隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

光と笑いと青空と~秋の陣馬山から相模湖まで

2006年10月10日 22時17分46秒 | 私のPLACE(含・旅行記、山記録)
▲陣馬山をご存知ない方へ
 陣馬山は眺望もよく登山道も整備されているので、ガイドブックには「登山の入門コース」と書かれている(ちなみに画像は携帯で撮った陣馬山頂のベンチ。もっといいショットがたくさんあるのですが、今夜のところはとりあえず。美しい青空だけ、いかがですか)。
 東京都民にはおなじみの高尾山から景信山~陣馬山というコース、八王子からバスで陣馬高原下から和田峠を経由するコース、また生藤山~和田峠~陣馬山という縦走路もあるらしい。
 今回(2006年10月8日快晴!)私たちがたどったのは、「中央線藤野駅~陣馬山登山口~和田分岐~陣馬山~明王峠~底沢峠~美女谷温泉~相模湖」のコース。

▲メンバー紹介(笑)
 学生のときにワンゲルクラブで知り合い、山の付き合いを越えて大事な時間を共有してきた友人との久しぶりの山歩き。彼女は国内の三千メートル級の山々だけではなく、アメリカのヨセミテ、スイストレッキング、北欧での手作り旅行なんかを友人と二人で果敢にチャレンジしちゃうような活動的な人だけど、低山の山歩きやのんびりハイキングも大好きで、富士山がきれいに眺望できる山には目がない…という「山」に関してはオールラウンドというか、節操のない(笑)人です。
 昔は私ももっと果敢に山を歩いていたし、彼女とは八ヶ岳、白根三山(北岳~間ノ岳~農鳥岳)、鳳凰三山、笊が岳(当時はちょっとマニアックだったけど、今はどうなんでしょう)などを歩いたり、与論島や北陸をテント旅行して、危ない目?にあったりおかしな経験をしたり、話せば長い長い物語になります(本人たち以外には興味のない物語ですが。笑)。
 そんな友人とおしゃべりしたり、日頃の愚痴を大らかに受け入れてもらったり、笑いころげたり…。景色も堪能しつつ、ユカイな貴重な一日を送りました。
 以上、メンバー紹介終了。んなわけで、登山記録を期待して来てくださった方には、ここらへんで見切りをつけられちゃっただろうな。

▲中央線藤野駅~陣馬山
 藤野駅からは休日は9時8分に和田行きのバスが出る(藤野駅からのバスの時刻表はこちらでどうぞ)。
 今日は秋晴れのうえに三連休の中日ということでバスの中は満員。「もう少しつめてくださ~い」に「ダメっ! ダメです」というおばさんのキツイ声があり、カチンときたのですが、結局臨時バスが手配されていました。ああ、ケンカしないでよかった…。おばさんは結構わがままに生きてるよ、と穏やかな友人に軽くたしなめられる。そうだな、私はホントにつまんないところで「ムッ!」となりすぎるなあ、と少し恥ずかしい。あんなおばさんにはなるまい、と、まだこんなことを言っている子どもなワタシ(恥)。
 陣馬山登山口までは5分足らず。バス賃170円。バスの本数は少ないので、歩いたとしても30分くらいで着く。8月の下旬にここを歩いたことがあったが、思いのほか大したことはなく、暑さもさほど気にならなかったことを覚えている。友人はお得意のヒッチハイクで切り抜けたことがあるというが、いろいろ悲しい物騒な時代だし、どうなんでしょうか。ねえ?
 バスを下り、右手に入るとしばらくは集落の間を整備された舗装の坂道を軽く登り、それでもいつの間にか高度をかせいでいることに感動する。山に行くと、いつもこんなことで感動している進歩のない私だなあ。私たちが行くのは「一の尾根」。陣馬の湯を経由して栃谷尾根を行くコースもある。どちらかを下山道に使う人もいるんだろう。
 10分足らずで舗装道は終わり、樹林帯の中に入る。杉林の中、緩やかな登り、歩きやすい道。同じバスから降りたのはそれほど多くはなく、それでも前後しつつ、途中に置かれた丸太のベンチで軽く休みをとりながら登る人たち、私たちのようにあまり休みはとらずにゆっくり話しながら歩く人、いろいろだ。マウンテンバイクで山を下りてくる人にも何人か出会う。途中で和田分岐。あのバスで終点の和田まで行き、そこから登ってくる人が今日は多かったようだ。そちらのほうがコースタイムは少なくてすむのだろう。
 地元のおばさんがかごを背負ってキノコとりをしているのにも出会い、しばし会話。今回は雨が続き、ダメになったキノコも多いという。それでもしばらくはキノコのいい季節だそうだ。
 緩やかな樹林帯の道から、少し急な階段になると、もうその上は陣馬山のピーク。登山口からは2時間足らずの行程だった。

▲陣馬山頂上~見事な富士山



 さあ、着いたぞ! 気温は結構高く、汗もかいたけど、湿度20%の今日は汗も心地よく乾いてしまう。そして、友人はあまり汗をかかない(うらやましい)。
 ピークにはすでに大勢の人がいたが(八王子から車で和田峠まで来て登ってきた人も多いのだろう。最近の山にはめずらしく、若いカップルが仲よくお昼寝していたりする)、ここのピークは広いので、いくらでもマイ・ベスト・ポジションを確保できる。私たちはひとまずピークの標識近くで立派な富士山を拝む。前記のとおり友人は「眺望富士山フェチ」。「やっぱり富士山はいいねえ!!!」と毎度の言葉。ここからは彼女のことを「富士っ子」と呼ぼう。



