花冠ブログ句会

主宰・選者/高橋正子 世話人/藤田洋子

●5月投句選句箱①

2010-04-30 17:10:48 | Weblog
※①5月1日(土)~15日(土)の投句は、こちらの<コメント欄>にお書きください。
※②投句は、1日3句以内です。好きな句(コメント付きの選句)は、1日1句です。投句された方は、必ず<好きな句>を選んでください。
※③今回の入賞発表は、5月15日(土)となります。
※④15日(土)の午後6時から午後12時までの間は、入賞発表の作業中ですので、投句を禁止いたします。
※⑤花冠同人以外の方のご投稿は、ご遠慮ください。

●入賞発表/4月16日(金)~4月30日(金)

2010-04-29 11:06:44 | Weblog
■4月16日(金)~4月30日(金)
□高橋正子選

【最優秀/2句】
★つばめ来る瀬戸の海光ひるがえし/柳原美知子
南からのつばめが来ることは、あたらしい季節の到来。「海光ひるがえし」に、瀬戸を颯爽とぶつばめの生き生きした姿がある。(高橋正子)

★青空を透かしてほぐれ楓の芽/多田有花
楓の芽のみどりの間から青い空が透けて見える。「透かして」の把握が生きていて、ほぐれたばかりの楓の芽の様子がよく見て取れる。(高橋正子)

【特選10句】
★群青の湖までの土手花菜風/黒谷光子
土手伝いに菜の花の風を受けながら湖まで歩くと、湖は群青の色に。その色への驚きがある。菜の花の黄色をイメージさせる花菜風と、湖の群青のコントラストが美しい。(高橋正子)

★花主と見上げふさふさ藤の房/祝恵子
「花主」は、風流。原句は、「見上げておりぬ」であったが、藤の房の観察をもう一歩進めて、「ふさふさ」と添削した。ふさふさとした藤房の豊かさが感じられる。(高橋正子)

★あくまでも空にほぐるる楓の芽/小口泰與
楓の芽がほぐれるのは、あくまでも空。ほぐれたばかりの楓の芽のつややかな若緑と、空の青とがよい色合いとバランスをなしている。(高橋正子)

★八重桜色を沈めて街ふけぬ/成川寿美代
八重桜は桜の中では、もっとも遅く咲く。ぽったりと重い花は、街がふけ、色を沈めたころに抒情がある。(高橋正子)

★晴れ渡り勇み掲げる鯉のぼり/河野啓一
鯉のぼりは、晴れた空に揚げるのが一番。青空に風を得て勇壮に泳ぐ鯉のぼりはよいものだ。よく晴れれば、親も勇む心で鯉のぼりを揚げる。(高橋正子)

★春の海浅瀬のやがて満ちくるか/下地鉄
「やがて満ちくるか」は、まだ満ちていない浅瀬の景。のびやかな春の浅瀬にゆったりと潮が満ちてくるのを思うゆたかさがいい。(高橋正子)

★いたどりの節目鮮やかダムサイト/古田敬二
いたどりがすっと伸び出て、節が鮮やかに見える。それがダムサイトにあるので、ダムの水面が見えて、浅緑の茎に紅の斑も芽が生かされている。(高橋正子)

★幾たびも田の面を掠めつばくらめ/佃 康水
4月頃全国に渡来して軒や梁などに巣をかける燕。飛びながら昆虫類を食べ、飛行が早く飛ぶ姿も可憐ですね。燕が飛ぶようになると春を感じますね。 (小口泰與)

★リラ冷えのひと日テーブルクロス編む/後藤あゆみ
リラの花とレース編、しぐさなど美しく優しい情景が浮かびます。 (黒谷光子)

★筍の切り口白く草に置く/藤田洋子
切り口が白いというので、今まさに切り取ったばかりの筍なのでしょう。草におくことで、筍狩りで切り取ったばかりの新鮮さが、とてもよく伝わります。(高橋秀之)

【入選16句】
★遠ざかる新幹線へ木の芽風/多田有花
スピードとスマートさに勝れる新幹線と、やさしい木の芽風がよく沿っている。一瞬にして過ぎ去る新幹線をよく詠んで工夫がある。(高橋正子)

★名水をふふむ山路に若葉風/佃 康水
清水をふふみ、身も心も軽やかに若葉をわたるみどりの風に吹かれて、山路をゆく心地よさ。さわやかな新緑の季節の到来を感じさせていただきました。(柳原美知子)

★長雨に癒しと梨花の一面に/飯島治朗
原句「長雨に梨花一面の癒しかな」をより明るくするために、より深くするために添削をしました。暗くならないために、浅くならないために、どうすればよいかをご自身でお考えください。(高橋信之)

