花冠ブログ句会

主宰・選者/高橋正子 世話人/藤田洋子

●2月投句選句箱①

2010-01-31 11:02:27 | Weblog
※①2月1(月)~15日(月)の投句は、こちらの<コメント欄>にお書きください。
※②投句は、1日3句以内です。好きな句(コメント付きの選句)は、1日1句です。投句された方は、必ず<好きな句>を選んでください。
※③今回の入賞発表は、2月15日(月)となります。
※④15日(月)の午後6時から午後12時までの間は、入賞発表の作業中ですので、投句を禁止いたします。
※⑤花冠同人以外の方のご投稿は、ご遠慮ください。

※花冠ブログ句会には賞品はありませんが、月間賞には、ご準備いたしていますので、お楽しみください。

●2月伝言板

2010-01-31 08:36:38 | Weblog
■□インターネット俳句センター NEW!
新しくしましたので、ご覧ください。
■□花冠グループ紹介 NEW!
マスメディアに紹介されていますので、その歴史をご覧ください。
■□俳誌花冠ウェブサイト NEW!
新しくしましたので、ご確認ください。

■雛祭ネット句会/3月3日(水)!
投句受付は、2月28日(日)からです。
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/
■ご案内:俳句フェスティバル2010in松山/4月7日~8日
http://blog.goo.ne.jp/haiku_festival

■月刊俳句界3月号掲載
▲池田加代子さんの写真付きの吟行句
▲花冠結社広告/掲載俳句7句
http://blog.goo.ne.jp/kakan19/

花冠4月号校正
2月吟行記/池田加代子
高橋正子の俳句日記

▼送金先が変更されましたので、ご注意ください(平成22年2月25日)
○ゆうちょ銀行
[店名]〇二八(読み ゼロニハチ)
[店番]028
[預金種目]普通預金
[口座番号]6257389
[名義]花冠発行所(カカンハッコウショ)


▼伝言などがありましたら、下記の<コメント>にお書き込みください。
花冠発行所電話:050-3641-8827(横浜)

●入賞発表/1月16日(土)~1月31日(日)

2010-01-30 13:06:47 | Weblog
■1月16日(土)~1月31日(日)
□高橋正子選

【最優秀/2句】
★枯野にもほのかに朱かきもののあり/小口泰與
枯野となっても、枯一色ではなく、薄にしろ、ほかの草にしろ、ほのかに朱をもっている。「もののあり」と、多くを述べないので、却って句に膨らみと深みがでている。(高橋正子)

★雪解けんまずは水仙咲くあたり/上島祥子
句意は、水仙が咲いているあたりから、まずは雪が解けるだろう。水仙の咲く根元あたりにじわっと土が見えはじめて、雪は、そのように解け始まる。日本画を見るような句。(高橋正子)

【特選8句】
★さわさわと光と影を水仙花/河野啓一
水仙に日の光りが当たると、花にも葉にも影ができる。日のあたるところはより輝いて、当たらないところは静かに深く影ができる。その光と影が「さわさわ」とした印象なのは、水仙の姿から受け取られるものであろう。(高橋正子)

★照り返す雪の光りの厨窓/黒谷光子
厨に立つと窓が明るい。積もった雪の照り返す光りには、雪のもつ独特の抒情ゆたかな明るさがある。(高橋正子)

★寒晴れや今日くっきりと播磨の野/多田有花
いつも見る播磨の野であるけれど、寒晴れの今日は、ことさらに「くっきりと」くまなく野が見えて、素晴らしい眺めとなった。寒晴れの今日が大事に思われる。(高橋正子)

★薪となる大木ごろり霜の庭/古田敬二
薪にされる大木が、庭にごろり置かれ、霜を真っ白く被っている。ストーブにでも焚かれる薪か、そういった生活の断片が窺える。(高橋正子)

★遊具みな子らと光りて春近し/藤田洋子
少しずつ春の兆しが見えてくる自然の中で、遊具で無心に遊ぶ子らの幸せな光景を思い浮かべることができました。(井上治代)

★静謐な午後のひととき毛糸編む/井上治代
上五・中七にかけての文脈が素敵です。そして、下五の季語。午後の二文字の濁音が効果的です。一読して、景も句意もはっきりと読み手に伝わってきます。(飯島治朗)

★幼き子寝ている蒲団こんもりと/高橋秀之
幼子の小さな身体に寄り添う蒲団、その可愛らしい膨らみ具合にも愛おしさが込み上げます。幼子の傍で寝顔に見入り、寝息に聴き耳をたてている作者の姿が眼に浮かぶ、心温まる情景です。 (柳原美知子)

★包み紙少し濡れいて蕗の薹/佃 康水
蕗の薹を包んでいる紙がうっすらと濡れている。朝早く採られた蕗の薹だろうか。蕗の薹の息吹であろうか。しっとりとした命の、春みずみずしさがある。(高橋正子)

【入選20句】
★春近き日差し隅々玻璃戸拭く/藤田洋子
よいお天気に硝子戸をきれいに磨くと、あたたかい日差しが隅々に至るまで差している。春近いことを肌身に感じるときである。(高橋正子)

★麦の芽が青む土壌の豊かさに/小川和子
麦の芽を際立たせるために、「麦の芽の」を「麦の芽が」と添削した。麦の芽が青んでくるこの季節、この自然に、詩情がある。(高橋正子)

★一嶺をかすかに見せて吹雪きたり/小口泰與
一嶺がかすかに見えるほかは吹雪である。モノトーンの吹雪の景色が深みをもって詠まれた。(高橋正子)

