★2月12日 Spitzbergen tour 2007 Go! Go! スカンジナビア Vol.4 in BLITZ YOKOHAMA

昨年夏の「ロックロックこんにちは in Osaka」(よかったら、こことここも見てください)以来のスピッツのライブです。もうお祭り騒ぎです。
ご存じない方にご説明しますが(ファンなら常識ですか?)、スピッツって今までに3回、ファンクラブツアーを行っているんです。そのたびに、おみやげ付きで、カセットテープ(華原朋美の「I'm Proud」をカバーしたものが入っていたり)やDVD(前回のおみやげ。スタジオで「三日月ロック」「船乗り」「晴れの日はプカプカプー」を演奏しているようす)がもらえたり。で、チケットは相変わらずほかの同レベル(ってなんだ?)のアーティストに比べたら安価っていうすばらしさなのです。
ちなみに今回は、今ブーム(?)のエコバッグ(メンバーの書いたイラストがデザインされている)がおみやげでした。今のところ2カ所でライブがあっただけですから、日本で3000名弱の人がこのエコバッグを使っているということになります(笑)。これはアップしても問題ないですよね? ちなみに、チケットにもメンバーがそれぞれ4つずつ描いたという人の顔のイラストがデザインされています。

さてさて、ようやくたどりついた横浜BLITZ。ここはZepp東京やSHIBUYA AXなどに比べると奥行きがないというか、後ろからでも結構ステージが近いように感じるのですけど、どうなんでしょう。でもスタンディングで定員1400名というから、最近のライブハウスはすごいですよね。昨夏久しぶりに訪れた新宿LOFTのあの猥雑さに比べたら、すごく健康的?(笑)(以前の新宿西口にあったやつはもっと狭かった?)
ああ、こんなことはどうでもいい。先に進みます。
最初にセットリスト。まちがいないとは思うけど、順番は完璧ではないかも。あちこちのブログやHPに載っていると思うので、そちらを見てください(私はいろいろ左右されちゃうタイプなので、これを書き終えるまでは、どこものぞかないつもりなので)。
★セットリスト★
○オープニングアクト「THE SPITZ」
1 ワンツー!ワンツー!
2 HAPPY DAY
3 八王子
○スピッツ
1 クリスピー
2 楓(3位)
3 魔法のコトバ(2位)
4 稲穂
5 リコリス
6 ラズベリー
7 ねずみの進化(新曲)
8 点と点(新曲)
9 悲しみの果て(「エレファントカシマシ」のカバー)
10 リンダリンダ(「THE BLUE HEARTS」のカバー)
11 ハチミツ(20位)
12 猫になりたい
13 スパイダー
14 8823
15 バニーガール
16 スピカ(1位)
アンコール
17 P(新曲)
18 チェリー
■「初期スピッツ」に涙!!
前振りでグラスホッパー社長兼スピマネジャーの坂口さんとイベンターの梅木さんが「今夜はオープニングアクトの演奏があります」と言い、ん? ゴースカにオープニングアクトってなんじゃ?と一瞬危惧しちゃったのですが、暗転に登場したのは正真正銘「スピッツ」! つまり今年結成20年の彼らがその当時にタイムスリップして、「THE SPITZ」として登場してくれたというわけ。ゴースカならではの大サービスに会場騒然です。
草野はちっちゃめな革ジャンなんか着て、あとで聞いたらGパンにはチェック?の尻当てなんかしてあったらしい。
初っ端は「ワンツー!ワンツー!」。これを死ぬまでにもう一度生で聴けるとはマジで思っていませんでした。ハンドマイクの草野は激しく腕を振り上げたりして(笑)。続いて、「H・A・P・P・Y・D・A・Y!!」が印象的な「HAPPY DAY」。そういえば当時は「ジェット! ジェット! ジェット!」とかメンバー全員でかけ声しちゃうのも多かったなあ(と遠い目)。そして、うわー!「八王子」。これは放浪ツアー(だったと思う)の八王子市民会館で聴いたのですが、やっぱりスタンディングでのほうがずっといい。そういえば、これも「はちおーじ! はちおーじ! 恋をしよう!」ってメンバーが叫んでましたね。