★たんぽぽの黄の色残し草を抜く/藤田裕子
雑草を抜く時、きれいな黄色のたんぽぽだけは残しておきたいという作者の気持ちよく分かります。私も畑の草を抜く時、雑草の命の輝きに触れ、この草だけは残しておこうと思うことがあります。(井上治代)

★はなやぎも去り今では皆葉桜に/迫田和代
満開の頃はお花見で賑わった桜の園もみな葉桜となり静けさが戻ってきました。華やかな頃と葉桜の頃の対比が素敵です。(黒谷光子)

★タンポポの綿毛いっぱい円い丘/小西 宏
丸い丘の周りはタンポポがたくさん咲いていたのでしょう。綿毛いっぱいが春の穏やかな風に飛ぶ綿毛を感じさせてくれます。 (高橋秀之)
なだらかな丘より空に舞う、タンポポのたくさんの白い綿毛、春色溢れるうららかさに心も明るく晴れやかになれます。(藤田洋子)

★風船を大事に抱えた帰り道/高橋秀之
風船に込められた作者の、ご家庭への思いがあたたかく伝わります。風船を持ち帰ったご家庭の明るい情景も心楽しく想像します。 (藤田洋子)

★ふくらんできて芍薬の白き珠/藤田洋子
まんまるの芍薬の蕾を的確に詠まれていると思います。立派な白い芍薬が咲くことでしょう。(黒谷光子)

★チューリップ一年生へ丸々と/川名ますみ
「丸々と」という言葉がチューリップという花の様子にも、可愛らしい一年生の様子にもぴったりですね。明るく健やかな雰囲気の御句です。 (多田有花)

★春の月樹間に望む露天の湯/渋谷洋介
露天風呂から望む春の月、それだけでもう最高ですね。まだ少しひんやりしているかもしれませんが、それもまた露天の湯の楽しさです。 (多田有花)

★夕風にほのかに揺れる豆の花/井上治代
夕風に吹かれて、暮れなずむ可憐な豌豆の花や蚕豆の花の色、のどかな田園風景が眼に浮かびます。やがて豊かな実をつける新たな季節が楽しみですね。 (柳原美知子)

★水張りし田のひろびろと村静か/後藤あゆみ
田植えの準備のために水を張られた広々とした田んぼ。春の陽射しにきらきらと煌めく。作業が終って時間がたつのだろう。濁りは澄み、人影は見えず静かな村である。(古田敬二)

★水かさの高き利根川麦青し/小口泰與
満々と水を湛えた利根川に添う青々とした麦畑、溢れるみずみずしさに明るい季節の喜びを感じます。(藤田洋子)

★旅立つ日の母に和服を選る遅日/小川和子
旅立つ日を前に母へ寄せる作者のあたたかな思い、母と娘に流れる優しい情愛に、のどかな春の平穏な遅日のひとときを感じさせていただきました。(藤田洋子)

★藤波の風はむらさき吾が頭上/桑本栄太郎
頭上とあるので藤棚なのでしょう。春の風に揺れる藤の様子が、とてもさわやかに感じられます。(高橋秀之)

★夕陽早や川面に眩し夏隣る/桑本栄太郎
光が強くなってきたのを実感します。この春はぐずつくことが多かっただけに光の強さにはっとされている、その驚きが伝わってきます。 (多田有花)

●今日の秀句/高橋正子選

2010-04-17 10:41:47 | Weblog
■4月16日
★青空を透かしてほぐれ楓の芽/多田有花
楓の芽のみどりの間から青い空が透けて見える。「透かして」の把握が生きていて、ほぐれたばかりの楓の芽の様子がよく見て取れる。(高橋正子)

★群青の湖までの土手花菜風/黒谷光子
土手伝いに菜の花の風を受けながら湖まで歩くと、湖は群青の色に。その色への驚きがある。菜の花の黄色をイメージさせる花菜風と、湖の群青のコントラストが美しい。(高橋正子)

■4月17日
※該当作品なし

■4月18日
★春の沖へ沖へとヨットのきらめく帆/多田有花(信之添削)
ヨットの観察をよくすべきなので、添削。春の沖へ出てゆくヨットの帆がきらめいて、沖にはもう夏が近づいている感じがする。(高橋正子)

■4月19日
★花主と見上げふさふさ藤の房/祝恵子(正子添削)
「花主」は、風流。原句は、「見上げておりぬ」であったが、藤の房の観察をもう一歩進めて、「ふさふさ」と添削した。ふさふさとした藤房の豊かさが感じられる。(高橋正子)

■4月20日
★あくまでも空にほぐるる楓の芽/小口泰與
楓の芽がほぐれるのは、あくまでも空。ほぐれたばかりの楓の芽のつややかな若緑と、空の青とがよい色合いとバランスをなしている。(高橋正子)