★寒椿白きを飾る震災忌/河野啓一
1995年1月17日、阪神淡路大震災が起こった。地震の起きた朝のニューズ報道で、死者が数十人、それから数百人、そして数千人にその数が膨らんでいった記憶もまだ新しい。あれから15年が経ち、静かな朝を迎えて飾られた白い寒椿が、鎮魂の花として悲しみを新たにする。(高橋正子)

★竹林の大きうねりや日脚伸ぶ/篠木 睦
「日脚伸ぶ」の季語が指ししめすこの時期、春一番を思わせる大きな風が吹いたりする。竹林もそういった風に春近い日差しを載せてうねる。「日脚し伸ぶ」をよい自然観照で捉えた。(高橋正子)

★和えており菜の花の黄を上にして/祝恵子
採りたての菜の花なのでしょう。黄色を上にしてという表現から新鮮さが伝わってきます。(高橋秀之)

★落葉埋む雑木林の古戦場/渋谷洋介
古戦場跡の雑木林は、落葉に深々と埋まり、往時を彷彿とさせるようです。「落葉埋む」に今はひっそりとした景が味わい深く伝わります。(小川和子)

★雪原に畝の形がうっすらと/高橋秀之
雪に覆われた田畑の畝の形のゆるやかな凹凸、列車からの雪景色がうつくしく詠まれています。(黒谷光子)

★雪遊びしてより列組む登校児/黒谷光子
登校児全体が鳥の群れのような意志を持った存在のような詠み方が新鮮です。子どもたちの様子や声まできこえてくるようです。(多田有花)

★北風が走る浜辺の波の音/迫田和代
走るように吹き抜ける北風。浜辺であれば、その潮を波立たす音も、強く響くことでしょう。風の冷たさ、海の匂い、波の音など五官に感じながら、大きな自然を思う、好きな句です。(川名ますみ)

★海の香に牡蠣のグラタン焼き上がる/川名ますみ
牡蠣は今が旬です。レンジから良い臭いがしてくるようです。海の香に・・・ぴったりとして、豊かな、キッチンを、想像致します。(成川寿美代)

★長縄を飛び跳ねる子ら息白し/飯島治朗
寒い冬の校庭の躍動感がよく伝わってきます。子どもたちのこういう情景を想像するとこちらも元気を貰う感じがしてきます。(古田敬二)

★ゆるやかに鳶舞う春を待ちながら/小西 宏
寒晴れの空にゆったりと舞う鳶を眺めているとのどかな気持ちになり、春の足音を感じます。心地よいリズムの優しい句ですね。(柳原美知子)

★鮮やかな切り口赤カブ朝市に/古田敬二
朝市の新鮮な赤カブがすぐに思い浮かびました。とても勢いの感じられる句と思います。(高橋秀之)

★一条の川だけとなる雪野かな/越前唯人
荒涼とした冬の景が雪に覆われて真っ白になった野に一筋の川のみが流れている。冬の寂しい光景を見事に詠っていますね。 (小口泰與)

★冬耕の菜畑の農婦白手拭/桑本栄太郎
冬であっても農作業で体を動かすと汗を拭くための手ぬぐいが必要なのでしょう。その白手拭に眩しさを感じます。 (高橋秀之)

★注連縄の飾り落として火の中へ/上島祥子
どんどで注連縄を燃やす前に飾りを落としているといよいよ正月気分が終わりと思えてきます。そして、火の中へ注連縄を投ずるころには気持ちの上で正月が終わるのでしょう。 (高橋秀之)

★冬凪や丸太の乾く製材所/柳原美知子
貯木場に浮かべてあった丸太の原木も製材のために陸揚げされたのでしょう。冬凪で波もかぶることなく、乾いていく様子に、穏やかな港の一こまが感じられます。 (高橋秀之)

★山すその土ふくふくと蕗の董/成川寿美代
蕗の董を育む「ふくふくと」した山すその豊かな土壌に、蕗の董を見つけた嬉しさ、明るい春到来の喜びが伝わります。 (藤田洋子)

★冬バラのいつしか小さく咲ききれり/藤田裕子
冬の深まりとともにいつしか咲いた可憐な冬バラ。小さいながらもけなげなバラへ寄せる、いとおしむような優しさを感じます。 (藤田洋子)

●今日の秀句/高橋正子選

2010-01-18 07:59:05 | Weblog

■1月16日
※該当作品なし

■1月17日
★寒椿白きを飾る震災忌/河野啓一
1995年1月17日、阪神淡路大震災が起こった。地震の起きた朝のニューズ報道で、死者が数十人、それから数百人、そして数千人にその数が膨らんでいった記憶もまだ新しい。あれから15年が経ち、静かな朝を迎えて飾られた白い寒椿が、鎮魂の花として悲しみを新たにする。(高橋正子)

■1月18日
★雪解けんまずは水仙咲くあたり/上島祥子
句意は、水仙が咲いているあたりから、まずは雪が解けるだろう。水仙の咲く根元あたりにじわっと土が見えはじめて、雪は、そのように解け始まる。日本画を見るような句。(高橋正子)

★照り返す雪の光りの厨窓/黒谷光子
厨に立つと窓が明るい。積もった雪の照り返す光りには、雪のもつ独特の抒情ゆたかな明るさがある。(高橋正子)

■1月19日
※該当作品なし

■1月20日
★麦の芽が青む土壌の豊かさに/小川和子(正子添削)
麦の芽を際立たせるために、「麦の芽の」を「麦の芽が」と添削した。麦の芽が青んでくるこの季節、この自然に、詩情がある。(高橋正子)