あれから20年近くたっているのに、そして今はもうメジャーのビッグバンドになったのに、こういうインディーズの頃の曲を演奏して、全然違和感のないところがスピッツたるゆえんです。なんだか、昔を彷彿とさせる青さ、若さ、バカっぽさがあふれてて、たぶんこの日初めて聴いたファンもそのまんまはじけちゃったんじゃないかな。すごい新曲聴いちゃった!みたいな…。
当時は元気な(笑)バンドにまぎれていたけど、でもあの微妙な雰囲気とおかしな歌詞。これがなぜか私の琴線にふれちゃったんですよね。あの頃のカセットやソノシートは今では家宝です(笑)。メンバーが手渡しで売ってくれたり、次のライブのチラシをステージで配って「よかったら来てね」とか。あの凝ったチラシもほかのバンドのとは違って「アート」だったし。なんかね、いろんな才能をもっている人たちって勝手に想像しちゃった。
MCでは当時の思い出も話していました。アルバイトのお金を落としたことをステージで話したら、あとで「使ってください」とファンの人が500円くれて、「俺、受け取っちゃったもんねー」とテツヤ。飛び上がるときにラバーソールが重たかった話とか。
でもね、正直、こんなにうまくはなかったですから(笑)。演奏も雑だったし、声もそんなには出てなかったし。MCはもう見ていられなかったです。ほかのバンドはもっと客を煽って煽って、かっこいいコトバを吐いたりしてたけど、このバンドはそういうのはなかったなあ。
草野がチューニングしながら、「話しててよ」とテツヤ、田村にふったとき、「当時も草野のギターの弦が切れちゃって楽屋に引っ込んで張り直している間(「あの頃はやってくれる人はいないから自分で直してた」って)、俺たち、ずっと下向いてた」なんて話もしてくれました。まあね、草野のMCも大したことなかったですから(笑)。今なら「かわいい~!」とかなるんだろうけど、当時は客も間がもてない感じ? それは結構きつかったです。
ああ、インディーズ時代の思い出話をするコーナーではなかった。先に行きます。でもこの3曲はこの夜最大の感動だったかも、私にとっては。
■全部外した! ベスト3と20位
前回に続いて今回も、応募の時点で「ライブでやってほしい曲」を3曲書くことになっていました。
この横浜BLITZdeha,3位:楓、2位:魔法のコトバ、1位:スピカ。「魔法のコトバ」はやっぱりリリース間もなかったし、映画の主題歌ということもあったし。でも「キミは何してる? 笑顔が見たいぞ」ですからね、人気があるのはわかります。ちなみに初日は、3位:俺のすべて、2位:スピカ、1位:魔法のコトバだったらしい。
それにしても、「楓」「スピカ」の97年両A面は相変わらず強いなあ。今回は「猫になりたい」が殿堂入りだったけど(前回のゴースカの大半の会場で1位だったので)、前回も「楓」「スピカ」は上位安定だったような。私の周囲では、「スピカ」「青い車」が大好きという男性多し、です。
「楓」のサビの最後の「聞こえる~?」はいいですよね。ライブで聴くとよけいにせつなくなる。草野の声はきれいに伸びて高みに消えていきました。
「スピカ」のテツヤ・草野のツインギターも決まっていました。このとき、いつもテツヤはチラッと草野のほうを見るんだけど、草野は余裕ないのでしょうか(笑)、いつも無視です。たぶん気づいてもいない? 「惑星のかけら」のツインギターのときもそうだなあ。かっこよく目と目をあわせるところ、見てみたいんだけど。
私の場合は、「無理でも(笑)やってほしい曲」ということで、「タンポポ」(テツヤの美しいギターソロが聴きたいっ!)、「ニノウデの世界」(「おなかのうぶ毛に口づけたのも」の高音のサビを今の草野がどんなふうに歌うのか聴きたいっ!)、「おっぱい」(初めて聴いたときの衝撃が忘れられない。笑)と、なんともマニアックなリクエストをしてしまった。選ばれるわけないじゃん。「ライブでやってほしい曲」って、基本的には選ぶのは無理っていう結論だったんだけどね。
そして20位は「ハチミツ」。33名の当選者がいて、メンバーがそれぞれ会員番号と名前を発表してくれました。33名なのでちょっと冗長な雰囲気になってしまったけど(会場によっては1名しかいなかったところもあるらしい)、メンバーはそれぞれに工夫して読み上げてくれたような。草野は数字の語呂合わせをしたり。テツヤが名前の読み方に戸惑ったとき、草野がすかさずのぞき込んで、教えてあげるのかと思ったら、「あ~あ~」って、わかんなかったのかい!