■4月21日
★八重桜色を沈めて街ふけぬ/成川寿代
八重桜は桜の中では、もっとも遅く咲く。ぽったりと重い花は、街がふけ、色を沈めたころに抒情がある。(高橋正子)

■4月22日
※該当作品なし

■4月23日
★遠ざかる新幹線へ木の芽風/多田有花
スピードとスマートさに勝れる新幹線と、やさしい木の芽風がよく沿っている。一瞬にして過ぎ去る新幹線をよく詠んで工夫がある。(高橋正子)

■4月24日
★晴れ渡り勇み掲げる鯉のぼり/河野啓一
鯉のぼりは、晴れた空に揚げるのが一番。青空に風を得て勇壮に泳ぐ鯉のぼりはよいものだ。よく晴れれば、親も勇む心で鯉のぼりを揚げる。(高橋正子)

■4月25日
★つばめ来る瀬戸の海光ひるがえし/柳原美知子
南からのつばめが来ることは、あたらしい季節の到来。「海光ひるがえし」に、瀬戸を颯爽とぶつばめの生き生きした姿ががある。(高橋正子)

■4月26日
★水平線まっすぐ見えて夏近し/多田有花
夏が近づくと、ものがすっきりと晴れやかに見える。水平線がまっすぐ見える。海はきらめいているだろう。沖をゆく船もあるだろうが、それらを省略して、一本の水平線で夏近しをよく捉えた。(高橋正子)

★春の海浅瀬のやがて満ちくるか/下地鉄
「やがて満ちくるか」は、まだ満ちていない浅瀬の景。のびやかな春の浅瀬にゆったりと潮が満ちてくるのを思うゆたかさがいい。(高橋正子)

■4月27日
★さわさわと風通りけり竹の秋/多田有花
竹は四月ごろに古い葉が黄ばんで他の植物とは反対の様相を見せる。さわさわと心地よい風が黄ばんだ竹を吹くのも、春にあって面白い。(高橋正子)

■4月28日
★いたどりの節目鮮やかダムサイト/古田敬二
いたどりがすっと伸び出て、節が鮮やかに見える。それがダムサイトにあるので、ダムの水面が見えて、浅緑の茎に紅の斑も芽が生かされている。(高橋正子)

■4月29日
★稜線は木の芽の色にほぐれゆく/多田有花

■4月30日
※該当作品なし

●今日の佳句/高橋正子選

2010-04-17 10:41:18 | Weblog
■4月16日
★チューリップ開けば庭の広く見え/祝恵子
チューリップはとても明るい花ですね。「開けば庭の広く見え」と詠われたとき、その端然と咲く姿が改めて眼前に広がって見えるようでした。 (小西 宏)

★街角に大きな樟や若葉萌ゆ/河野啓一
楠の若葉がきれいな季節です。黄緑の柔らかな茂りは青空によく似合います。 (古田敬二)

★早や風と光に揺れて花水木/佃 康水
当地も花水木が開き始めています。交差点の向こう側の白い花水木の萼がまぶしく見えます。風に揺れると色がちらちらと変わり趣がまた変わります。(古田敬二)

■4月17日
★長雨に癒しと梨花の一面に/飯島治朗(信之添削)
原句「長雨に梨花一面の癒しかな」をより明るくするために、より深くするために添削をしました。暗くならないために、浅くならないために、どうすればよいかをご自身でお考えください。(高橋信之)

★もりもりと空にあかねの樟若葉/河野啓一
★銀色に開き初めにし小楢の芽/多田有花

■4月18日
★程よさに落花掃かずに客を待つ/佃 康水
千利休の逸話を思い出してしまいました。ほどよく散った花びらはお客様の心を楽しいものにしたでしょう。(多田有花)

★病窓に欅の芽吹き薄みどり/飯島治朗
★降ればなお色の増したる杜若/下地鉄
★風船を大事に抱えた帰り道/高橋秀之

■4月19日
★まっすぐな線路単線つくづくし/小口泰與
まっすぐな線路と土筆との色や形の相性が、とてもよい素敵な句です。景もよく見えます。(飯島治朗)

★花屑を流して水のなお清し/黒谷光子
いよいよ桜も散り、花屑となって水に流れていきますが、その水は桜の面影を清らかに映すようで、澄みきっています。桜を惜しむ気持ちが伝わってきて、美しい句ですね。 (柳原美知子)

★杜若写して今日のアルバムに/下地鉄
御句から鮮明に写された活き活きとした紫?白?の杜若が、そしてアルバムには季節の美しい花々の写真がつずられて居るんだろうなと想像出来好きな句です。(佃 康水)