■1月21日
★さわさわと光と影を水仙花/河野啓一(正子添削)
水仙に日の光りが当たると、花にも葉にも影ができる。日のあたるところはより輝いて、当たらないところは静かに深く影ができる。その光と影が「さわさわ」とした印象なのは、水仙の姿から受け取られるものであろう。(高橋正子)

■1月22日
※該当作品なし

■1月23日
※該当作品なし

■1月24日
★青竹を組み蝋梅の支えらる/黒谷光子
よい香りの蝋梅の花だが、青竹が支柱として組まれ、青竹の色が添えられ、また、すがすがしく生き返ったように香っている。(高橋正子)

★寒晴れや今日くっきりと播磨の野/多田有花
いつも見る播磨の野であるけれど、寒晴れの今日は、ことさらに「くっきりと」くまなく野が見えて、素晴らしい眺めとなった。寒晴れの今日が大事に思われる。(高橋正子)

■1月25日
★風立ちて一際麦の芽のみどり/小口泰與(正子添削)
「一際」の修飾するものをはっきりさせて、添削した。俳句はイメージが大切。野に出ると風が吹いて、あたりは塵もなく澄んで、麦の芽が鮮やかだ。麦の芽のみどりが印象付けられる。(高橋正子)

★竹林の大きうねりや日脚伸ぶ/篠木 睦(正子添削)
「日脚伸ぶ」の季語が指ししめすこの時期、春一番を思わせる大きな風が吹いたりする。竹林もそういった風に春近い日差しを載せてうねる。「日脚し伸ぶ」をよい自然観照で捉えた。(高橋正子)

■1月26日
※該当作品なし

■1月27日
★枯野にもほのかに朱かきもののあり/小口泰與
枯野となっても、枯一色ではなく、薄にしろ、ほかの草にしろ、ほのかに朱をもっている。「もののあり」と、多くを述べないので、却って句に膨らみと深みがでている。(高橋正子)

★薪となる大木ごろり霜の庭/古田敬二
薪にされる大木が、庭にごろり置かれ、霜を真っ白く被っている。ストーブにでも焚かれる薪か、そういった生活の断片が窺える。(高橋正子)

■1月28日
★一嶺をかすかに見せて吹雪きたり/小口泰與(信之添削)
一嶺がかすかに見えるほかは吹雪である。モノトーンの吹雪の景色が深みをもって詠まれた。(高橋正子)

■1月29日
★包み紙少し濡れいて蕗の薹/佃 康水
蕗の薹を包んでいる紙がうっすらと濡れている。朝早く採られた蕗の薹だろうか。蕗の薹の息吹であろうか。しっとりとした命の、春みずみずしさがある。(高橋正子)

■1月30日
★春近き日差し隅々玻璃戸拭く/藤田洋子
よいお天気に硝子戸をきれいに磨くと、あたたかい日差しが隅々に至るまで差している。春近いことを肌身に感じるときである。(高橋正子)

■1月31日
※該当作品なし

●今日の佳句/高橋正子選

2010-01-18 07:57:24 | Weblog
■1月16日
★校庭の青空高く子らの凧/飯島治朗
真青に晴れ上がった空に高く舞う凧、子供達の歓声が聞こえてきます。都会の校庭で凧揚げが出来るとは夢のようです。(渋谷洋介)

★落葉埋む雑木林の古戦場/渋谷洋介
古戦場跡の雑木林は、落葉に深々と埋まり、往時を彷彿とさせるようです。「落葉埋む」に今はひっそりとした景が味わい深く伝わります。(小川和子)

★冬耕の菜畑の農婦白手拭/桑本栄太郎

■1月17日
★焼牡蠣の海の香りと白ワイン/藤田洋子
肉には赤ワイン、海の幸には白ワイン、と云われますが、御句には南仏ニース辺りの風情を思わせる洒落た香りがすると思います。 (河野啓一)

★震災忌空晴れ渡り澄み渡り/多田有花
今日の青い空を眺めていますと、15年前の惨事が嘘のように思え、澄み渡った空につくづく人の世の弱さ、はかなさを感じさせられますね。 (河野啓一)

★雪原に畝の形がうっすらと/高橋秀之
雪に覆われた田畑の畝の形のゆるやかな凹凸、列車からの雪景色がうつくしく詠まれています。(黒谷光子)

■1月18日
★陽に一輪寒の紅梅咲き初めし/多田有花
紅梅の初めの一輪がひらくのを、明るい陽の中に見つけられた歓びが、まっすぐ届きます。小さくも貴重な景を、御句に観ることができ、幸せです。(川名ますみ)

★民宿の雪夜静かに波の音/高橋秀之
音もなく降る雪の夜の静寂さ、寄せる波の音、旅先であればなおのこと、豊かな深い詩情を感じます。(藤田洋子)

★寒晴れに貨車連結の音高し/藤田洋子(正子添削)
よく晴れた寒中であればもう日差しには春の気配が漂っています。冷たく乾いた空気の中に貨車をつなぐ音が響きます。その瞬間の動き、音が伝わってくるような句です。(多田有花)

■1月19日
★北風が走る浜辺の波の音/迫田和代
走るように吹き抜ける北風。浜辺であれば、その潮を波立たす音も、強く響くことでしょう。風の冷たさ、海の匂い、波の音など五官に感じながら、大きな自然を思う、好きな句です。(川名ますみ)

