図書館・語り・紙芝居・集団相手の絵本よみ・ボランティアなどについて書きます。
絵解きボランティア
『絵本の力』
子どもの文化研究所が出している月刊小冊子を定期購読しています。紙芝居の全国情報が載っていたり、今現在の子どもをとりまく環境が少しわかったりするので。7・8月は合併号が出ます。数年前は『新・紙芝居全科』でした。去年はたしか人形劇の特集だったと思う。新潟市の図書館にも蔵書があります。
今年は絵本に関して、今現在の研究が集められたものでした。この前『ベーシック絵本入門』を読んだばかりだったので、それと比べながら読むことができました。いろいろな切り口からの文章が載っていて、こうやって書き手を選ぶのってすごいよねと感心したりして。いつもの「福音館保守系メンバーオンパレード」の新潟市の図書館のチョイスと違い、目が開かれる気分です。紙芝居全科を読んだ時よりさらに興奮し、あちこち傍線をひいて読みました。
①「絵本批評の難しさ」佐々木由美子(東京未来大学)・・・・・
「ノンタン」がどうして仲間外れになっていったかが良くわかりました。私たちも口づてに聞いたようなことです。『ベーシック絵本入門』の年表にもノンタンが入っていなくて、「またいつもの感覚ね」と思っていたのです。「異なるベクトルで作られている」という見方を、「保守系メンバー」の方々はどうしても理解することができないのでしょう。お子様ランチに例えて批判するのも、「それはあくまで推測で、根拠が示されているわけではありません」とあり、まったくその通りです。それこそが子どもの文化であり、もともと持っている文化なんじゃないかと、私は思います。図書館の人も、その感覚を飲み込むコツをつかんでほしいと常々思っています。「こどもとしょかん」と標榜するならね。
でも、私たちは保守系メンバーとも仲良くやっていかなくてはなりません。新しいボランティアさんがもし不思議に思ったら、この論評を読んでみるといいですね。 ひろすけ童話(きっと小川未明もそうかな)、昔の童話作家批判も経緯がわかりました。
特に西川図書館系列のボランティアさんに言いたいのですが、その館ではつねに「保守系メンバー」の講師が来ます。かつての私たちもそうでした。自分たちがいかに偏った情報を受けているか自覚したほうがいいかと思います。子ども研究はここまで進んでいるのに、その館の司書はお構いなし。
図書館は子ども読書推進計画で膨大な税金を使って、未だに偏った情報しか出していない。これでは税金をドブに捨てたのと同じ。協議会委員も自分たちの都合の良い人選でやっているので変革できない。
西川の司書は「多様な情報を見つけて出す」のでなく「自分が習った情報が正しいと信じて特定の情報だけを出す」ことに執着しているので、こういう人は司書と言わずただの優等生と言うんじゃないかと思います。こういう司書ばかりならば、司書はいらないのです。
②「編集者はおもしろい絵本をつくるだけです」澤田精一(元福音館書店)・・・・・
「良い絵本について明快であることは、良い絵本とそうでない絵本を二分する。(略)この二分法がもっと進めば、そこには差別が入り込むことになる。」(引用)・・・・そうです、それは私が10年かかって書いてきたことです。「絵本を見る眼を鍛える」と言って二分法に振り分けるような講座の愚かしさ。いずれにしろ、私の書き方が悪くて伝わらないんだろうなとちょっと反省しています。
「子どもは幼年期を過ぎて大人になっていくという連続した存在ではなく、大人とは断絶した反近代的存在としての子ども・・・」(引用)というのは、すごくよくわかります。かつて自分も「入れ子の人形」と例えてみたりしたのですが、それとはまた違う感覚を持つことがあります。自閉的な異星人がその辺を歩いているような。だから学校の先生は大変だし、時どき道を踏み間違えたりするのもそのせいではないかと思うんです。
③「子育てにおける絵本の力」こがようこ(絵本作家)・・・・・
山手西洋館での読み聞かせから、の項目をよく読むと、聞き手選書でやっていることがわかります。「〇〇くんと絵本を楽しむ」という絵本本来の形があります。それに、本主体から人間主体に移ると、そういうことになるのですよね。絵本の会や紙芝居の会でやっていることが、同じように他地域でもやられていることが見えて、ほっとしました。図書館はどうしても本主体がお好きなんだろうけど、行政機関ですから、人間主体に軸足を動かさなくちゃならない。それが嫌なら税金でなく、別方面からお金を得てやらなくちゃいけないと思うよ。
④「町立図書館の子どもと親に」代田知子(埼玉県三芳町立図書館副館長)・・・・・
「たいした絵本もない図書館で受けねらいだけの読み聞かせをやっても、本好きな子が育つとは思えません」とあります。思えない人はそう思うでしょうが、思わない人もまた、います。でもこれが今の図書館の人の考え方なんじゃないでしょうか。「場が盛り上がることばかりでなく・・・」を私が言われたことも、以前書きました。
私にすれば、こうすれば本好きな子が育つという方程式があるかどうか疑問です。本好きな子が育たないと、検証されているのかどうか。いろんな考えの人が、いろいろやってみればいいのに、という気持ちがあります。受ける、というのは脳が刺激される、ということでもあるので、そこから入る子どももいるのではないか。図書館員が「自分と違う者を受け入れられないのではないか」とも感じています。行政をする者に必要な資質が欠けていないか。
ここには4種類だけ書きましたが、古典が良いと主張される識者の意見もあります。私たちは、そういう幅広い情報を待っています。新潟市の図書館が膨大な税金を投入しても、いつまでたっても本音の部分が変わらずにいるので、私は、自分で情報を探して取ることにしました。
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