★遠ざかるげんげ田色濃き車窓かな/桑本栄太郎

■4月20日
★たんぽぽの黄の色残し草を抜く/藤田裕子
雑草を抜く時、きれいな黄色のたんぽぽだけは残しておきたいという作者の気持ちよく分かります。私も畑の草を抜く時、雑草の命の輝きに触れ、この草だけは残しておこうと思うことがあります。(井上治代)

★はなやぎも去り今では皆葉桜に/迫田和代
満開の頃はお花見で賑わった桜の園もみな葉桜となり静けさが戻ってきました。華やかな頃と葉桜の頃の対比が素敵です。(黒谷光子)

★チューリップ一年生へ丸々と/川名ますみ
★杉の木に絡まる蔦の芽吹き初む/黒谷光子
★妻の出す浅蜊の味噌汁温かく/高橋秀之

■4月21日
★青麦のきらきらうねる風に陽に/黒谷光子
青々と伸びた葉や茎が、風と陽を存分に受けてきらめいている。春の麦畑の明るさが浮かびます。風にそよぎ、陽射しを返す、その光の動きが美しいですね。 (川名ますみ)

★リラ冷えのひと日テーブルクロス編む/後藤あゆみ
リラの花とレース編、しぐさなど美しく優しい情景が浮かびます。 (黒谷光子)

★春の月樹間に望む露天の湯/渋谷洋介
★雨上がる窓を横切る紋白蝶/古田敬二

■4月22日
★幾たびも田の面を掠めつばくらめ/佃 康水
4月頃全国に渡来して軒や梁などに巣をかける燕。飛びながら昆虫類を食べ、飛行が早く飛ぶ姿も可憐ですね。燕が飛ぶようになると春を感じますね。 (小口泰與)

★筍の包まる若狭の地方版/黒谷光子
★春風の色をさらさら高架下/川名ますみ

■4月23日
★城址を北に訪ねて桜狩/渋谷洋介
北上しながら、開花してゆく桜。上五にロマンが秘められ、心弾ませて北へ旅する作者の心模様が伝わってきます。(飯島治朗)

★山行きの土産と蕨ひと括り/黒谷光子
★夕風にほのかに揺れる豆の花/井上治代

■4月24日
★名水をふふむ山路に若葉風/佃 康水
清水をふふみ、身も心も軽やかに若葉をわたるみどりの風に吹かれて、山路をゆく心地よさ。さわやかな新緑の季節の到来を感じさせていただきました。(柳原美知子)

★山菜のあれこれを煮て日の永し/黒谷光子

■4月25日
★峡深く風に吹かれる崖の藤/成川寿美代
山藤は山里深い渓流の崖に自生し、晩春の日差しの中で風に揺れている景はとても趣があり、春が来たことを実感いたしますね。 (小口泰與)

★木の芽山あまりに明るき真昼なり/多田有花
★虎杖の朱色錆びおり野の風に/桑本栄太郎

■4月26日
★つめ草の白き花冠の遠き日よ/桑本栄太郎
野原や河川敷の白詰草が、白い花を一斉に風に揺らすのを見ると、郷愁を感じます。花の冠を作ったり、四葉をさがした子供の頃が思い出されます。(柳原美知子)

★タンポポの綿毛いっぱい円い丘/小西 宏
タンポポの綿毛いっぱい円い丘/小西 宏
丸い丘の周りはタンポポがたくさん咲いていたのでしょう。綿毛いっぱいが春の穏やかな風に飛ぶ綿毛を感じさせてくれます。 (高橋秀之)

★青空を透かしてみどり柿若葉/河野啓一
★雨粒や牡丹の紅の開きかけ/川名ますみ

■4月27日
★新緑の萌える強さに身を正し/迫田和代
★鶯は鳴き止み山の水の音/古田敬二
★春雲や風にふくらむグライダー/下地鉄
★絮飛んでタンポポの茎日に透けり/柳原美知子

■4月28日
★降りだせば声高らかに昼蛙/多田有花
★満開の藤棚仰ぎ風を聞く/河野啓一
★夕陽早や川面に眩し夏隣る/桑本栄太郎

■4月29日
★水張りし田のひろびろと村静か/後藤あゆみ(信之添削)
田植えの準備のために水を張られた広々とした田んぼ。春の陽射しにきらきらと煌めく。
作業が終って時間がたつのだろう。濁りは澄み、人影は見えず静かな村である。 (古田敬二)

★風をよびカラカラカラと風車/井上治代
★旅立つ日の母に和服を選る遅日/小川和子
★ふくらんできて芍薬の白き珠/藤田洋子
★藤波の風はむらさき吾が頭上/桑本栄太郎