賞品は、当選者の名前の書かれたポスターにメンバーのサイン入りらしい。私は大好きな「甘ったれクリーチャー」にして、いい線いってるんじゃないかなあと思ったんだけど。初日は「夜を駆ける」だったそうです。ああ、聴きたかった…。4月に行く友人は「みそか」にしたらしいです。どうでしょうか?
■ライブであまりやらない曲
こういうセットリストもファンクラブツアーならではですよね。「稲穂」はシングル「さわってかわって」のカップリング、「リコリス」は「正夢」のカップリング。
「稲穂」はさわやかなメロディーにアコギが印象的な曲だけど、実は結構、歌詞が濃いめ。「はじめて本気で かわいいハチに刺された」とか、「なんでだろ キミから逃げられない」とか、ツボです。田村のベースもかっこいい。たしか「稲穂」は草野のギターと歌で始まるので、「緊張する」と言ってたかな。
「リコリス」はライブで演奏するのははじめてとか。そういうのはすごくうれしい。
ついでに「テクテク」も聴きたかったなあ、とか。
■スピッツの曲よりカバーのほうが…
カバー曲までやってくれましたー。これは会場もすごく盛り上がりました。
今まで夏のイベントなんかでカバーしたなかで、草野がいちばん気に入った曲、というような紹介のしかたでエレファントカシマシの「悲しみの果て」。ジャジャンジャジャン~♪(笑)というイントロだけで、「うわ~!」というたくさんの歓声。私も思わず…。一昨年の夏のイベントでしたよね、これ。
「得意になると草野の鼻の穴が広がる」って。鼻の穴が広がるのも許せるくらい、もう情感こめて歌い上げてたなあ。自分の曲でこんなふうに歌うことはないですよね。宮本さんになりきってる?という感じもするくらい。エレカシのまんまコピーっていうのもうれしいです。
それから思いがけず、THE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」も。草野はギターをもって、ヒロトになりきってた?(でもないか)。かっこよかったです。メンバーもすごく楽しそうに演奏してたし。そのあと、「キーはどうだっけ?」と言いながら、草野が一人で、「終わらない歌を歌おう くそったれの世界のため」と「終わらない歌」のさわりを披露してました。
MCで田村・草野で豊島公会堂にTHE BLUE HEARTSを観に行ったときの話をしてくれて、「感動のあまり、二人ともノリノリになるどころか直立不動だった」って。そのあとでしょうか、自分たちがやりたいことをすでにこのバンドがやっているとショックを受けて、バンドをやめてゲーム三昧の日々になってしまった、というのは。
■新曲3つ~ああ、アルバムが楽しみだー!
本編のまん中くらいと、アンコール1曲目に新曲を聴かせてくれました。
いつものライブで1曲くらい新曲があると、必死で歌詞を覚えて終わってから一部をメモったりしてるんだけど、もう3曲じゃね、無理無理。
「ネズミに進化」はタイトルを言っただけで、会場から笑い声。草野も苦笑いでした。どこかに隠れて、それですり抜けてやっていこう、みたいな、マイナーな感じの応援歌だったような。スピッツらしい。
そしてリフがなんだかかっこいい「点と点」。照明がクルクル回って、ロック!という感じの曲でした。これ、すごくいいです。今のスピッツのロック!という勢いみたいなものが伝わりました。
アンコール1曲目で、草野のギターとクージーのキーボードだけで聴かせてくれたのが「P」(なんじゃ? 「アルファベットの『P』ね」と言ってました)。せつない系のラブバラード。珍しく歌い上げてたような。きれいなメロディーと、歌詞もそんな感じで。このツアーのために作ったそうです。弾き語りって、昔からのファンにとってはなんだか不安に思っちゃうんですけど(笑)、でもこの人、うまくなったよなあ(と生意気に、ですが)。
ちなみに、4月18日リリースのシングル曲ではないそうです、3曲とも。アルバムには入るのかなあ。全部入ってほしいなあ。
こうやって3曲もまとめて聴かせてくれると、アルバムへの期待がますます高まりますね。
■いつものスピッツで盛り上げて
本編の最後は、スピッツのライブらしいセットリストで。
殿堂入りした「猫になりたい」は何度聴いてもステキな曲です。ちょっと重ったるいテツヤのギターも、メロディアスな田村のベースも、ちょっと抑え気味?の崎ちゃんのドラムスもみんないい。かわいい歌?と思わせて、「消えないように 傷つけてあげる」というSな歌詞がかすかに妖しい。そういうアンバランスな感じが昔から変わらないスピッツですね。うっとり聴いてた人、多かったかな?