 でも今日の富士山は山頂にかすか~に雪がついているだけだったが(富士山はやっぱり頂上付近に雪がないと、ちょっとまぬけに見える? んなわけない?)、でも確かにりっぱでした。その左手につらなる丹沢山系の蛭が岳、檜洞丸も壮麗だったな。
 大都会東京の憎たらしいくらいに堂々と広がった様子も一望のもと、新宿、横浜、そして「あれ~、海? 相模湾?」と富士っ子の声。海? あれは東京湾だよ、きっと。そんな漫才チックな会話をお聞きになった方も多いことと…。
 それにしても、もったいないくらいの青空。この空の青さにまさる色を私はほかに知らないなあと、改めて感動します。これを見るたびに心が少し泣けるのも事実。年老いても、この心の揺れを忘れないでいたいものだと、そんなことを今日もまた…。 
 そして、富士っ子がもってきてくれたホエブスでお湯をわかし、カップラーメン(「昔ながらのラーメン」です)とおにぎり、そして彼女がもってきてくれた夕飯の残りの肉じゃがで、お昼ご飯は大満足!
 ふかふかの芝の上に寝転がっておしゃべりしたり、地上の人たちに画像を送付したり。「いつまでここにいてもいいねえ」という思いを振り払って重い腰をあげ、その前に350円の山盛りかき氷を半分っこして、そして明王峠へと出発だ。ピークにいること2時間半くらいだったでしょうか。ああ、こんなのんびり山歩きを楽しむ彼女ですが、この2カ月足らずの間に、友人たちと北岳、そして長年の憧れ雨飾山を歩いている猛女なのです。過酷な仕事の合間に、です。どんな女だ!と思われる方もいらっしゃるでしょうが、長身痩せ型の「ズルイ女」です(あ、性格はズルクないですけど)。

▲陣馬山~底沢峠~相模湖
 ああ、もう眠いし、先を急ぎます。
 陣馬山から景信山のほうへ進みます。やや覆い茂った樹林帯のほぼなだらかな尾根道を歩く。木々の合間から見える空はまだまだ明るい。陣馬へ向かう人たちと軽く挨拶をかわしながら1時間足らずで明王峠。結構人でにぎわっていて、誰かがハーモニカで「ふるさと」を奏でている。ちょっとできすぎな光景?
 ここからは、大明神山、子孫山ノ頭を経て一気に相模湖に下るコースがある。そこを行く人たちも見かけたが、私たちは今回はあえて、少し先の底沢峠から相模湖に下る計画。明王峠からの下山道は3年ほど前に私が歩いたことがあるのだが、私のキライな歩きにくい急な下りが続き、最後、相模湖が眼下に見えてからの下りは夕方暗くなっていたせいもあって、非常に印象が悪かったのだ。これはあくまで私の主観なので、ここを下ろうと計画している人がいたら、ここは読まなかったことにして。
 明王峠から底沢峠まではゆるやかな尾根道。途中左に陣馬高原下へのコースが分かれる。底沢峠には新しい標識も立っていて、迷わず下山道に入る。ふわふわの歩きやすい下り坂を進む。スギ林が鬱蒼としていて、ひとりだったらちょっと気味悪いかもね、などと言いつつも、どんどん高度を下げ、急な下り、なだらかな道が交互に現れる感じで、楽に歩いていけて、ひと安心。明王峠の案内にあった美女谷温泉に入れるといいね、と期待しつつ、ちょっと足の爪が痛くなりかけたところで、小屋らしきものの屋根、中央道が見えてきて、沢の音も大きくなる。車やバイクの音もどんどん大きくなる。ここまで底沢峠から、ちょうど1時間。
 民家の間に下りてきて、温泉発見。だけど、残念ながら、もう宿泊客が到着したということで、日帰り入浴の夢は絶たれてしまいました。ま、今日はここまでラッキーなことがありすぎで(青空よし!だけでも満足だし)、温泉×くらいで意気消沈はしませぬ。
 車道を20分ほど歩いて国道20号に出る。斜め前に「底沢」のバス停。時刻表を見ると、4時29分に相模湖行きあり。あと10分足らずなので、バス待ちを決定(相模湖駅までは2キロとあるから、歩けば30分くらいでしょう)。
バスは定刻通りに到着し、10分ほどで私たちを中央線相模湖駅まで運んでくれました(バス賃200円)。お疲れさん、ノド乾いたよ!

相模湖で~家庭風呂? でもいい気持ちでした
  いったんはホームに入ったのですが、八王子で祝杯?をあげるより、こんな気持ちのいい夕方は相模湖でビールでも飲みながら、残りのおにぎりを食べたいね、ということになり、徒歩10分で相模湖畔。前方の山なみに夕日が隠れるところで、雲と夕焼けのコントラストにプチ感動。
そして、大看板に「日帰り入浴歓迎、大正館」のうれしい文字を発見!
 さっそく訪れて、汗を流したというわけです。今ネットで検索したら「大浴場あり」と書いてあったけれど、私たちが案内されたところは家庭風呂の広さ? それでも山での一日の汗を流し、疲れを癒せたのだから、文句はありませぬ。帰りにご主人が冷たい麦茶をふるまってくれたし、施設は清潔だったし。とにかく山から下りて温泉に入れたのだから。
 暗くなった外は、ちょっとひんやりした空気が心地よく、駅までの10分の道のりを歩きながら、またこういう時間をもてたらいい、と、そんな思いを新たにした私です。

誘ってくれた友人と、今日のすべてに謝謝!
おやすみなさ~い!

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