■4月30日
★水かさの高き利根川麦青し/小口泰與
★筍の切り口白く草に置く/藤田洋子

▼コメントの無い句には、花冠同人会員であれば、どなたでもコメントを書くことができますので、下の<コメント>にお書きください。よろしくお願いします。

●4月投句選句箱②

2010-04-15 19:23:27 | Weblog
※①4月16日(金)~30日(金)の投句は、こちらの<コメント欄>にお書きください。
※②投句は、1日3句以内です。好きな句(コメント付きの選句)は、1日1句です。投句された方は、必ず<好きな句>を選んでください。
※③今回の入賞発表は、4月30日(金)となります。
※④30日(金)の午後6時から午後12時までの間は、入賞発表の作業中ですので、投句を禁止いたします。
※⑤花冠同人以外の方のご投稿は、ご遠慮ください。

●入賞発表/4月1日(木)~4月15日(木)

2010-04-14 20:40:02 | Weblog
■4月1日(木)~4月15日(木)
□高橋正子選

【最優秀/2句】
★音立てて甲斐全山の芽吹きけり/川名ますみ
芽吹きが音を立てるとは実際どのようなことか。聳え立つ甲斐の山々がいっせいに芽吹く勢いを感じ取ってのことであろうし、また風が芽吹く全山を渡ることでもあろう。甲斐の山々ならではのことである。(高橋正子)

★カルストの山の上なる春の月/下地鉄
カルスト高原の上に円かな春の月が出ていて、俗世間を離れた明るい世界がある。添削は、擬人法の「見下ろす」を避け写生をして「上なる」とした。写生は「私意」を離れることでもある。(高橋正子)

【特選10句】
★芽柳の風に広がる薄みどり/黒谷光子
枝垂れ柳は、少しの風にも揺れやすいが、一たび風が吹くと芽ぶいた柳は、薄みどり色をさあっと広げる。芽柳の色も動きも人を和ませる優しさがある。添削は、写生をよくして、「広げる」を「広がる」とした。(高橋正子)

★初燕一閃を引き街空に/藤田洋子
初燕を街の空に見かけた。「一閃を引き」は、燕の飛ぶスピード感と燕の眩しさを表現しているが、一瞬のこととして初燕を見た思いをも表現している。添削は、テーマを上五にもってき、印象を強くした。(高橋正子)

★初燕満水となる池の面を/古田敬二
満々と水を湛えた池面すれすれに、さっそうと飛ぶ燕。初燕だけに、その飛ぶ姿は目に眩しいほど。水が満々とあること、燕がやって来たこと、すべて明るい喜びである。(高橋正子)

★九段坂入学式の賑わいに/渋谷洋介
九段は都心の一等地にあり、都立高校、私立大学、専門学校など多くの教育機関が集まっている。ちょうど桜も見頃、入学式に臨む様々な学校の新入生たちに新鮮な賑わいを見る。(高橋正子)

★街空に天守浮かべて山若葉/柳原美知子
「山若葉」が目に新鮮。松山は街のほぼ中心にこんもりと城山がある。若葉に浮かぶ天守は松山を象徴し、絵になる。(高橋正子)

★さくら咲き新しき月始まりぬ/河野啓一
桜が咲くと、4月が「新しき月」、フレッシュな月と印象付けられる。世の中では、新入社員や新入生が見られ、人生のスタートを切った人達も多い。桜の花の印象、花冷えの空の印象とともに新しき月が始まるのが日本である。(高橋正子)

★滑らかに水流るるや楓の芽/小西 宏
句意と句のリズムがよく合って滑らかである。楓の芽に水が滑らかに流れる景色は、若楓となったころも合わせて想像させて美しい景色である。さらりと表現したのがよい。(高橋正子)

★紫雲英田の柵に忘れし子供服/祝恵子
最近では少なくなったげんげ田ですが、子供の頃は山羊を連れて行き、げんげを食べさせながら鬼ごっこをしたり、寝転んで青空をながめたりして遊びました。懐かしい光景がよみがえり好きな句です。 (桑本栄太郎)

★旅立ちの子にほのぼのと花明/井上治代
旅立ちの日の子を思う母の気持ちがほのぼのと、またやさしく詠まれている。(高橋正子)

★観劇終え青麦の風に吹かれおり/藤田裕子
青麦を吹く風が、観劇の余韻を引く身に、心地よく吹いて、明るくもしっとりとした思いがある。(高橋正子)

【入選15句】
★絶え間なく雲ゆく桜咲く上を/多田有花
桜が咲く上を絶え間なくゆく雲がある。桜と雲の関わりに動きがあって、新しい叙情が生まれている。原句の「大桜」は詩語として、一考が必要なので添削。(高橋正子)