「スパイダー」~「8823」~「バニーガール」はメチャクチャ盛り上がりました。とくに「バニーガール」は久しぶりに聴いたのでよかったなあ。田村の笑顔とジャンピングも見られたし。客席を見るときの笑顔、いいですよね。
そうそう、途中でやってくれた「ラズベリー」もちょっと久しぶりだったかな。こういう内容(笑)をきれいなメロディーとハイトーンで聴かせてしまうこのバンドって、なんなんでしょうね。
おなかいっぱいになるくらい盛りだくさんのライブでした。メンバーが知恵をしぼって考えてくれたんだろうと思うと、それだけで感激!
MCもたくさんで、草野だけではなくテツヤ・田村もいつもよりからんでくれたし。崎ちゃんは「横浜好きっす」って、それくらいだったけど(笑)。
横浜つながりでは、草野がゲーセンで閉店まで頑張って?、コインを預けてきたけど、「もうないだろうなあ」なんて言ってましたね。閉店までって…。
今年はきっとたくさんスピッツが見られる一年になるでしょうね。この日のメンバーを見ながら、きっとこれまで以上にアグレッシブな彼らに会えるんだろうと確信してしまいました。
THANK YOU,SPITZ!
●最後に、撮影会のこと
ライブのあとに「撮影会」があるって聞いたとき、「スピッツはどこに行こうとしてるの?」「アイドルじゃあるまいし」「私たちが望んでいることを勘違いしてない?」という辛口の意見を言ってたファンも私の周囲にはいたんですよね。私は単純な人間だから、素直にうれしかったけど(笑)。
でも心配は無用。すごくスピッツらしい雰囲気の楽しい撮影会でした。
メンバーはステージの前のほうに出てくれて、右に左にと移動。マサムネはギターをもってくれました。そして、2階のバルコニーにも移動してくれた。
ヘン顔したり、さわやかな笑顔を見せてくれたり。私のデジカメにも結構ステキなショットが何枚か残りました。田村君、崎ちゃんの笑顔がすっごく自然でよかった。テツヤ君はマジシャンのような衣装がかっこよく。マサムネくんは緊張してたのかな、笑顔もあったけど堅い表情も(笑)。それもまあ、らしい、ということで。
「40間近のおじさんになって、こんなふうにみんなに撮影していただけるとは」「こんなファンクラブのツアーができるようになるとは」というような真摯なことばで、メンバーは最後の挨拶をしていました。
きっといくつになっても、かわいくて、おもしろくて、かっこいい、そういうバンドでいてくれるでしょう。
そういう期待を私たちはしていてもいいみたいですね。うれしい。
ああ、またまた無意味に長いレポになってしまった(鬱)。肝心なことは何も書いてないじゃん、と感じた方もいらっしゃるでしょうね、すみません。
でも最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
ほかにも、「スピッツ」「ライブレポート(音楽)」のカテゴリーで、こんな「ウダウダ」「ダラダラ」な記事を載せているので、お暇な方はのぞいてください。お疲れの方はここまでで。ホントにありがとう!