★川縁の寒梅白く空淡く/川名ますみ
寒梅の清楚な白が、川の流れ、空の色彩と呼応して際立ちます。寒中に咲くけなげな美しさに励まされるようです。(藤田洋子)

■1月20日
★いち早く浅間は目覚め春近し/小口泰與
浅間山の頂に朝日が当たったさまを詠んでいらっしゃるのでしょうか。寒の晴れた朝ですから、冷え込んでいるはずです。しかし、朝日の色にはすでに春の兆し感じられます。浅間山という雄大な自然からうかがえる繊細な季節感です。(多田有花)

★切干しの陽の匂いある夕餉かな/篠木 睦
寒風の乾いた風と陽で干した切干大根は、干せば干すほど独特の鄙びた匂いがして来ます。あれはまさしく陽の匂いですね!。とても共感します、好きな句です。(桑本栄太郎)

★葉のかげを明るく灯す青木の実/井上治代
光沢のある葉のかげに、赤く光る実のあざやかな対比が美しいです。(黒谷光子)

★村の屋根見下ろす土手の寒ぬくし/黒谷光子
この数日は寒の日といえど、温かい日でした。土手の風もなく、見下ろす家々も日が当たっていたのかも知れません。(祝恵子)

■1月21日
★和えており菜の花の黄を上にして/祝恵子
採りたての菜の花なのでしょう。黄色を上にしてという表現から新鮮さが伝わってきます。(高橋秀之)

★水音に近く咲きたり水仙花/多田有花
厳しい寒さの中に咲く水仙は気品があり香気が漂いますね。特に水辺に咲く水仙は趣がありますね。(小口泰與)

★冬の雨上がり夜空の雲白き/高橋秀之

■1月22日
★霜の朝畑ふつくら盛り上がる/飯島治朗
寒さ厳しい朝の霜も「ふっくら盛り上がる」に美しくゆたかな感じがいたしました。(黒谷光子)

★雪遊びしてより列組む登校児/黒谷光子
登校児全体が鳥の群れのような意志を持った存在のような詠み方が新鮮です。子どもたちの様子や声まできこえてくるようです。(多田有花)

★海の香に牡蠣のグラタン焼き上がる/川名ますみ
牡蠣は今が旬です。レンジから良い臭いがしてくるようです。海の香に・・・ぴったりとして、豊かな、キッチンを、想像致します。(成川寿美代)

★麦の芽や榛名の嶺々の風秀づ/小口泰與

■1月23日
★長縄を飛び跳ねる子ら息白し/飯島治朗
寒い冬の校庭の躍動感がよく伝わってきます。子どもたちのこういう情景を想像するとこちらも元気を貰う感じがしてきます。(古田敬二)

★鮮やかな切り口赤カブ朝市に/古田敬二
朝市の新鮮な赤カブがすぐに思い浮かびました。とても勢いの感じられる句と思います。(高橋秀之)

★子と並びオリオン探す帰り道/高橋秀之
星の奇麗な夜 お子さんと手をつないで空のオリオンを探してるという温かい句です。素敵な帰り道ですね。 (迫田 和代)

★白鳥に混じる黒鳥つややかに/黒谷光子

■1月24日
★ゆるやかに鳶舞う春を待ちながら/小西 宏
寒晴れの空にゆったりと舞う鳶を眺めているとのどかな気持ちになり、春の足音を感じます。心地よいリズムの優しい句ですね。(柳原美知子)

■1月25日
★境内に落葉焚く香の満ちており/多田有花
境内の落ち葉を掃き集めて焚き火をされているのでしょう。最近は、ほとんど見なくなった光景ですが、冬の情緒の感じさせてくれる光景です。(高橋秀之)

★石臼へ音立て山から寒の水/古田敬二
石臼へ勢いよく入ってくる寒中の冷たい水、いっそう冷たさ、厳しさが増しているようで、いっそさっぱりと心地よい思いがします。(多田有花)

■1月26日
★きらきらと流れ中州は枯すすき/黒谷光子
冬のやわらかな陽が水量の少ない川の流れをきらきらと輝かせ、中州には葉も穂も枯れて立ちつくしている芒が風に吹かれている様子も趣がありますね。(小口泰與)

★冬の空蒼蒼晴れて云うことなし/迫田和代
冬晴れの蒼空のある幸せは何ものにも勝りますね。率直で、会話しているような楽しい雰囲気を醸しています。(柳原美知子)

★北窓に日差を見るや春近し/河野啓一

■1月27日
★遊具みな子らと光りて春近し/藤田洋子
少しずつ春の兆しが見えてくる自然の中で、遊具で無心に遊ぶ子らの幸せな光景を思い浮かべることができました。(井上治代)

★幼き子寝ている蒲団こんもりと/高橋秀之
★冬凪や丸太の乾く製材所/柳原美知子

■1月28日
★静謐な午後のひととき毛糸編む/井上治代
上五・中七にかけての文脈が素敵です。そして、下五の季語。午後の二文字の濁音が効果的です。一読して、景も句意もはっきりと読み手に伝わってきます。(飯島治朗)

★稜線に空を透かせる枯木山/川名ますみ
山の稜線に葉を落としつくした裸木から冬の乾いた青空が広がって見えている。冬だからこその光景ですね。(小口泰與)

