隠れ家-かけらの世界-

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闇を抱えた草食系男子に勇気を!~ザ・スミスで漫遊記

2021年05月12日 20時11分34秒 | スピッツ

2021.05.09
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO



 「野山に公園に花が咲き乱れる季節」から「花びら占い」の話題へ。
 (「好き~嫌い~好き~嫌い・・・ってやつかな? ああ、恋愛ドラマのコミカルシーンでの「愛してる~愛してない~」ってやつか)
 草野「岡崎友紀さんとかのイメージかな」
 最近あんまり「花びら占い」って聞かないよなあ、と。
 草野「花びらをむしる行為があまりよろしくない? 花がかわいそう・・・とか。時代に合わなくなってきたのか」
 草野くんとしては、花びら占いというものがあったという事実も忘れ去られてしまうのは「昭和世代としては寂しい」と。
 そこで、スイカの季節も近づいてきたし、「スイカの種で占い、というのはどうでしょう。『愛してる、ペッ・・・、愛してない、ペッ・・・』とかね。ちょっと種が多すぎるかな」と。
 (いや、もう・・・、なんという導入)


 そして今回は、【ザ・スミスで漫遊記】。
 草野「80年代中期のイギリスを代表するロックバンド。今なお、世界中のミュージシャンに影響を与えているし、アルペジオのロックということでは、私たちスピッツもメチャメチャ影響を受けています」
 そして、「あくまで個人的見解ですけど、おそらくフリッパーズ・ギターからL'Arc〜en〜Cielまで影響を受けているんじゃないかな」と。


 オンエア曲
 01 初夏の日(スピッツ)
 02 William, It Was Really Nothing(The Smiths)
 03 Hand In Glove(The Smiths)
 04 This Charming Man(The Smiths)
 05 Cemetry Gates(The Smiths)
 06 Ask(The Smiths)
 07 London(The Smiths)
 08 Girlfriend in a Coma(The Smiths)
 09 WALK ON THE MOON(M-AGE)
 10 醒めない(スピッツ)


 漫遊前の一曲は、スピッツで「初夏の日」(2019年、16thアルバム『見っけ』)。
 「スミスとは関係ないんですけど、今の季節に聴けばちょうどいいかな」と。
 (好きだ・・・。すごくすごく好きだ。この一曲で長い時間誰かと語り合いたいくらい。今度気が向くままに書いてみよう。・・・いい曲だなあ。切なくて泣きたくなってきた)
 アルバムに入る前からリクエストがたくさん来ていたそうだ。(「大宮サンセット」と同じような成り立ちの楽曲ですね)

 最初の曲は、The Smithsの「William, It Was Really Nothing」(1984年、5thシングル/1984年、コンピレーションアルバム『Hatful of Hollow』)。
 The Smithsといえば、「ボーカル、モリッシーさんの独特の歌唱、アイロニカルで意地悪で、ときに意味深な歌詞、そしてオレの中ではギターのジョニー・マーさんのアルペジオメインのギタープレイ」。
 この曲も「アルペジオがかなり印象的なナンバーで、個人的にはすごく好きな曲」。

 そして、The Smithsのなりたち。
 1978年、19歳のモリッシーと14歳のジョニー・マーがパティ・スミスのパーティーで出会う。
 当時、ジョニー・マーはすでにバンドをやっていて、モリッシーはフリーライターとして音楽系の記事を書いていた。
 4年後、新しいバンドを考えていたジョニー・マーがモリッシーを誘うべく彼の家を訪ねた。意気投合の末、バンド名をモリッシーが考え、1982年の夏にThe Smiths結成。
 そして、1983年5月にラフ・トレードからデビュー。

 草野少年のThe Smithsとの出会いは・・・。
 中学のころ、メタルやパンクを一緒に聴いていた吉田くん。別々の高校に進んで高2のころに出会ったら、「今はまっているのがザ・スミスだよ」という話になったとか。
 そのころ、アンジーとかアースシェイカーなど日本のバンドを聴いていた草野少年。メタルやパンクばかりを聴いていた耳には、The Smithsは当初あまりピンと来なかったけれど、聴いているうちにだんだん気持ちよくなってきた、と。

 そして、そのころ聴いたのが、「記念すべきデビューシングル」、「Hand In Glove」(1983年、デビューシングル/1984年、1stアルバム『The Smiths』)。
 ベースもよくて、「リズム隊がカッコいいんだよね」。
 そして、「今で言う『陰キャ』を讃える歌詞。いかにもスミス!って感じです」
 当時は、The Smithsの曲は「アルペジオギターにお経みたいな歌がのっている」などと言われていたらしい。「この曲、とくにお経っぽいかな」
 (いやいや、いつ聴いても、この気持ちよさはなんだろう。「弱い者同士で手を組もう」と声高ではなく宣言している感じがなんで気持ちいいんだろう、といつも思う)