追記
まずいまずい。今気づいたのですが、タイトルがすでにネタばれになっていました (汗)。大慌てで、急遽変えました。ごめんなさい。(2007年2月23日 8時53分)

昨年夏の「ロックロックこんにちは in Osaka」(よかったら、こことここも見てください)以来のスピッツのライブです。もうお祭り騒ぎです。
ご存じない方にご説明しますが(ファンなら常識ですか?)、スピッツって今までに3回、ファンクラブツアーを行っているんです。そのたびに、おみやげ付きで、カセットテープ(華原朋美の「I'm Proud」をカバーしたものが入っていたり)やDVD(前回のおみやげ。スタジオで「三日月ロック」「船乗り」「晴れの日はプカプカプー」を演奏しているようす)がもらえたり。で、チケットは相変わらずほかの同レベル(ってなんだ?)のアーティストに比べたら安価っていうすばらしさなのです。
ちなみに今回は、今ブーム(?)のエコバッグ(メンバーの書いたイラストがデザインされている)がおみやげでした。今のところ2カ所でライブがあっただけですから、日本で3000名弱の人がこのエコバッグを使っているということになります(笑)。これはアップしても問題ないですよね? ちなみに、チケットにもメンバーがそれぞれ4つずつ描いたという人の顔のイラストがデザインされています。

さてさて、ようやくたどりついた横浜BLITZ。ここはZepp東京やSHIBUYA AXなどに比べると奥行きがないというか、後ろからでも結構ステージが近いように感じるのですけど、どうなんでしょう。でもスタンディングで定員1400名というから、最近のライブハウスはすごいですよね。昨夏久しぶりに訪れた新宿LOFTのあの猥雑さに比べたら、すごく健康的?(笑)(以前の新宿西口にあったやつはもっと狭かった?)
ああ、こんなことはどうでもいい。先に進みます。
最初にセットリスト。まちがいないとは思うけど、順番は完璧ではないかも。あちこちのブログやHPに載っていると思うので、そちらを見てください(私はいろいろ左右されちゃうタイプなので、これを書き終えるまでは、どこものぞかないつもりなので)。
★セットリスト★
○オープニングアクト「THE SPITZ」
1 ワンツー!ワンツー!
2 HAPPY DAY
3 八王子
○スピッツ
1 クリスピー
2 楓(3位)
3 魔法のコトバ(2位)
4 稲穂
5 リコリス
6 ラズベリー
7 ねずみの進化(新曲)
8 点と点(新曲)
9 悲しみの果て(「エレファントカシマシ」のカバー)
10 リンダリンダ(「THE BLUE HEARTS」のカバー)
11 ハチミツ(20位)
12 猫になりたい
13 スパイダー
14 8823
15 バニーガール
16 スピカ(1位)
アンコール
17 P(新曲)
18 チェリー
■「初期スピッツ」に涙!!
前振りでグラスホッパー社長兼スピマネジャーの坂口さんとイベンターの梅木さんが「今夜はオープニングアクトの演奏があります」と言い、ん? ゴースカにオープニングアクトってなんじゃ?と一瞬危惧しちゃったのですが、暗転に登場したのは正真正銘「スピッツ」! つまり今年結成20年の彼らがその当時にタイムスリップして、「THE SPITZ」として登場してくれたというわけ。ゴースカならではの大サービスに会場騒然です。
草野はちっちゃめな革ジャンなんか着て、あとで聞いたらGパンにはチェック?の尻当てなんかしてあったらしい。
初っ端は「ワンツー!ワンツー!」。これを死ぬまでにもう一度生で聴けるとはマジで思っていませんでした。ハンドマイクの草野は激しく腕を振り上げたりして(笑)。続いて、「H・A・P・P・Y・D・A・Y!!」が印象的な「HAPPY DAY」。そういえば当時は「ジェット! ジェット! ジェット!」とかメンバー全員でかけ声しちゃうのも多かったなあ(と遠い目)。そして、うわー!「八王子」。これは放浪ツアー(だったと思う)の八王子市民会館で聴いたのですが、やっぱりスタンディングでのほうがずっといい。そういえば、これも「はちおーじ! はちおーじ! 恋をしよう!」ってメンバーが叫んでましたね。
あれから20年近くたっているのに、そして今はもうメジャーのビッグバンドになったのに、こういうインディーズの頃の曲を演奏して、全然違和感のないところがスピッツたるゆえんです。なんだか、昔を彷彿とさせる青さ、若さ、バカっぽさがあふれてて、たぶんこの日初めて聴いたファンもそのまんまはじけちゃったんじゃないかな。すごい新曲聴いちゃった!みたいな…。
