Bonjour!
随分寒いですよねぇ。
寒さに弱いので基本的な活動が鈍くなるこの季節が苦手や・・・
ちょっと前の11月の3連休で大宰府の九州国立博物館に
「ベルリン国立美術館展」を観に行って来ました。
この展覧会の目玉は何といってもフェルメールの「真珠の首飾りの少女」。
世界にも30数点しかない貴重なフェルメール作品が来日となっては
それは観たい人も多かろうと遅めの来館だったけれど
結局ものすごい人でした(3連休だもの・・・)
しかし
日本人ってフェルメールが好きなのでしょうか?
とうい疑問が。
正直、この展覧会はゴッホ展やセザンヌ展と比べると
フェルメール作品はたった1点だし、レンブラントやルーベンスもあるものの
展覧会のボリュームとしては小さいわけです。
しかも東京にあったのに福岡には来なかったものもある。
しかし、人はごった返し
私の周りにもフェルメールを見に行った人がたくさん。
ゴッホ展の時はそんななかったのに・・・
考えるにフェルメールは親しみやすいのかもしれない。
優しいタッチの画法で癒される雰囲気。
万人に受け入れられ易く、美しい。
そして1度は見ておきたいと思わせる日本での取り扱われ方。
最近ではちょっとブームを作りすぎでは?と失笑を禁じ得ない感もあるわけですが・・・
かく言う万人の中の一人、私もフェルメールが大好きなわけです。
真珠の首飾りの少女
フェルメール独特の窓から入ってくる柔らかな光が美しいです。
鮮やかな黄色の衣とうっとりと壁の鏡を見つめる少女の表情が照らし出され
テーブルとその上から垂れ下がる布との明暗のコントラストが素晴らしいです。
そして、真ん中にポッカリと白い壁が大胆に描かれており
まるでハイライト効果のよう。
フェルメールと言えばウルトラマリンの青が有名ですが
黄色も実はよく使われています。
しかも、ミンクのような毛皮があしらわれたこの豪華な衣は
フェルメールの他の作品にも登場し、実在した衣です。
この毛皮の衣以外にも「牛乳を注ぐ女」の黄色の上着。
腰に巻いた青い布とのコントラストが美しかった。
この作品はアムステルダム国立美術館で見て息を呑むほど感動しました。
この美術館には他、有名な「ラブレター」や「手紙を読む女」などがあります。
ラブレター
手紙を読む女
日本にも「牛乳を注ぐ女」は来ていて
父は東京でフェルメール作品を数点見ているようです。
東京っていいですよねぇ・・・
フェルメールは光と影の美しさを描く画家として有名ですが
フェルメールが描いたこのような作品は数少ないのです。
その他は一般受けする画を描き、安売りしていたし(そしてどこにいったかわからない)、
彼のパトロンが彼の作品を世に出さずにいたので
彼は有名になるのが遅れました。
そういった色々が彼の作品が局単に少ない原因かもしれませんね。
最後にルーブルで見た「レースを編む女」
フェルメールは日常生活を切り取ったり、何を考えてるのかな?
と思わせるような画が多いのですが、これもレースを女性が編んでいるだけなのに
なにか神々しい。光のせいなのでしょうか。
こんな風に安心させてくれうような画を描く画家は少ないように思います。
フェルメールが愛される理由でしょうか。
ちょっと、フェルメールについて語りたい欲が出て(浅学ながら・・笑)
展覧会に関係ない作品も紹介しました。
さてさて、オランダ絵画の巨匠はヨハネス・フェルメールだけではありません。
レンブラント・ファン・レイン。
この方を忘れてはならんでしょう。
レンブラント・ファン・レイン 「ミネルヴァ」
豪華な装飾が施された赤いマントに光があたり
月桂樹の冠を頂いたローマ神話の女神「ミネルヴァ」が闇の中に浮かび上がっています。
闇の中、後ろの壁に掛けてあるメドゥーサの盾が
かすかな光を受けて鈍く光っており、彼女が
闘いの女神ミネルヴァであることを表しています。
この画は凄い。
巨匠の画はフェルメールもそうなのですが見るからに他と違い
独特のオーラとも言うべき光を発しているようにいつも感じます。
フェルメールは大行列、人だかりなのにこの画はなぜか皆、素通りなので
よく見ることができました。
正直に言うとフェルメールよりも私はこの画の方が衝撃でした。
レンブラントも光と闇の魔術師と呼ばれ(日本だけ?)
明暗を描く天才なわけですが、フェルメールの柔らかな光と違い
スポットライトのような強い光が印象的です。
その光の筋は時に不自然で有ったり作為的であったりするのですが
それがレンブラントの魅力と言えるでしょう。
もう一点はレンブラント派が描いたと言われる
「黄金の兜の男」
厳しい表情の老兵士の黄金の兜が光を反射しています。
これはレンブラント自身が描いてのではなく、弟子たちが描いたのであろうと
言われている作品ですが、レンブラントの技術をしっかり受け継いでいるように見えます。
心臓をギュッと鷲つかみされるような作品です。
レンブラント・ファン・レイン 【夜警】
この展覧会には関係ないですが
私が一番感動したレンブラント作品です。
これもアムステルダム国立美術館で見たのですが
とても大きな画で圧倒されました。
この絵画の象徴的な少女が不自然な光に照らし出されています。
躍動感と光と影が素晴らしい作品でした。
その他、ルーベンス「難破する聖パウロのいる風景」
ボッティチェリの「神曲」などが観れて満足。
ルーベンスはやはりすごい。
ルーベンスと言えば、フランダースの犬でネロとパトラッシュが
「キリスト昇架」の画の下で天に召されるので有名ですよね。
私も電車でわざわざアントワープのノートルダムまで見に行きました。
圧倒される素晴らしさでしたよ。
考えてみれば、ベルギーで勉強していた時期に私はたくさんの
名画に出会っています。
友達も画が好きだったので一緒に美術館を巡ったのです。
そういう経験をさせて貰えたことに感謝です。
私の家族は少なからず絵画を愛好しているので
いつか必ず、私が巡った美術館や、古城などを見て回る
ヨーロッパ旅行に両親を連れて行きたいと考えています。
旅行費は各自もちで・・・(え、意味ない?)
帰りに参道で舞妓さんと花魁発見。
どういう組み合わせや・・・(笑)
出来立ての梅が枝餅を頬張りながら帰りました。