★春潮と言えば馬関の狭い海/迫田和代
下関海峡は、本州と九州の間の狭い海峡だが、壇ノ浦の合戦、武蔵小次郎の巌流島、竜馬が艦隊を率いて活躍した四境戦争などの歴史がある。流れる潮の速さ、潮に逆らい行く外国商船などが見られ、動きも歴史もある海峡である。馬関(ばかん)は下関の別名。「馬関」の名が、「春潮」を効果的に浮き上がらせている。(高橋正子)

★蔦若葉伸びよ茜に緑なせ/河野啓一
蔦若葉は、小さな紅い芽から、日差しを浴びて、急速に伸び、つやつやとした緑の若葉となり、美しいものである。それに夕日があたると、明日への希望を湧き立たせるような雰囲気となって明るい景色である。「伸びよ」「なせ」は、若葉への期待。(高橋正子)

★磐梯の雪残したる大裾野/小西 宏
磐梯の山は春の息吹に緑を蘇らせつつあるが、ひろびろと広がる裾野に残る雪が印象的である。磐梯の大いなる春である。(高橋正子)

★紫雲英田に一つの空の蒼さかな/下地鉄
春の草花としてもっとも親しまれている紫雲英、かまっては緑肥として刈り取りの終わった稲田に植えられました。春の蒼空との対比が素敵ですね。特に一つの空が素晴らしいと思います。 (小口泰與)

★あんず咲き田水あふるる棚田かな/小口泰與
あんずの開花の彩りも、あふれる田水もみずみずしい棚田の風景、明るい春の季節の喜びを感じさせてくれます。(藤田洋子)

★水を生み雲を生みたる春の山/川名ますみ
花や芽の、そして空気のしっとりとした春の風景を水と雲で表現されたこと、新鮮です。(小西 宏)

★次々と筏に加わる花吹雪/上島祥子
水辺の桜が散り、花片が水面に重なって、大きな花筏になろうとする。その花吹雪の動きが、御句から鮮やかに浮かびます。桜は咲くまでも、また散る様子も、たくさんの高鳴る景色を見せてくれますね。(川名ますみ)

★航跡の波もゆるりと春の海/高橋秀之
「波もゆるりと」がかっての瀬戸内航路の楽しい船旅を思い出させてくれました。(河野啓一)

★大枝を交差し桜天に満つ/小川和子
大木の桜を見上げれば枝が交差し、そこに桜の花がびっしりと咲き満ちている。まるで夢をみているような美しい光景だったと思います。(井上治代)

★花満開上に聳える筑波山/飯島治朗
満開の花の向こうの筑波山は普段と違う筑波山に見えたことでしょう。上に聳えるその違いを伝えてくれました。(高橋秀之)

★菜の花や路面電車の走る街/成川寿美代
暖かくなってあちらこちらで黄色い菜の花を見かけます。そんな菜の花の咲いている下町の光景には、路面電車が良く似合います。(高橋秀之)

★父と子のシートノックや春夕焼け/桑本栄太郎
だいぶ日が長くなってきました。夕方まで野球の練習に励む父子の影に春の夕焼けの淡い色が優しく感じられます。 (小西 宏)

★花いかだ水面の雲の上流る/佃 康水
水面に映る雲に重なるように桜の花びらがゆったりと流れてくる。のどかな春の川の情景が絵画のように表現されています。 (小西 宏)

★蒲公英の絮吹きやれば落日へ/古田敬二
蒲公英の絮を吹きやるとその絮は、夕日の方へ飛んでいった。あたたかくて切ない春の想いである。(高橋正子)

●今日の秀句/高橋正子選

2010-04-02 09:22:55 | Weblog
■4月1日
★さくら咲き新しき月始まりぬ/河野啓一(正子添削)
桜が咲くと、4月が「新しき月」、フレッシュな月と印象付けられる。世の中では、新入社員や新入生が見られ、人生のスタートを切った人達も多い。桜の花の印象、花冷えの空の印象とともに新しき月が始まるのが日本である。(高橋正子)

■4月2日
★滑らかに水流るるや楓の芽/小西 宏
句意と句のリズムがよく合って滑らかである。楓の芽に水が滑らかに流れる景色は、若楓となったころも合わせて想像させて美しい景色である。さらりと表現したのがよい。(高橋正子)

■4月3日
★芽柳の風に広がる薄みどり/黒谷光子(正子添削)
枝垂れ柳は、少しの風にも揺れやすいが、一たび風が吹くと芽ぶいた柳は、薄みどり色をさあっと広げる。芽柳の色も動きも人を和ませる優しさがある。添削は、写生をよくして、「広げる」を「広がる」とした。(高橋正子)