■1月29日
★干し芋の日向臭きや春近し/小口泰與
★蕗の薹三つの香りを厨辺に/黒谷光子
★円空の鉈痕鋭し冬陽射す/古田敬二

■1月30日
★風わたる芽麦畑に白き月/柳原美知子
★髪切って風の中へと春隣/多田有花

■1月31日
★冬日影連れて玉砂利踏みゆけり/飯島治朗
★寒鯉を濡れ新聞に包みけり/小口泰與
★艶やかな紅の解けて山茶花は/上島祥子

▼コメントの無い句には、花冠同人会員であれば、どなたでもコメントを書くことができますので、下の<コメント>にお書きください。よろしくお願いします。

●1月投句選句箱②

2010-01-15 20:02:31 | Weblog
※①1月16日(土)~31日(日)の投句は、こちらの<コメント欄>にお書きください。
※②投句は、1日3句以内です。好きな句(コメント付きの選句)は、1日1句です。投句された方は、必ず<好きな句>を選んでください。
※③今回の入賞発表は、1月31日(日)となります。
※④31日(日)の午後6時から午後12時までの間は、入賞発表の作業中ですので、投句を禁止いたします。
※⑤花冠同人以外の方のご投稿は、ご遠慮ください。

※花冠ブログ句会には賞品はありませんが、月間賞には、ご準備いたしていますので、お楽しみください。

●入賞発表/1月1(金)~15日(金)

2010-01-15 20:00:54 | Weblog
■1月1日(金)~1月15日(金)
□高橋正子選

【最優秀/2句】
★四日はや高々と干す濯ぎもの/藤田洋子
主婦の若々しい生活俳句。四日になると、正月にたまったものの洗濯に精を出し、日に風に高々と掲げて干す。若々しさと清潔感に好感がもてる。(高橋正子)

★寒林へいま存分に陽のあたる/多田有花
寒さは厳しくなるが、冬至を過ぎた太陽は徐々に日脚しを伸ばしてくる。寒林に存分に陽のあたる光景は、厳しくもあるが、あたたかいものである。(高橋正子)

【特選/8句】
★オーバーを脱ぎ捨て走る皆走る/祝恵子
原句は「オーバーは」の「は」は「を」とすべきところなので添削。下五の「皆走る」が効いた。これで、子どもたちが、元気いっぱいに群れて遊んでいる様子がわかる。河川敷などで見かける光景だろう。口語俳句のよい例。(高橋正子)

★元旦の窓に自在な雲と鳥/川名ますみ
人の世は、今元旦ののどけさにあって、雲も鳥も自在に遊ぶ。作者の心も雲や鳥のように空に遊ぶ。(高橋正子)

★雪踏みて青空に干す濯ぎもの/黒谷光子
雪晴れの青空に干す洗濯が、まぶしいほど輝いている。凍るような日の洗濯も、雪晴れの青空に干せば、すっきりと、ささやかながら充足感を得る。(高橋正子)

★水音を近く三椏芽は銀に/小川和子
原句は「水音を近くに」であったが、中七の八音を七音に整え、切れを入れた。それにより、作者の立場と情景がはっきりする。水音が近く聞こえ、三椏の芽が銀色に輝きながら、早春に咲くのを待っている。(高橋正子)

★庭草のはこべを選りて粥を炊く/柳原美知子
原句は、「庭草より」であり、それに意味(多くある庭草から)をもたせているが、「庭草のはこべを選り」で十分である。はこべは庭にでればすぐ採れる。身近に萌える草を採り、七草粥に炊くのが身上だろう。優しい句である。(高橋正子)

★雪雲は襟裳岬を離れけり/越前唯人
「襟裳岬」がよく効いている写生句。襟裳岬にかかっていた雪雲が、そこを離れて岬を明らかにした。北海道の景色がよく見え、「雪雲」にも生活実感がある。(高橋正子)

★青々と葱のあふるるバスケット/上島祥子
青々とよく育った葱がバスケットにあふれ匂う買い物帰りの冬の道、主婦の生活が生き生きと描かれ、夕餉の鍋を囲む団欒の様子まで眼に浮かんでくるようです。 (柳原美知子)

★風花は見え隠れしてふと消える/高橋秀之
晴れていながらひらひらと舞いおりる風花の淡さ、はかななさ、時間の経過とともに、風花の感じがよくとらえられていると思います。 (藤田洋子)

【入選19句】
★刻ゆるやかに七草粥の煮ゆるなり/藤田洋子(正子添削)
主婦にとって、正月はなにかと落ち着かなく過ぎるが、七草のころになると一段落する。ふつふつと煮える七草粥に、「刻ゆるやかに」の感が強まる。(高橋正子)

★よく晴れて風の激しき寒の入り/多田有花
いい嘱目吟である。今年の寒の入りは、よく晴れて風が激しく吹いた、ということだが、自然は、刻々、折々に、さまざまの変化を見せてくれる。それに触れての嘱目は、自然への素直な観照として尊ぶべき。(高橋正子)

★どんどの火神馬の上を登りゆく/成川寿美代
神苑で焚かれるどんどの火と神馬の姿に新年らしい勢いと浄らかさがある、希望のある風景である。(高橋正子)

★あちこちが皆透き通る寒の入り/迫田和代
あちこちという表現が好きです。冬の透き通った空気がとても清々しく感じられます。(高橋秀之)

★枯れ芝の向こうに広がる海青し/高橋秀之
枯れた芝の向こうに広がる海、芝が枯れ色であればその青さがいっそうめに鮮やかです。一月の厳寒と明るさをあわせもった海の色が浮かびます。 (多田有花)

