花冠ブログ句会

主宰・選者/高橋正子 世話人/藤田洋子

●12月投句選句箱①

2010-11-30 18:01:34 | Weblog
※①12月1日(水)~15日(水)の投句は、こちらの<コメント欄>にお書きください。
※②投句は、1日3句以内です。好きな句(コメント付きの選句)は、1日1句です。投句された方は、必ず<好きな句>を選んでください。
※③花冠同人以外の方のご投稿は、ご遠慮ください。
※④今月からは、入賞発表をいたしませんが、月間最優秀は、引き続き発表いたします。<年間最優秀>、月例ネット句会での<金銀銅賞>、インターネット俳句コンテストでの<各賞>などがありますので、俳句交流の場として、また俳句勉強の場としてご利用ください。

●入賞発表/11月1日(月)~10月30日(火)

2010-11-30 08:54:17 | Weblog
■11月1日(月)~10月30日(火)
□高橋正子選

【最優秀2句】
★石蕗の花はや日輪の傾きぬ/多田有花
句の姿が整っている。暮れ急ぐ日にしずかに灯る石蕗の黄色い花が印象に残る。(高橋正子)

★観音の坂せせらぎと冬紅葉/黒谷光子
観音へ参る坂にせせらぎと冬紅葉があって、気持ちが満たされてあたたかくなる。(高橋正子)

【特選10句】
★短日の街を灯して書店混む/藤田洋子
短日の街の様子が書店を通してよく見える。短日の人で混む書店に充実感が見える。(高橋正子)

★星月夜飛機の灯しもその中を/藤田裕子
星月夜の美しさに佇むと、星にまがう飛行機の灯がひとつ動いている。静かなまたたきの中の一点の動く灯に、星月夜がより印象的に人に近づいてくる。(高橋正子)

★底なしの空の青から雁の列/迫田和代
「底なしの」を「青」に係るように添削した。底なしの空の青さが強調される。その抜けるような青い空から、いつ現れたか、雁の列。高さ、遠さ、また広さを想う句。(高橋正子)

★黄千両今宵の月の色に生る/佃 康水
千両には、赤い実をつけるものと、黄色い実をつけるものがある。その黄色い実を今宵の月の下で見ると、まさに月と同じ色。玲瓏とした黄千両の実である。(高橋正子)

★秋光や印旛の沼の雑魚揚がる/後藤あゆみ
もとの句の「雑魚ひかる」と「秋光や」は、一種の取り合わせで、「秋光」の季語がこわれている。印旛沼のひろがりが秋光を十分に感じさせている。雑魚がたくさん水揚げされる様子とすれば、味わいのある句となる。(高橋正子)

★黄落の森に漏れ見ゆ摩天楼/小西 宏
黄落の森の色彩と、その間に漏れて見える摩天楼の色彩がつくる都会の瀟洒な美しさは、やはり日本的な美しさであろう。それを捉えた感覚がよい。(高橋正子)

★秋入日作りし畝へ畝の影/古田敬二
入日の時刻。きれいに土を盛って、今作ったばかりの畝に、隣の畝の影が伸びてきて重なる。入日のあたる土の色と影の色に、一日の終わりの静かな明るさがある。(高橋正子)

★甘蔗(きび)の穂の風の吹くまま返すまま/下地鉄
サトウキビの穂が風にざわざわと騒ぐ景色は、沖縄の象徴的な風景。秋風が吹くまま、また返すままは、無為自然。(高橋正子)

★茶の花や老婆の軽ろき鍬の音/桑本栄太郎
畑の周りに茶の垣根を巡らしているのだろうか。茶の花が咲くうららかな日、老婆は鍬音も軽く、楽しみながらの畑仕事である。京都では、畑やそこに働く農民を庭園の一部として鑑賞した地位の人もいたというから、そういった風雅がしのべる。(高橋正子)

★雪山の襞くっきりと迫りけり/小口泰與
雪山となって、山襞がくっきりと見えるようになった。「迫りけり」に山の威容が読み取れる。(高橋正子)