 草野「音楽自体ももちろんすばらしいけれど、オレ、個人的にはレコードジャケットに影響を受けました」
 映画のスチール写真やドキュメント写真を使う/表1にメンバーの写真を使わない←「オシャレでカッコいいなあ」
 当時の日本のバンドは、ジャケットに歌っている本人やバンドメンバーの写真を使うのが当たり前。
 草野「ディスるつもりはありませんけど、正直、ダセーなと思っていました」
 だから、いつかバンドを組んでリリースすることがあったら、こういうジャケットにしたいなと夢見ていた。
 草野「スピッツは『空の飛び方』以降、夢はかなっています」
 (『crispy!』は本人が出ちゃっているけど、初期3部作も「夢はかなっている」のでしょうね)
 スピッツ史上、ジャケットで最もThe Smithsを意識したのは、「シングル『みなと』かな。もろスミス!って感じですけどね」。
 以下は、『The Smiths』と『Meat Is Murder』のジャケット。
  

 そして、「みなと」は
『ほろ酔い人生』という映画のスチール写真。
 


 次は、「初の全英1位の曲」、「This Charming Man」(1983年、2ndシングル/1984年、1stアルバム『The Smiths』)。
 (歌詞のシチュエーションをどうとらえたらいいか・・・。さわやかに聴こえるけれど、そのあたりでいつも迷う楽しさあり)


 18歳で上京した草野くん。

 住んでいた府中市の中古レコードショップ「ポポロ」でThe Smithsのレコードを買って聴いていた。
 (「ポポロ」・・・地元では有名だし、お世話になった人は多いと思うけど、いつ閉店したんだろう)
 草野「当時まだ友達もいなくて・・・。寂しい部屋にスミスの曲が合うんだよね」
 たまたまライブ映像を見ることがあって、「裸で花束を抱えて歌うモリッシーさんが結構強い印象で残っている」。
 (「This Charming man」のMVでもライブ映像でも、モリッシーさんは花束を振り回しているけど、裸ではないな・・・)
The Smiths - This Charming Man (Official Music Video)

 草野「当時のロックの世界のわかりやすいマッチョの姿をスミスは全放棄! それでもマッチョなバンドより攻撃的ともいえるのちのオルタナシーンや、闇を抱えた草食系男子に大いに影響と勇気を与えたと思います」。
 当時は、「モリッシーさんとThe Cureのロバート・スミスさんがアンチマッチョのアイコンだったと思う」。

 次は、「Cemetry Gates」(1985年、3rdアルバム『IThe Queen Is Dead』)。
 (cemeteryが「共同墓地」)
 曲のスペルがいまだに“cemetry”なのは、わざとなのかミスなのか、謎らしい。
 (「共同墓地の入り口」というタイトルがすでにすごい。晴れた日にそこで待ち合わせして、キーツやイェーツ、ワイルドなどの詩人や劇作家が登場して、こちらの知性が試されて、そして撃沈)


 メッセージコーナー。
 大学生になって一人暮らしを始めたらホームシックで・・・というリスナーさん。「マサムネさんはどうでしたか?」
 草野「友達いなくて寂しいなとは思ったけど、ホームシックはなかったかな」
 不思議なのは、家族といたころはお化けとか幽霊が怖かったけど、一人になってからは感じないようになったとか。「誰かとワーワーキャーキャー言うから怖いんだな」と結論。
 昔は通話料金とかべらぼうに高かったから「実家とかになかなか連絡とれなかった」けど、今はいろんなツールがあるし、「仲のいい友達ができるまではそういうものを利用して、寂しいときは家族に連絡してみては?」と。
 実は睡眠不足がメンタル面に悪影響を及ぼすので、「よく眠ることですね」。ウンウン・・・。

 100円ショップでストレス解消しているリスナーさん。
 草野「そうなんですよ。最近の100円ショップ、かわいいのが多いんですよ~。昔だったら、雑誌の『Olive』に載ってたようなのがある」
 かわいいキャラクターの製品にも目が向くようで、「自分の中のチェブラーシカやシルバニア好きな魂がムクムクと出てきてしまう」。
 (本当に、不思議な50代男子。これを貫いて、どんな60代になるのか見極めたい・・・)