★一片の雲なき空や成人の日/下地鉄
いろいろあるだろうけど、がんばっていけよ、という新成人への激励の気持ちが「一片の雲なき空」ににじんでいるようです。あたたかかな句ですね。 (多田有花)

★きょう雲は東より来て福寿草/小西 宏
ほんのりと初日に染められた雲が流れ来て、福寿草も黄金色の可愛らしい花を咲かせている。良い年となる予感に満ちた新年です。 (柳原美知子)

★読初に聖書の詩篇ひもときぬ/井上治代
新年を迎え、厳粛な気持ちで読初に選んだ聖書の詩篇。初心を思いつつ現在の自身と対峙される作者の真摯な姿が想像されます。 (柳原美知子)

★風花の紺の夜空の家路かな/桑本栄太郎
よく晴れた夜空、その澄んだ紺色に一際美しい風花の雪片。家路へと向う中、寒いながらもどこかあたたかさを感じる風花の情景です。 (藤田洋子)

★一月の夜空大きく星満てり/藤田裕子
一月に見る煌々と冴え渡る星空の明るさが、清々しいかぎりです。美しい星空を見上げる作者の充足感も伝わるようです。 (藤田洋子)

★冠雪の比良を仰ぎて湖青し/河野啓一
琵琶湖畔にそびえる比良山頂には白い冠雪がある一方で、冬の琵琶湖は青く見える。そのコントラストをうまく捉えられたと思います。 (高橋秀之)

★噴煙に朝日差し来て初浅間/小口泰與
新年初日の浅間山。普段と同じ浅間山の噴煙も初日が差すとまた違って見え、新年の清々しさが感じられます。 (高橋秀之)

★散れば咲く熱き色して寒椿/篠木 睦
冬空にりんと咲く寒椿。散りぎわも潔くきれいですね。中七の「熱き色して」がよく効いて印象的です。(小川和子)
寒風の中鮮やかな花を咲かせてくれる椿、花期が長いさま、その色合をうまくとらえて句にされています。「熱き色」がぴったりです。 (多田有花)

★見はるかす沖の房総冬霞/飯島治朗
なつかしい、景色を思い出しました。幕張、稲毛から見る、房総の鋸山は、冬になると、ぼーと、霞んでいました。俳句っていいですね。いろいろなことを、思い出し、豊かになります。(成川寿美代)
今日は風がなく、沖には霞がかかっています。その霞の向こうに見える房総半島。冬の穏かな日のひとときを広々ととらえられています。 (多田有花)

★初日の出島の向こうの波の上/迫田和代
最近日の出を見に行く機会が多くなりましたが、真っ赤な大きな太陽が昇る時、山から次第に海の波が黄金に煌く情景は何時見ても感動します。初日の出で有れば尚更で勇気と希望を感じます。(佃 康水)
海から上がる初日を拝まれるなんて素晴らしいですね。元日のよく晴れた美しい朝が目に浮かびます。島と波と初日、それでもう一幅の絵です。 (多田有花)

★真新し寒干し大根の匂いくる/佃 康水
切干しにされた採れたての大根が真白く広がり寒の日が差し、甘い匂いが風に乗りくる穏やかな農村の光景が眼に浮かび、心癒されます。(柳原美知子)

★水仙の傾ぎて土手に群れて咲く/祝恵子
冬の風雨や雪にさらされ傾いても、土手の水仙はお互いに支え合って咲いているようです。そのような様子を見ていると、私達も力付けられるようです。 (井上治代)

★紅梅の一輪の香や磴上る/渋谷洋介
★この角を曲がれば拡がる落葉原/古田敬二

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●今日の秀句/高橋正子選

2010-01-02 11:15:26 | Weblog
■1月1日
★噴煙に朝日差し来て初浅間/小口泰與(正子添削)
たなびく噴煙に朝日が差して、初浅間の雄々しい姿が希望をもって詠まれた。(高橋正子)

■1月2日
★暁け時の風を呼びたる薄氷/小口泰與(正子添削)
暁け時のしらしらした寒さに張る薄氷。薄氷に集まり吹き去る風。捉え難い処を言い得ている。(高橋正子)

■1月3日
★元旦の窓に自在な雲と鳥/川名ますみ
人の世は、今元旦ののどけさにあって、雲も鳥も自在に遊ぶ。作者の心も雲や鳥のように空に遊ぶ。(高橋正子)

■1月4日
★四日はや高々と干す濯ぎもの/藤田洋子
主婦の若々しい生活俳句。四日になると、正月にたまったものの洗濯に精を出し、日に風に高々と掲げて干す。若々しさと清潔感に好感がもてる。(高橋正子)

★雪踏みて蝋梅の香に近く佇つ/黒谷光子
蝋梅の香りが雪の上に漂う。雪のすがすがしさが、蝋梅の香りをより引き立たせ、出会いの妙がある。(高橋正子)

■1月5日
★オーバーを脱ぎ捨て走る皆走る/祝恵子(正子添削)
原句は「オーバーは」の「は」は「を」とすべきところなので添削。下五の「皆走る」が効いた。これで、子どもたちが、元気いっぱいに群れて遊んでいる様子がわかる。河川敷などで見かける光景だろう。口語俳句のよい例。(高橋正子)

★雪踏みて青空に干す濯ぎもの/黒谷光子
雪晴れの青空に干す洗濯が、まぶしいほど輝いている。凍るような日の洗濯も、雪晴れの青空に干せば、すっきりと、ささやかながら充足感を得る。(高橋正子)