当時は元気な(笑)バンドにまぎれていたけど、でもあの微妙な雰囲気とおかしな歌詞。これがなぜか私の琴線にふれちゃったんですよね。あの頃のカセットやソノシートは今では家宝です(笑)。メンバーが手渡しで売ってくれたり、次のライブのチラシをステージで配って「よかったら来てね」とか。あの凝ったチラシもほかのバンドのとは違って「アート」だったし。なんかね、いろんな才能をもっている人たちって勝手に想像しちゃった。
MCでは当時の思い出も話していました。アルバイトのお金を落としたことをステージで話したら、あとで「使ってください」とファンの人が500円くれて、「俺、受け取っちゃったもんねー」とテツヤ。飛び上がるときにラバーソールが重たかった話とか。
でもね、正直、こんなにうまくはなかったですから(笑)。演奏も雑だったし、声もそんなには出てなかったし。MCはもう見ていられなかったです。ほかのバンドはもっと客を煽って煽って、かっこいいコトバを吐いたりしてたけど、このバンドはそういうのはなかったなあ。
草野がチューニングしながら、「話しててよ」とテツヤ、田村にふったとき、「当時も草野のギターの弦が切れちゃって楽屋に引っ込んで張り直している間(「あの頃はやってくれる人はいないから自分で直してた」って)、俺たち、ずっと下向いてた」なんて話もしてくれました。まあね、草野のMCも大したことなかったですから(笑)。今なら「かわいい~!」とかなるんだろうけど、当時は客も間がもてない感じ? それは結構きつかったです。
ああ、インディーズ時代の思い出話をするコーナーではなかった。先に行きます。でもこの3曲はこの夜最大の感動だったかも、私にとっては。
■全部外した! ベスト3と20位
前回に続いて今回も、応募の時点で「ライブでやってほしい曲」を3曲書くことになっていました。
この横浜BLITZdeha,3位:楓、2位:魔法のコトバ、1位:スピカ。「魔法のコトバ」はやっぱりリリース間もなかったし、映画の主題歌ということもあったし。でも「キミは何してる? 笑顔が見たいぞ」ですからね、人気があるのはわかります。ちなみに初日は、3位:俺のすべて、2位:スピカ、1位:魔法のコトバだったらしい。
それにしても、「楓」「スピカ」の97年両A面は相変わらず強いなあ。今回は「猫になりたい」が殿堂入りだったけど(前回のゴースカの大半の会場で1位だったので)、前回も「楓」「スピカ」は上位安定だったような。私の周囲では、「スピカ」「青い車」が大好きという男性多し、です。
「楓」のサビの最後の「聞こえる~?」はいいですよね。ライブで聴くとよけいにせつなくなる。草野の声はきれいに伸びて高みに消えていきました。
「スピカ」のテツヤ・草野のツインギターも決まっていました。このとき、いつもテツヤはチラッと草野のほうを見るんだけど、草野は余裕ないのでしょうか(笑)、いつも無視です。たぶん気づいてもいない? 「惑星のかけら」のツインギターのときもそうだなあ。かっこよく目と目をあわせるところ、見てみたいんだけど。
私の場合は、「無理でも(笑)やってほしい曲」ということで、「タンポポ」(テツヤの美しいギターソロが聴きたいっ!)、「ニノウデの世界」(「おなかのうぶ毛に口づけたのも」の高音のサビを今の草野がどんなふうに歌うのか聴きたいっ!)、「おっぱい」(初めて聴いたときの衝撃が忘れられない。笑)と、なんともマニアックなリクエストをしてしまった。選ばれるわけないじゃん。「ライブでやってほしい曲」って、基本的には選ぶのは無理っていう結論だったんだけどね。
そして20位は「ハチミツ」。33名の当選者がいて、メンバーがそれぞれ会員番号と名前を発表してくれました。33名なのでちょっと冗長な雰囲気になってしまったけど(会場によっては1名しかいなかったところもあるらしい)、メンバーはそれぞれに工夫して読み上げてくれたような。草野は数字の語呂合わせをしたり。テツヤが名前の読み方に戸惑ったとき、草野がすかさずのぞき込んで、教えてあげるのかと思ったら、「あ~あ~」って、わかんなかったのかい!
賞品は、当選者の名前の書かれたポスターにメンバーのサイン入りらしい。私は大好きな「甘ったれクリーチャー」にして、いい線いってるんじゃないかなあと思ったんだけど。初日は「夜を駆ける」だったそうです。ああ、聴きたかった…。4月に行く友人は「みそか」にしたらしいです。どうでしょうか?
