初心者研修に望むこと②

初心者研修に望むこと①も、ボランティアとしてのスタンスを書きました。
図書館員が指導すると、図書館員自体がボランティアではなく本の専門家なので、どうしても本の説明が主体になります。読み聞かせボランティアが現実から離れていった原因はここにあったのでしょう。

それ以前に、どうしても公共に奉仕還元していくボランティアの立ち位置をしっかりさせておく必要があります。
以前読んだ本に「紙芝居ボランティアを募集するのに、どうして図書館でなくボランティアセンター経由で集めるのか」などとと書いてあった部分がありました。「選書がなっていない、プログラムがなっていない」と、司書お決まりの不平が述べられています。
「かわいそうなあの子たちのためにやってあげている・・・」というようなボランティアの反論は、これも教育がなされていない証拠で、これも怒りの根拠ですね。

司書の皆様へ。読み聞かせ指導者の皆様へ。
実は、世の中、どこもこういう混乱の最中です。ここで怒らず現実の状況としてしっかり受け入れて、次の対処法を考えるのが行政の手腕というもの。図書館というお城にこもっていたので世の中の現実が見えていない、という証拠でもある。自分の気に入らないものを攻撃して排除する方が増えてきたのでしょう。

さて、初心者研修です。
私なら、まずこういう説明をします。

「この読み聞かせ研修会は皆さんは参加料を支払って、あるいは交通費をかけて、自分の時間を提供して、受けておられます。さて、続けてお考え下さい。
それだけで現実に研修会が開かれるでしょうか?この施設は誰のお金で作られているでしょうか?
そうです、施設使用もこの本が利用できるのも、今ここにいない大勢の市民の力によるものです。市民の税金です。
ですから、今100円出したとか交通費に300円かけてきた、と言っても、ここで得た何がしは、全て、ここにいない市民を含めて還元する必要があるのです。これをボランティの無償性だと思っています。

還元するということは、押し付けて広めることでなく、情報として提示することです。そのことを情報公開というのだと、私は思っています。そして相手の判断にお任せする。判断してもらう材料を出す、ということ。今、私たちは皆様の税金を使ってこういう学習をしていますよ、という情報提供です。
提供方法は、ネットを使う方法、印刷物を使う方法、どれも完璧ではないのです。そんなこと当たり前でしょう。そして、聞いたとしても理解してもらうまでに至らないのはよくあること。そうであれば、誠意を持ってできる範囲の方法をとり、あとは市民の方の判断にお任せするしかありません。」

ところが、私が読み聞かせ等ボランティア自主研修会の情報を出そうとすると、「全国の果てまで見られる必要はない。都合の悪いことを書かれるとお客様が逃げていく」ということで、排除の対象になりました。
これは完全に権力者目線ですね。「すいません、この程度しかできていないので、納税者の皆様、どうぞ批判してくださいね」という立場にどうしても立てない方が多いということです。つまり聞き手の高さに自分が合わせるという気持ちがない、ということ。
こういったことを、初心者研修で語らなくてはなりません。税金でさせてもらっているという、当たり前の理屈です。税金を払っている市民すべてに、今できる限りの方法で、情報を提示すのは、税金を使って学んでいる自分たちの責任でもあると思います。
「家にいてわかってしまうのでは、次から来てもらえない」という思考回路にはまっている方々も多いです。視野狭窄になっていった理由はどこにあるのでしょうか。公共というのは「市民が家にいても分かるように進んでいくもの」という方に向かうことは無理でしょうか。

 今まで、新潟市の図書館関係の市民団体は、どうしたわけか図書館に情報提供せよと詰め寄るばかりで、自分たちの情報は出しませんでした。出したとしても、自分に都合の良い情報だけ。読み聞かせの指導者も、自分の個人情報を出しません。指導者はまず、自分が批判対象にならなくては情報が流れていかないのに、なるべく崇拝対象になることばかり考えてきました。
 つまり、「見に来てね」と覆面をしたままおいでおいでをしているようなもの。せめて税金で謝礼をもらう指導者であれば、自分の思想ややり方は情報として出さなくてはなりません。

市の事業であれば、それと並行して、その事業に対する検証がされてあたりまえでしょう。検証するためには、情報が出されなくてはなりません。そのことを、図書館も世話人も、認識する必要があるでしょう。今の世話人に対して、そういうことまで分かれというのは酷であり、私も一時期いてそこまで突き詰める能力がなかったことを反省しています。そして、そういう教育と指導をしてこなかった行政を批判するものです。



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