■ボクの朝
昨日の匂いが残る 鉛色の壁
目覚めた耳に 小さく揺れるフレーズ
枕もとの古い時計が かすかに揺れて
6時半の声を ボクに告げる
カーテンの向こうに はじめての空
たぶん日差しは ベランダを占領
汚れたままのバスケットシューズと
光の粒が遊んでいるはず
目を閉じたまま ボクは浮遊をくり返し
春のはじめの暦をめくる
戸棚の奥の秘密の穴から
記憶の外に 季節のはずれに
冬色の布団を 肩まで押し上げて
ボクの朝が 少しずつ遠のく
時計の針に 指を添えて
ボクのための 優しい時間
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