■ライブであまりやらない曲
こういうセットリストもファンクラブツアーならではですよね。「稲穂」はシングル「さわってかわって」のカップリング、「リコリス」は「正夢」のカップリング。
「稲穂」はさわやかなメロディーにアコギが印象的な曲だけど、実は結構、歌詞が濃いめ。「はじめて本気で かわいいハチに刺された」とか、「なんでだろ キミから逃げられない」とか、ツボです。田村のベースもかっこいい。たしか「稲穂」は草野のギターと歌で始まるので、「緊張する」と言ってたかな。
「リコリス」はライブで演奏するのははじめてとか。そういうのはすごくうれしい。
ついでに「テクテク」も聴きたかったなあ、とか。
■スピッツの曲よりカバーのほうが…
カバー曲までやってくれましたー。これは会場もすごく盛り上がりました。
今まで夏のイベントなんかでカバーしたなかで、草野がいちばん気に入った曲、というような紹介のしかたでエレファントカシマシの「悲しみの果て」。ジャジャンジャジャン~♪(笑)というイントロだけで、「うわ~!」というたくさんの歓声。私も思わず…。一昨年の夏のイベントでしたよね、これ。
「得意になると草野の鼻の穴が広がる」って。鼻の穴が広がるのも許せるくらい、もう情感こめて歌い上げてたなあ。自分の曲でこんなふうに歌うことはないですよね。宮本さんになりきってる?という感じもするくらい。エレカシのまんまコピーっていうのもうれしいです。
それから思いがけず、THE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」も。草野はギターをもって、ヒロトになりきってた?(でもないか)。かっこよかったです。メンバーもすごく楽しそうに演奏してたし。そのあと、「キーはどうだっけ?」と言いながら、草野が一人で、「終わらない歌を歌おう くそったれの世界のため」と「終わらない歌」のさわりを披露してました。
MCで田村・草野で豊島公会堂にTHE BLUE HEARTSを観に行ったときの話をしてくれて、「感動のあまり、二人ともノリノリになるどころか直立不動だった」って。そのあとでしょうか、自分たちがやりたいことをすでにこのバンドがやっているとショックを受けて、バンドをやめてゲーム三昧の日々になってしまった、というのは。
■新曲3つ~ああ、アルバムが楽しみだー!
本編のまん中くらいと、アンコール1曲目に新曲を聴かせてくれました。
いつものライブで1曲くらい新曲があると、必死で歌詞を覚えて終わってから一部をメモったりしてるんだけど、もう3曲じゃね、無理無理。
「ネズミに進化」はタイトルを言っただけで、会場から笑い声。草野も苦笑いでした。どこかに隠れて、それですり抜けてやっていこう、みたいな、マイナーな感じの応援歌だったような。スピッツらしい。
そしてリフがなんだかかっこいい「点と点」。照明がクルクル回って、ロック!という感じの曲でした。これ、すごくいいです。今のスピッツのロック!という勢いみたいなものが伝わりました。
アンコール1曲目で、草野のギターとクージーのキーボードだけで聴かせてくれたのが「P」(なんじゃ? 「アルファベットの『P』ね」と言ってました)。せつない系のラブバラード。珍しく歌い上げてたような。きれいなメロディーと、歌詞もそんな感じで。このツアーのために作ったそうです。弾き語りって、昔からのファンにとってはなんだか不安に思っちゃうんですけど(笑)、でもこの人、うまくなったよなあ(と生意気に、ですが)。
ちなみに、4月18日リリースのシングル曲ではないそうです、3曲とも。アルバムには入るのかなあ。全部入ってほしいなあ。
こうやって3曲もまとめて聴かせてくれると、アルバムへの期待がますます高まりますね。
■いつものスピッツで盛り上げて
本編の最後は、スピッツのライブらしいセットリストで。
殿堂入りした「猫になりたい」は何度聴いてもステキな曲です。ちょっと重ったるいテツヤのギターも、メロディアスな田村のベースも、ちょっと抑え気味?の崎ちゃんのドラムスもみんないい。かわいい歌?と思わせて、「消えないように 傷つけてあげる」というSな歌詞がかすかに妖しい。そういうアンバランスな感じが昔から変わらないスピッツですね。うっとり聴いてた人、多かったかな?