★初燕一閃を引き街空に/藤田洋子(信之添削)
初燕を街の空に見かけた。「一閃を引き」は、燕の飛ぶスピード感と燕の眩しさを表現しているが、一瞬のこととして初燕を見た思いをも表現している。添削は、テーマを上五にもってき、印象を強くした。(高橋正子)

■4月4日
★絶え間なく雲ゆく桜咲く上を/多田有花(正子添削)
桜が咲く上を絶え間なくゆく雲がある。桜と雲の関わりに動きがあって、新しい叙情が生まれている。原句の「大桜」は詩語として、一考が必要なので添削。(高橋正子)

★カルストの山の上なる春の月/下地鉄(正子添削)
カルスト高原の上に円かな春の月が出ていて、俗世間を離れた明るい世界がある。添削は、擬人法の「見下ろす」を避け写生をして「上なる」とした。写生は「私意」を離れることでもある。(高橋正子)

■4月5日
★山よりの囀りもまだ雪の中/小西 宏
山にまだ雪があるのに、小鳥ははやも春を喜び、囀りをこぼしている。雪と囀りのある遅い春が深く明るく詠まれている。(高橋正子)

■4月6日
※該当作品なし

■4月7日
★磐梯の雪残したる大裾野/小西 宏
磐梯の山は春の息吹に緑を蘇らせつつあるが、ひろびろと広がる裾野に残る雪が印象的である。磐梯の大いなる春である。(高橋正子)

■4月8日
★音立てて甲斐全山の芽吹きけり/川名ますみ
芽吹きが音を立てるとは実際どのようなことか。聳え立つ甲斐の山々がいっせいに芽吹く勢いを感じ取ってのことであろうし、また風が芽吹く全山を渡ることでもあろう。甲斐の山々ならではのことである。(高橋正子)

■4月9日
※該当作品なし

■4月10日
初燕満水となる池の面を/古田敬二
満々と水を湛えた池面すれすれに、さっそうと飛ぶ燕。初燕だけに、その飛ぶ姿は目に眩しいほど。水が満々とあること、燕がやって来たこと、すべて明るい喜びである。(高橋正子)

■4月11日
★蔦若葉伸びよ茜に緑なせ/河野啓一
蔦若葉は、小さな紅い芽から、日差しを浴びて、急速に伸び、つやつやとした緑の若葉となり、美しいものである。それに夕日があたると、明日への希望を湧き立たせるような雰囲気となって明るい景色である。「伸びよ」「なせ」は、若葉への期待。(高橋正子)

★九段坂入学式の賑わいに/渋谷洋介
九段は都心の一等地にあり、都立高校、私立大学、専門学校など多くの教育機関が集まっている。ちょうど桜も見頃、入学式に臨む様々な学校の新入生たちに新鮮な賑わいを見る。(高橋正子)

■4月12日
 松山城
★街空に天守浮かべて山若葉/柳原美知子
「山若葉」が目に新鮮。松山は街のほぼ中心にこんもりと城山がある。若葉に浮かぶ天守は松山を象徴し、絵になる。(高橋正子)

■4月13日
★春潮と言えば馬関の狭い海/迫田和代
下関海峡は、本州と九州の間の狭い海峡だが、壇ノ浦の合戦、武蔵小次郎の巌流島、竜馬が艦隊を率いて活躍した四境戦争などの歴史がある。流れる潮の速さ、潮に逆らい行く外国商船などが見られ、動きも歴史もある海峡である。馬関(ばかん)は下関の別名。「馬関」の名が、「春潮」を効果的に浮き上がらせている。(高橋正子)

■4月14日
★蒲公英の絮吹きやれば落日へ/古田敬二

■4月15日
※該当作品なし

●今日の佳句/高橋正子選

2010-04-02 09:22:26 | Weblog
■4月1日
★電車より見る川沿いの花霞/小西 宏
★霧流れくる鶯の谷渡り/多田有花

■4月2日
★満開の桜に香るパン工房/古田敬二
一読して、桜の香と桜パンを連想しました。中七が素敵で、満開の桜とパン工房との取り合わせを効果的なものにしています。 (飯島治朗)

★紫雲英田に一つの空の蒼さかな/下地鉄
春の草花としてもっとも親しまれている紫雲英、かまっては緑肥として刈り取りの終わった稲田に植えられました。春の蒼空との対比が素敵ですね。特に一つの空が素晴らしいと思います。 (小口泰與)

★囀りの異国語めける朝かな/桑本栄太郎
どんな鳥なのだろうと考えました。4月か5月ころだと籠で飼われている目白のさえずりは早口の「異国語めける」感じです。暖かな日はさえずりもよく聞こえます。これからの楽しみです。(古田敬二)

