
公開早々観てきましたよ。

【秘宝オーブを手に入れたのをきっかけに、様々な組織から狙われ始めたピーター。収監された刑務所で出会った犯罪者たちと、銀河の存亡をかけた戦いに挑む】

てな感じの…とても解りやすくオーソドックスなストーリー。
普段SFはもちろん、マーベル映画もあまり観ない私ですが、とても楽しめました。

まぁ、なんといっても個性的なキャラクターたち!!
主役のピーターはお調子者でいい加減。
なぜかアライグマの姿をした戦士ロケットは毒ばかり吐く。
樹木型ヒューマノイドのグルートは「アイアム グルート」しかしゃべれない。
…といった具合。もちろんその他のキャラクターたちも個性的であり、愛すべきキャラであり。。そんな彼らが様々な過去や思いを抱えながら、次第に仲間になって行く様はほんのりと胸を熱くしました。
SFとは思えないほど軽快な勢いの会話とともに展開するストーリーは飽きることなくスピーディーに進み、緊迫したシーンにさえもジョークが混じるのは、まさにアメリカ映画で…笑いながらドキドキしながら、少しだけキュン、としながら見終わりました。

さらに!
なんといってもピーターの宝物であるウォークマンのカセットテープから流れる70年代のミュージックが最高。
知ってる方は思わず口ずさみたくなるし、よく知らない方でも一度は聞いたことのある名曲たちでしたよ。

ザ・SFでもなく、ザ・ヒーローでもなく、ザ・アメリカンコミックっていう感じでもないので、男性はもちろん女性も十分楽しめる映画です。
そして、女性たちはきっと、樹木型ヒューマノイドのグルートのファンになるんだろうな♪たまらない魅力のキャラクターなんで。

絶妙なトークや(グルートに関しては)微妙な言い方の違いなどがあるので、字幕で観るのがオススメです。

ドラえもんやルパン、るろ剣、マーニーなど人気のアニメや、ゴジラ、イン・トゥ・ザ・ストーム、猿の惑星…などなど、
話題の映画盛りだくさんですが、
迷ってる方は是非、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと、しばしの宇宙冒険を!!



草間彌生 [水上の蛍] で感動。感動。

2014-09-08 00:19:00 | 絵画・芸術・展覧会
先日行った静岡県立美術館にて、同時開催していた収蔵品展。
[水辺のアート]
水をモチーフに取り入れた作品展ですが、これに乗じて、

草間彌生さんのインスタレーション作品

[水上の蛍]

が展示されていました。

これはラッキー。
展覧会HPなどでも特に取り上げられてなかったので、全く知らなかったのですが、このタイミングで体験できるとはヽ(´▽`)/
(展示作品一覧にはひっそりと載っていました)

[水上の蛍]
わからない方のために、2008年、静岡県立美術館に収蔵された当時の展覧会のリンク貼っておきます。
展覧会 2008年度 収蔵品展 特集 草間彌生 ≪水上の蛍≫ 静岡県立美術館|Shizuoka Prefectural Museum of Art

現在も巡回中の草間彌生さんの
【永遠の永遠の永遠】
こちらで展示されている
[魂の灯]
と同じシリーズの、光と水と鏡によるインスタレーション作品。

4×4×3メートル四方の一面鏡貼りの部屋。足元は鑑賞者の立つスペース(1×2メートル程の通路)を除き、水がはられていて、継ぎ目のない水鏡となっています。

[永遠の永遠の永遠] で[魂の灯]を観たときはさすがに長蛇の列で、狭い空間に10人づつくらいがひしめき合いながらの鑑賞でしたが(時間ごとの入れかえ制で体験する作品なんで)
この日は、平日のお昼時ということもあって(美術館自体も空いていたのですが) すんなりと
しかも…
たったひとりで草間ワールドを独占するという贅沢を味わいました(>ω<)/。

学芸員さんの指示で中に入ると外からそっと扉が閉められ、中は完全な闇。
その闇の中、天井から吊るされた無数の電球から放たれる小さな光が、鏡にうつり、どこまでもどこまでも無限の彼方まで続いてゆくのです。そしてその中にはもちろん、何人にも何人にも連なった私自身も映っていて、まるで時間さえ止まった異空間をさ迷うような感覚。

[魂の灯]では無限のLEDが使われていますが、[水上の蛍]ではまだ(こちらの方が古い作品なので)電球が使われているので、そのぶん柔らかくて暖かみのある光の共演となっています。

