2017.2.17(金)
春一番が吹いたらしい。
これから花粉の季節が始まる。昔ほどではないけれど、ちょっと鼻が・・・、目が・・・の1か月か。
昨日、午後からの仕事の予定が急に延期になり、あまりの青空に誘われて、自宅から徒歩で「京王百草園」に向かう。
http://www.keio-mogusaen.jp/index.html
徒歩で2時間足らずの距離だけれど、最後の道路はかなりの急坂。この周辺に暮らす住民たちは、毎日の帰宅の際に大変だろうなあなどと言いながら。
3時過ぎの到着なので、陽射しが少し弱くなっていて写真の迫力はイマイチだったけれど、ゆっくり庭内を歩くのは悪くない。
梅まつりの「つるし雛」の準備で、段ボールから色鮮やかな飾りを出している女性たちの華やいだ声が響く。雛たちを前にすると、年配の女性たちの声にあどけない雰囲気さえ加わって、こちらもうれしくなってくる。
見事です!
上の写真の奥のひな壇には、あれっ、わが家のゴンベエが羽織袴の正装で「立っている」(笑)。
園内では、寒咲アヤメの蕾~開花寸前~開花(明日にはしおれているだろう)のそれぞれ(写真の上から順に)を見ることができた。
係員の方が「今日おいでになるなんて、運がいいですよ」って。
日本水仙は、1月半ば頃は見ごろだったそうだが、健気に揺れている姿がいい。
フクジュソウもそこかしこに見えたけれど、午後遅かったので、花びらを閉じていた。
汗をかくほどの陽気だったけれど、さすがに夕暮れはちょっと寂しい。
高幡不動まで歩いて、ここをお参りして(父が生前大好きだった場所)、前から狙っていた「マロニエ 高幡不動店」の高幡ロールと大納言ロールのハーフサイズを1本ずつ購入。
国立の本店はときどき行くのだが、ここは初めて。店内の雰囲気もよく、ガラスの向こうのほかのケーキもうまそう。
生クリームに大納言の味と香りが適度にあって、ほんとうに美味です。
http://www.marronnier.co.jp/
母の施設ではインフルエンザの入居者が出たそうで、来月の15日まで面会は禁止となった。そういう措置をとるんだ、と。
自宅から歩いても2分足らずのところなので、洗濯物は週に2回くらい、仕事の行き帰りや土曜の昼間に届けるようにしている。そうすることで、忙しさにかまけて遠ざかりそうな自分を戒めている。
これから1ヵ月は、受付での受け渡しということで、スタッフのかたに様子を尋ねるだけになる。
実家に行った際に、母の用意している防災用具の中身を点検。玄関わきの戸棚に段ボール2つ、古いザック1つ。
中には、食料(缶詰、ナッツ、レトルトの粥)、紙コップ、紙皿、箸、スプーン、医療用品、化粧品や爪切り、ナイフなどの類、身の回りのものの簡単な修理ならできる一揃い、メモ帳、軍手、細いロープ、洗濯ばさみ、ティッシュペーパー、簡易ブランケット、ゴミ袋・・・、その他。
それ以外に、水のペットボトル20本。
こんなに完璧な用意を私は見たことがない。
あの年齢の母が、さまざまな情報を得て、どのくらいの月日をかけてあれだけのものを揃えたんだろう。いざとなったらどうなるかわからないし、とか、なるようにしかならないし、という意識はなく、ただひたすら生きているであろう自分を想定して、「100%安心」を目指そうとしていたのか。
ときどき母から、「テレビで見たんだけど、こういうものは必要かしら」という問いかけはあったけれど、私はどんなふうに答えていたんだろう。
生きていくことへの執念を燃やし続ける母の心情を想像して、私はそれらの段ボールを前に、しばし言葉を失っていた。
畏敬でもなく、好き嫌いでもなく・・・、なんて言ったらいいのだろう。簡単に言えば、戸惑いか。
齢を重ねれば、生への気持ちは少しずつ薄くなって、その先に死があるのだと想像していたんだけれど、母はその寸前まで何かに抗って心を乱していたのだろうか。今の母とは少し違う、一年前までの母・・・。
そして、私にはどのくらい、生きることへの執着があるだろうか。
そんなことを思って、母の用意した防災用具を眺めている。
最新の画像[もっと見る]