図書館・語り・紙芝居・集団相手の絵本よみ・ボランティアなどについて書きます。
絵解きボランティア
再投稿 つくってあそぼう!かみしばい
8月22日(木)14:00~16:00 亀田図書館(江南区文化会館講座室)にて
この時の写真が「かめだ図書館の図書館だより2号」にのりました。
新潟市の図書館HP のWhat's New (2013‐9‐21)から見ることができます。
ほんとに 私も子どもたちもリラックスしてますね。
(以下、前回投稿のまま)
子どもが紙芝居を作る体験のお手伝いをしました。
当日キャンセルなどで、定員10名のところ7人の参加です。
2時間コマですので、4枚の紙芝居を作ることを基本に説明しました。
全員が小学校の1~3年だったので、妙に肩に力が入ることがなかったのと、
話や主人公を考えてきてあったことも幸いして、全員が作ることができました。
色塗りが間に合わない子は、厚紙に鉛筆書きまでで、あとは家で色塗りをして完成させることかと思います。
講座室のほぼ全面にブルーシートを敷いて、子どもたちは思い思いの姿勢で、床に紙や画材を広げて集中して描いていきました。
私はシートの真ん中に座り込んで、子どもたちの様子を見ていました。
「主人公を決めて、それがどうなるか」ということの説明に、図書館の方は とよたかずひこさんの『うどんくんとおそばちゃん』を持って説明してくれました。とても的確なチョイスだったかと思います。物語の基本の形ですから。
絵を厚紙に書き写すときや、一枚ずれた画面の裏にセリフを書くときは、一人一人に向かい合って説明をします。
枚数を増やしたい子は7~8枚にしたり、4枚ものを2組作ったりしました。
出来上がりサイズはB5サイズです。この大きさだと彩色は絵具よりクーピーが便利ですね。子どもが普段、気ままに絵を描く時の延長という雰囲気がでます。ほとんどの子どもはクーピーでした。
去年は大人向けに手作りの説明をした機会がありましたが、子ども向けに体験会をしなかったので、最初は不安がありました。
けれどいざやってみると、一歩引いたような落ち着いた感じで対応できました。
どうして落ち着いてできたか、その大きな理由を書きたいと思います。少し前に、『子どもの文化』の合併号(絵本の力)で、佐々木由美子さんの、ノンタンの評価について書かれたものを読んであったからです。
そこには、1983年の佐々木宏子さんのノンタン評が書かれていました。内容は「2,3才の子どもの好奇心や願望が、そのまま絵本というかこみの中に、濃い味つけをされて引き移されたもので、そこから子どもたちを飛翔させたり、内部の世界をじっくり見つめさせたりする絵本ではありません」というものです。もっと驚いたことに、これは10年後に新版を出す時に全部削除された、とも書いてありました。私は、削除のことを、この雑誌を読んではじめて知りました。私が新潟市で「読み聞かせボランティア講座」を受けたのはちょうどこの頃でしたね。
世の中では、その当時からノンタンについて評価が分かれていて新しい意見がどんどん出てきていたのに、それが講座に反映されなかったのですね。情報は閉じられていたのです。今のようにインターネットもありませんでしたから、初心者にはこういったことを探し当てることはできません。
深く考えていくと、この部分は子どもの文化を受容するという大切なポイントではないかと思うのです。悪く読み取ると悪いイメージを持ってしまうので削除されたのでしょうが、「濃い味つけをされて引き移された」というポイントが、重要なんだと思います。
子どもの手作り紙芝居は、その引き移された部分を肯定し、興味をもって分け入って見るところがポイントですから、子どもの芸術にかかわる人はこのポイントを理解できるかどうかがとても大事だと思っています。
子どもの文化を劣った文化と思っている人たちは、今でも全国あちこちで、「こういう手抜きの絵はだめ」とやっているかもしれません。今回、活字になって読むことができて、とてもよかったと思っています。
「昔話は語り継がれてきたものだから、どんな絵がいいでしょうか」という問いかけがされることがあります。問いかけを発した側は、「手渡すのだから大人の鑑賞に堪えるもの」という意識を捨てきれないのでしょう。
けれど、受け手の子どもの脳の中では子どもの感覚でイメージされ、子どもの表現としては子どもの脳が指示するように表現されるはずです。語り伝えるためには、受け手である子どもの領分に入っていくことが、何より必要なことかと思います。
そして、これができるのは、いわゆる知識層の人々よりも、市井の普通のおじちゃんおばちゃんが得意なんですね。世の中っておもしろいな、と思います。
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