 次の曲は、「スミスファンの中にも好きな人が多い?と思われるキャッチーな」「Ask」(1986年、13thシングル)。
 意地悪な歌詞が多い中で、「珍しくポジティブで応援歌ともとれる曲」。
 「シャイなのは悪いことじゃないけど、でも損をすることもあるよ。それを打ち破りたいなら、オレになんでもきいてくれ」みたいな内容とか。
 「Ask me, ask me ...」のところをついつい歌ってしまう、と。

 さてさて、次は「スミスとしてはちょっと珍しく、ハードロックな曲」、「London」(1987年、14thシングル「「Shoplifters Of The World Unite」のカップリング」。
 当時「Shoplifters Of The World Unite」は、万引きを肯定しているんじゃないか、ということで物議をかもしたという。
 草野「『London』はちょっとかっこいい曲なのでおススメです」
 (気分が上向きになっていいなあ)
 こちらは、「Shoplifters Of The World Unite」のMV。
 The Smiths - Shoplifters Of The World Unite (Official Music Video)

 最後は、「スミスのラストアルバムから」、「Girlfriend in a Coma」(1987年、4thアルバム『Strangeways, Here We Come』)。
 曲調は爽やかだけれど、昏睡状態の恋人を歌っている「いかにもThe Smiths」な楽曲。
 大学生の頃の草野くんは、タイトルのComa(「昏睡」)をKona(ハワイの地名)と勘違いして、爽やかなリゾートの景色を思い浮かべて聴いていたとか。「180度違ったという洋楽あるある」
 (歌詞はとてもシンプルで、それゆえにとても悲しい)

 このラストアルバムの3週間前にThe Smithは解散。
 解散後のジョニー・マーさん。87年末まではプリテンダーズに在籍。そののち、ニュー・オーダーのバーナード・サムナーとバンドを組んだり、モデスト・マウスやクリブスに加入したりして、2013年にソロアルバム(「ソロアルバムもいいんですよね」)。そして、2020年には「ブリットアワード」でビリー・アイリッシュと共演したりしてご活躍(YouTubeの動画あり)。
 モリッシーさんは解散後すぐにソロ作品をリリース。その後もコンスタントに作品を発表し続け、「イギリスでは超人気のシンガー」。
 草野「モリッシーさん62歳、ジョニー・マーさん57歳。まだまだ若い。さらなる活躍を期待したいと思います」


 特集の最後に。
 草野「ロック好きな人と話していると、スミス好きな人と、まったく興味ない人にはっきり分かれる。これを機に興味を持った方はさらに掘り下げて聴いてほしい」
 歌詞を訳して紹介しているサイトもあるので、「それを見ながら聴くのもオツかも」。
 (スミス聴いていると、歌詞の中身、知りたくなるしね。オリジナルアルバム4枚は頻繁ではないけれど忘れずに聴いている感じです)

 
 そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。

 (イントロは「惑星のかけら」。これがわからなかったら、私としてはヤバイ)
曲は、M-AGE の「WALK ON THE MOON」(1992年、デビューシングル)。
 M-AGEは「もっと売れると思ってたバンドで漫遊記」(ココ)で取り上げたいくらいのバンド。
 スピッツとデビューが近くて、「こんなにルックスのいいバンドがデビューするなら、オレら無理ゲーじゃない?という卑屈な敗北感を味わっていた」。
 草野「今思うと、見かけはアイドル的だったけれど、音楽は本格派で、そこまで売れ線ではなかったのかも。当時のイギリスのレイブミュージックをきちんと消化して、むしろ通好みのバンドだったのでは?」
M-AGE - someday close your eyes.


 そして来週は、「デンマークのロックバンドで漫遊記」。
 今までもデンマークのバンドをかけてはいるんだけれど、小さめの国のわりにはロックバンドの数は多いし、ジャンルもさまざま、「で、デンマーク産のロックバンドを並べて聴いたら、何か発見があるかも」ということで、特集です。
 (こういう括り、この番組ならでは・・・で楽しみ)

 そして、「草野さ~ん、おもしろい文具、見つけました」
(文具は奥深い・・・)

 最後に、リクエストを募集!
 「ロックサウンドなアイドル曲」、姿勢や歌詞が・・・ではなく、「サウンドがロック」。男女は問いません。
 男性では、THE GOOD-BYEや男闘呼組もあったっけ。
 本田美奈子さんの「CRAZY NIGHTS」はクイーンのブライアン・メイさんの楽曲だそうです。


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