■1月6日
★よく晴れて風の激しき寒の入り/多田有花
いい嘱目吟である。今年の寒の入りは、よく晴れて風が激しく吹いた、ということだが、自然は、刻々、折々に、さまざまの変化を見せてくれる。それに触れての嘱目は、自然への素直な観照として尊ぶべき。(高橋正子)

■1月7日
★雪雲は襟裳岬を離れけり/越前唯人
「襟裳岬」がよく効いている写生句。襟裳岬にかかっていた雪雲が、そこを離れて岬を明らかにした。北海道の景色がよく見え、「雪雲」にも生活実感がある。(高橋正子)

★刻ゆるやかに七草粥の煮ゆるなり/藤田洋子(正子添削)
主婦にとって、正月はなにかと落ち着かなく過ぎるが、七草のころになると一段落する。ふつふつと煮える七草粥に、「刻ゆるやかに」の感が強まる。(高橋正子)

■1月8日
水音を近く三椏芽は銀に/小川和子(正子添削)
原句は「水音を近くに」であったが、中七の八音を七音に整え、切れを入れた。それにより、作者の立場と情景がはっきりする。水音が近く聞こえ、三椏の芽が銀色に輝きながら、早春に咲くのを待っている。(高橋正子)

■1月9日
★庭草のはこべを選りて粥を炊く/柳原美知子(正子添削)
原句は、「庭草より」であり、それに意味(多くある庭草から)をもたせているが、「庭草のはこべを選り」で十分である。はこべは庭にでればすぐ採れる。身近に萌える草を採り、七草粥に炊くのが身上だろう。優しい句である。(高橋正子)

■1月10日
★寒林へいま存分に陽のあたる/多田有花
寒さは厳しくなるが、冬至を過ぎた太陽は徐々に日脚しを伸ばしてくる。寒林に存分に陽のあたる光景は、厳しくもあるが、あたたかいものである。(高橋正子)

■1月11日
★どんどの火神馬の上を登りゆく/成川寿美代
神苑で焚かれるどんどの火と神馬の姿に新年らしい勢いと浄らかさがある、希望のある風景である。(高橋正子)

■1月12日
★野草みな春待つ気配山路ゆく/小川和子
山路をゆくと野の草はいきいきとして、どの草も春を待つ気配が感じられる。早くも春の気配のする山路の楽しさが伝わる。(高橋正子)

■1月13日
★青々と葱のあふるるバスケット/上島祥子
★風花は見え隠れしてふと消える/高橋秀之

■1月14日
※該当作品なし

■1月15日
※該当作品なし

●今日の佳句/高橋正子選

2010-01-02 11:13:43 | Weblog
■1月1日
★初空の果ては光りてしろじろと/川名ますみ
元旦の空。次第に開け行く空にはいかにも清新な気が満ちていますね。(小口泰與)

★年の夜の部屋にさしくる月明り/多田有花
年の夜というだけで月明かりも普段と違う風情を感じられるとともに、新しい年に向けた作者の思いが感じ取れました。(高橋秀之)

★初詣しっかり繋ぐ小さな手/高橋秀之
初詣の人出の中で子の小さな手がしっかりと親である自分の手を握っている。汗ばんだいたいけな手が愛しく、新年に親子の絆がますます深まります。ほほえましい光景ですね。(柳原美知子)

■1月2日
★注連飾り無くて知られる喪中かな/越前唯人
お正月の玄関先の注連飾りは新年をお祝いするものですが、喪中であるから出すことが出来ない。そんなところにも正月の風景のひとつが垣間見ることが出来ます。(高橋秀之)

★初湯より見晴らす瀬戸の夕景色/多田有花
初湯というだけで気持ちがいいもの。その初湯から見渡す瀬戸の夕景色は、とても大きな気持ちにさせてくれるものだったのでしょう。(高橋秀之)

■1月3日
★窓の外高く高くと凧ひとつ/高橋秀之
北風を受けて空高く上り行く凧。見ている間も空へ上り行く。寒さに負けない子どもたちの力を貰って。(古田敬二)

★初市や達磨商う声太き/小口泰與
縁起ものの達磨が所狭しと並べられ、威勢のよい掛け声とともに売られている初市の活気が伝わってきます。活気のある年であるようにとの人々の願いが感じられる市です。(柳原美知子)

★東京湾冬の朝日に輝けり/飯島治朗

■1月4日
★見はるかす沖の房総冬霞/飯島治朗
なつかしい、景色を思い出しました。幕張、稲毛から見る、房総の鋸山は、冬になると、ぼーと、霞んでいました。俳句っていいですね。いろいろなことを、思い出し、豊かになります。(成川寿美代)

★きょう雲は東より来て福寿草/小西 宏
瑞気漲る句。上五中七が抜群で、自分にはこんな句はとても詠めません。大変勉強になりました。 (河野啓一)

★散れば咲く熱き色して寒椿/篠木 睦
冬空にりんと咲く寒椿。散りぎわも潔くきれいですね。中七の「熱き色して」がよく効いて印象的です。(小川和子)

■1月5日
★からからと絵馬のふれあう初琴刀平羅/成川寿美代
多くの人々が今年の祈願や報謝のために奉納された絵馬がからからと音を立てている爽やかな初詣の情景が目に映ります。からから に臨場感を感じます。(佃 康水)

★初日の出島の向こうの波の上/迫田和代
最近日の出を見に行く機会が多くなりましたが、真っ赤な大きな太陽が昇る時、山から次第に海の波が黄金に煌く情景は何時見ても感動します。初日の出で有れば尚更で勇気と希望を感じます。(佃 康水)