「スパイダー」~「8823」~「バニーガール」はメチャクチャ盛り上がりました。とくに「バニーガール」は久しぶりに聴いたのでよかったなあ。田村の笑顔とジャンピングも見られたし。客席を見るときの笑顔、いいですよね。
そうそう、途中でやってくれた「ラズベリー」もちょっと久しぶりだったかな。こういう内容(笑)をきれいなメロディーとハイトーンで聴かせてしまうこのバンドって、なんなんでしょうね。
おなかいっぱいになるくらい盛りだくさんのライブでした。メンバーが知恵をしぼって考えてくれたんだろうと思うと、それだけで感激!
MCもたくさんで、草野だけではなくテツヤ・田村もいつもよりからんでくれたし。崎ちゃんは「横浜好きっす」って、それくらいだったけど(笑)。
横浜つながりでは、草野がゲーセンで閉店まで頑張って?、コインを預けてきたけど、「もうないだろうなあ」なんて言ってましたね。閉店までって…。
今年はきっとたくさんスピッツが見られる一年になるでしょうね。この日のメンバーを見ながら、きっとこれまで以上にアグレッシブな彼らに会えるんだろうと確信してしまいました。
THANK YOU,SPITZ!
●最後に、撮影会のこと
ライブのあとに「撮影会」があるって聞いたとき、「スピッツはどこに行こうとしてるの?」「アイドルじゃあるまいし」「私たちが望んでいることを勘違いしてない?」という辛口の意見を言ってたファンも私の周囲にはいたんですよね。私は単純な人間だから、素直にうれしかったけど(笑)。
でも心配は無用。すごくスピッツらしい雰囲気の楽しい撮影会でした。
メンバーはステージの前のほうに出てくれて、右に左にと移動。マサムネはギターをもってくれました。そして、2階のバルコニーにも移動してくれた。
ヘン顔したり、さわやかな笑顔を見せてくれたり。私のデジカメにも結構ステキなショットが何枚か残りました。田村君、崎ちゃんの笑顔がすっごく自然でよかった。テツヤ君はマジシャンのような衣装がかっこよく。マサムネくんは緊張してたのかな、笑顔もあったけど堅い表情も(笑)。それもまあ、らしい、ということで。
「40間近のおじさんになって、こんなふうにみんなに撮影していただけるとは」「こんなファンクラブのツアーができるようになるとは」というような真摯なことばで、メンバーは最後の挨拶をしていました。
きっといくつになっても、かわいくて、おもしろくて、かっこいい、そういうバンドでいてくれるでしょう。
そういう期待を私たちはしていてもいいみたいですね。うれしい。
ああ、またまた無意味に長いレポになってしまった(鬱)。肝心なことは何も書いてないじゃん、と感じた方もいらっしゃるでしょうね、すみません。
でも最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
ほかにも、「スピッツ」「ライブレポート(音楽)」のカテゴリーで、こんな「ウダウダ」「ダラダラ」な記事を載せているので、お暇な方はのぞいてください。お疲れの方はここまでで。ホントにありがとう!
追記
まずいまずい。今気づいたのですが、タイトルがすでにネタばれになっていました (汗)。大慌てで、急遽変えました。ごめんなさい。(2007年2月23日 8時53分)
今まで読んだ沢山のレポートの中でも格段に楽しめました。
先週参加したライブのレポートを書こうとしていたのですが、自分のミーハーなレポートが恥ずかしくなってしまいました。
書く気持ちが折れてしまうほど素晴らしく羨ましいレポートです。
自分が見たいスピッツがkakeraさんのレポートに詰まってる。
ゴースカにはまだ参加したことがないのですが、次回は必ず!!という意欲が強くなりました。
昔からスピッツを見てきた方ならではの視点が好きです。
ありがとうございます。
ちなみに、kakeraさんはオンラインのトンガリヴィレッジには同名で参加されていますか?
それらしきメンバーをみつけたので、あしあとをつけさせて頂きました。
読んでくださってありがとうございます。
いえいえ、私のレポ、本当に無意味に長いばかりで…。
仲間にはバカにされてますので、褒めていただけるのはすごくうれしいです(褒められてのびるタイプです)。
ぜひぜひ次回のゴースカ(いつやってくれるでしょうね、楽しみ)には参加してください(って私が頼むのもヘンですけど)。
ホントに楽しいイベントですよ。
ちなみにトンガリの「かけらさん」は私ではないと思われます。すみません。
ありがとうございました!!
74さんが行かれたライブのレポ、ぜひ書いてください。