[魂の灯]が、宇宙をさ迷う光なら

[水上の蛍]は、タイトルの通り、さざ波ひとつない真っ暗な湖上を蛍と共に浮遊している感じ。

学芸員さんに「気をつけくださいね」…と言われた水床に足を踏み出したくなる衝動を、ぐーっとこらえながらユラユラした灯を見つめる時間でした。

「お疲れさま」
と外からそっと扉を開けられ、鑑賞は終了。

おそらく1分程の時間だと思うのですが…
時間の感覚もわからないような異次元の心地よさは
永遠のようでもあり、
一瞬のようでもありました。

この感動や感覚は、写真や映像ではきっと全然伝わらないと思います。
ましてや、わたしの駄文では尚更…(。-∀-)

今回、静岡県立美術館での展示は昨日で終了ですが、2~3年に一度は展示されるようなので、機会がある方は是非、実物を体験して欲しいですね。

【永遠の永遠の永遠】巡回展はまだ続いてるはずなので、そちらで[魂の灯]を鑑賞するのも良いと思います。(混んでるとは思いますが…)

余談ですが、あまりの感動に
カフェで休んだあと再びひとりで2度目の鑑賞をしちゃいました。

感動。感動。でした。

絵画の力を感じる。―アニマルワールド―美術のなかのどうぶつたち―展(静岡県立美術館)に行ってきました。

2014-09-06 23:23:00 | 絵画・芸術・展覧会

静岡県立美術館にて開催中の
【アニマルワールド―美術のなかのどうぶつたち―】
展に行ってきました。

そういえば動物って、当たり前に身近な存在だけれど…絵画の世界ではいろんなカタチで登場するよなぁ…。宗教的とか文化的とかでも。

そんな多様な背景に注目しつつ、江戸時代の作品を中心に一堂に展示した作品展みたいです。


正直、古い時代のいわゆる日本画と呼ばれるもの…まったく造詣のない私ですが(  ̄▽ ̄)
伊藤若冲の作品、特に[樹花鳥獣図屏風] をこの目で見てみたい!! と、思い足を運びました。[樹花鳥獣図屏風]は県立美術館所蔵で6曲1双の大きな作品。美術館のホームページやポイントカードにも使われています。

画面全体に方眼を整え、そのひとつひとつを塗りつぶしてゆく特異な技法。細やかな作業と鮮やかな彩色が強く印象に残ります。
モザイクのようであり、点描画法のようであり、そのどちらとも違う描き方。また、写実とは程遠い単純なラインで描かれた動物たちにとてつもない生命力と躍動感を感じるのも不思議でした。

この緻密で繊細な作業の証はやはり実物を見なくちゃ伝わらないなぁ…(*´∇`*) なんて思いつつ…その他の作品も堪能。

狩野派の作品や円山応挙など、私でも知っている作者の物も多く、わかりやすい解説も書かれているので 、十分楽しめました。

そういえば
窪田雪鷹 の [駱駝図](1823・文政6年)
という作品があって
表題の通りラクダの絵なんですが、その賛は、見せ物となるラクダを憐れむものでした。
(※賛っていうのは、絵の作者とは別の人物が作品に寄せたコメントで、絵の中に描きこまれ、これも合わせてひとつの作品とみなす文章です。)

1823年、江戸の後期。この頃から見せ物としての動物(動物園など)の歴史が始まってきたのですかね。

余談ですが最初に象を輸入したのは8代将軍、吉宗らしいですよ。鎖国中とはいえ、私たちが思ってる以上に様々な貿易がされていたんですよね。
…ん( -_・)? てことは、若冲のゾウの生き生きとした様は、実物を見て描いたのかな?
それとも、やはり仏教の資料とかを参考に描いたのかな?
そういえば、虎の画は、猫を参考にしていた…なんて話も聞くし…(*´∇`*)

など、とりとめのない事にまで思いを巡らしながら、お気に入りの作品を、ソファに座りボーッと眺める時間が大好きなのです。

最近、例えあまり知らないジャンルでも、いろんなジャンルの展覧会に行くようにしているのは、こういった様々な思いの巡り合わせや、思わぬ発見があったりするからです。

絵画には、純粋にその技法や色彩を楽しむだけでなく、時代時代を映すカガミのような力があることを、改めてかんじる一日でした。