★飄飄と句を遺し逝く新年に/柳原美知子
何か明るいユーモアとすらいえる雰囲気が漂っており、こういう追悼の句もあるのだなあ、と学ばせていただきました。和美さんの人柄がしのばれます。ご冥福をお祈りします。 (多田有花)

■1月6日
★遊園地丘の広場に白水仙/飯島治朗
句全体から溌剌とした息吹が伝わってきます。厳しい寒さの中で可憐な花を咲かせてくれる水仙は春の先触れです。(多田有花)

★除雪車の目覚めぬ村を煌々と/黒谷光子
前夜、思いのほか積もった雪を除雪車が出動し、通勤、通学の生活道路を確保しています。未明の内からライトを照らし活動している除雪車に、雪深い御地の光景が鮮やかに思われます。 (桑本栄太郎)

★風花の紺の夜空の家路かな/桑本栄太郎
家路に就く途中、風花が舞う。夜空には薄い雪雲で紺色に見える。冬の平和な夜の情景が浮かんできます。(高橋秀之)

■1月7日
★寒風に空の青さや大阪港/高橋秀之
吹く風の冷たさに、くっきりと広がる空の青さ、清々しく透明感のある寒中の港です。(藤田洋子)

★電話まず雪の深さを訊ねらる/黒谷光子(信之添削)
日本海を渡ってきた雪は伊吹山に当たって関ケ原やその周辺に降り積もります。そのことを知っている知人からの電話でしょうか。子規の句に母親か妹に雪の深さを尋ねたという句があったように記憶してます。 (古田敬二)

■1月8日
★浜風に高く高くと凧揚げる/篠木 睦
海を見下ろす丘に高々と揚がる凧、都会では想像も出来ない、お正月の懐かしい風景です。(渋谷洋介)

★寒四郎鳶あおぞらを高く飛ぶ/多田有花

■1月9日
★山茶花や並んで歩く妻の笑み/高橋秀之
寒さが厳しくなると共に、生垣の山茶花が満開に咲き、綺麗な花びらを下に敷き詰めてます。温かい昼のお買物での光景でしょうか?山茶花と妻の笑みとの措辞が素敵です。(桑本栄太郎)

★紅梅の一輪の香や磴上る/渋谷洋介

■1月10日
★雪載せて特急飛騨は遅着せり/上島祥子
雪を載せて遅着したことで、飛騨の雪深さがよく分かります。列車がお客さんだけでなく、旅情も運んできてくれたのでしょう。 (高橋秀之)

★真新し寒干し大根の匂いくる/佃 康水
切干しにされた採れたての大根が真白く広がり寒の日が差し、甘い匂いが風に乗りくる穏やかな農村の光景が眼に浮かび、心癒されます。(柳原美知子)

■1月11日
★山寺に生姜葛湯をいただきぬ/多田有花
寒風の中、寒林を抜けてはるばる訪ねた山寺でいただく生姜葛湯、体と心の芯まで温まったことでしょう。山寺での楽しいひとときが思われます。(柳原美知子)

★冠雪の比良を仰ぎて湖青し/河野啓一
琵琶湖畔にそびえる比良山頂には白い冠雪がある一方で、冬の琵琶湖は青く見える。そのコントラストをうまく捉えられたと思います。(高橋秀之)

★寒雀野に声ともにこぼれ来て/柳原美知子
「こぼれ来て」という表現が雀の様子にぴったりです。わらわらわらっとやってくるさまは全体が何かで結ばれているようなそんな印象も受けます。 (多田有花)

■1月12日
★あちこちが皆透き通る寒の入り/迫田和代
あちこちという表現が好きです。冬の透き通った空気がとても清々しく感じられます。(高橋秀之)

★枯れ芝の向こうに広がる海青し/高橋秀之
枯れた芝の向こうに広がる海、芝が枯れ色であればその青さがいっそうめに鮮やかです。一月の厳寒と明るさをあわせもった海の色が浮かびます。 (多田有花)

★一片の雲なき空や成人の日/下地鉄
いろいろあるだろうけど、がんばっていけよ、という新成人への激励の気持ちが「一片の雲なき空」ににじんでいるようです。あたたかかな句ですね。 (多田有花)

■1月13日
★全容の榛名を映し冬の湖/小口泰與
★水仙の傾ぎて土手に群れて咲く/祝恵子
★冬深し杉の木立の上の雲/多田有花
★餅の枝掲げどんどの帰り道/小西 宏

■1月14日
★蝋梅の開くよ日ごとひとつずつ/多田有花
★南座を出て風花の舞う街へ/黒谷光子

■1月15日
★青空をくっきり透かせ冬木立/多田有花
★たたなわる遠山紫紺冬田かな/小口泰與

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●1月伝言板

2010-01-01 11:04:45 | Weblog
■□句会案内
▲節分ネット句会/2月3日(水)
http://blog.goo.ne.jp/kakan15/
▲2月吟行句会/2月14日(日)
http://blog.goo.ne.jp/kakan115/

■□ご案内:俳句フェスティバル2010in松山/4月7日~8日
http://blog.goo.ne.jp/haiku_festival

■月刊俳句界2月号掲載
▲高橋句美子さんの5句
▲花冠結社広告/掲載俳句7句
http://blog.goo.ne.jp/kakan19/
※池田加代子さんの写真付きの吟行句は、3月号に掲載の予定です。

新年オフ吟行句会報告/池田加代子
追悼 宮本和美さん
高橋正子の俳句日記
インターネット俳句センター


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