★青麦の二三列あり観察の森/祝恵子
★多摩川の水面けぶらせ春疾風/川名ますみ

■4月3日
★あんず咲き田水あふるる棚田かな/小口泰與
あんずの開花の彩りも、あふれる田水もみずみずしい棚田の風景、明るい春の季節の喜びを感じさせてくれます。(藤田洋子)

★雨滴帯び一際大き欅の芽/川名ますみ

■4月4日
★大門の先へつながる花の雲/川名ますみ
大門からお城につながる桜が爛漫と咲きほこり、雲が棚引くように桜の花が見事に見えている景がとても素晴らしいですね。(小口泰與)

★みはるかす石和の郷の桃の花/小口泰與
一読してまさに一幅の絵。山梨県笛吹市石和町の桃畑。今、「桃の花まつり」が行われている桃源郷。甲斐の山々を背にして、桃の花の美しい時期。以前2度程訪れた石和温泉郷の旅と重ねて回顧させて頂きました。(飯島治朗)

★外出の季寄せ離さず花の昼/桑本栄太郎


■4月5日
★雨近し芽吹き始まる柿の枝/河野啓一
★甲州の神代桜どっしりと/小口泰與
★たんぽぽや今も変わらず御台場に/渋谷洋介
★初つばめ観音様への路すがら/祝恵子
★花冷えや劇の伊予弁ほのぼのと/柳原美知子

■4月6日
★水を生み雲を生みたる春の山/川名ますみ
花や芽の、そして空気のしっとりとした春の風景を水と雲で表現されたこと、新鮮です。(小西 宏)

★満開の桜や陸自駐屯地/飯島治朗
★うすみどり朝日に透けて柿芽吹く/河野啓一
★坂の上花の間に蒼い海/迫田和代
★雪形を描きし山や耕せり/小口泰與

■4月7日
★いざ帰らん桜斜めに降る中を/古田敬二
「いざ帰らん」「斜めに降る中を」に、花散しの風雨の中、楽しんで帰られる作者を思いました。 (渋谷洋介)

★山上の池は桜の影映し/多田有花
★花うぐい朱の一線のあざやかに/黒谷光子
★鉢に水蒔けば土の香清明節/桑本栄太郎

■4月8日
★満ち潮に流れ変えゆく花筏/小西 宏
水面に散りしいて流れる桜の花びらが筏のように流れ、満ち潮によって筏が流れを変えて行く趣が素晴らしいですね。(小口泰與)

■4月9日
★真新し制服の子は花の下/多田有花
★父と子のシートノックや春夕焼け/桑本栄太郎
★背は薮と水の流れや著莪の花/小西 宏

■4月10日
★紫雲英田の柵に忘れし子供服/祝恵子
最近では少なくなったげんげ田ですが、子供の頃は山羊を連れて行き、げんげを食べさせながら鬼ごっこをしたり、寝転んで青空をながめたりして遊びました。懐かしい光景がよみがえり好きな句です。 (桑本栄太郎)

■4月11日
★落花より蝶の生(あ)れきて陽の中へ/小西 宏
★連なりて角の向こうも黄水仙/川名ますみ
★祈りいる窓に花散る教会堂/桑本栄太郎
★麗かに舞台に虚子の現れぬ/藤田洋子
★木の影の濃くなり初めし四月の森/多田有花

■4月12日
★しばらくは歩み合わせて花筏/黒谷光子
★たつぷりと土盛る畦に花菜雨/川名ますみ

■4月13日
★花びらを気づけば篭に乗せ帰る/祝恵子
★春時雨千古の刻を千曲川/渋谷洋介
★エプロンを外しただけの花筵/黒谷光子

■4月13日
★花びらを気づけば篭に乗せ帰る/祝恵子
★春時雨千古の刻を千曲川/渋谷洋介
★エプロンを外しただけの花筵/黒谷光子

■4月14日
★花満開上に聳える筑波山/飯島 治朗
★次々と筏に加わる花吹雪/上島祥子
★旅立ちの子にほのぼのと花明/井上治代
★観劇終え青麦の風に吹かれおり/藤田裕子
★タンポポの飛び飛びに野の明るさよ/小西 宏

●4月伝言板

2010-04-01 11:10:35 | Weblog
■□立夏ネット句会/5月5日(水)
投句受付は、5月5日(水)の午前0時から午後9時までです。
http://blog.goo.ne.jp/kakan15

■□高橋正子の俳句日記(ブログ)
下記の方々の句とコメントが載りました。お訪ねください。
古田敬二(5/1)・安藤智久(4/27)・成川寿代(4/24)・小口泰與(4/9)・飯島治朗(4/8)・川名ますみ(3/29,4/4)・高橋秀之(4/3)・渋谷洋介(3/27)・下地鉄(3/20)

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