【入選14句】
★紅葉散りいよいよ空の透けている/多田有花
紅葉が散ると、空はますます透明感を増してくる。その美しさ。(高橋正子)

★大根を洗いて白を輝かす/黒谷光子
畑から抜き取ったばかりの大根は、洗えば水に白さが輝く。けっして大げさではなく、「輝く」のである。シンプルな句で大根がしっかりと詠まれている。(高橋正子)

★参道の一樹一石落葉踏む/藤田洋子
落葉の積もる参道の一樹一樹の姿を見上げ、踏む道の石一つ一つの具合を確かめつつ登る。伽藍へと導く参道がそうさせる。「落葉踏む」が手堅い。(高橋正子)

★子らの声桜紅葉に包まれる/藤田裕子
桜紅葉の下で遊ぶ子供たちの声が、すっぽりと桜紅葉に包まれている。活発な子どもの声に、桜紅葉の色も今が最高。明るく、活力のある世界。(高橋正子)

★冬浅し森の木漏れ日鳥の声/祝恵子
温かい日差しが森に降り注ぎ、清らかな小鳥の声に心洗われる初冬の光景が眼に浮かびます。(柳原美知子)

★火の国の段々畑に稲架高し/高橋秀之
熊本を火の国と詠まれたのが良いですね。晩稲の稲架が、段々畑に高々と並んでいる景色が目に浮かび素敵です。(後藤あゆみ)

★水鳥の潜りししぶき陽に真白/川名ますみ
水しぶきをあげて潜る水鳥。そのしぶきに陽光が眩しく跳ね返る。寒さに負けないで生きる水鳥の姿が詠われている。(古田敬二)

★紙ヒコーキ飛ばしてデイは秋の空/河野啓一
句全体に軽快な明るさが満ちています。詠者のお気持ちも秋の空へ高くヒコーキに乗って飛んでいくようです。 (多田有花)

★残菊を剪りてバケツに香を満たし/柳原美知子
ものの「香り」というのは、意外にさまざまな連想を呼ぶようです。最後の菊を剪って、今年の秋に思いをはせておられるのでしょうか。「香」に焦点をあたられたのがいいと感じます。 (多田有花)

★すり大根添えて朝食整えり/井上治代
白いご飯を中心とした和食に今卸したての大根を添えて整った朝食は健康にもまた美容にも効用があり、心身共に爽やかな一日の始まりです。 (佃 康水)
四国では大根おろしのことをすりだいこと云うようですね。ピリリとしたおろし大根に鰹節をかけて、爽やかな朝の一品です。 (河野啓一)

★芝生広場大きな空は冬の青/渋谷洋介
芝生広場の上にぽっかりと大きな青空が広がっていて、これを冬の青と詠んだ明るさが嬉しいです。 (河野啓一)

★イルミネーション十一月の月光下/山中啓輔
街路樹のイルミネーションがきらきらと耀いている。月の光の中で見るイルミネーションは、切なく哀しいような美しさだったのではないでしょうか。(後藤あゆみ)

★電車揺れ冬夕焼の濃くなりぬ/小川和子
外出からの家路の途中であろうか?心地よく揺れる電車の車窓には冬の夕焼けが、今、まさに沈もうとしている・・。冬の一日の今日の予定が終り、安堵と冬夕焼け独特の哀愁が滲み出て素敵な風情を感じます。(桑本栄太郎)

★爽やかな林を歩んで動物園/上島祥子
林中、空気も澄んだ好天気なのでしょう。動物園へと続く林道の清々しい心地よさが伝わり、これから過ごす動物園での心楽しいひとときを思い浮かべます。(藤田洋子)

●今日の秀句/高橋正子選

2010-11-16 07:07:34 | Weblog
■11月16日(火)
★一樹立つおのが落葉に囲まれて/多田有花
樹は動かないから、自分の落した落葉に囲まれることになる。その落葉のあたたかさの中にすっく立つのも本来の樹の姿に違いない。高橋正子)

■11月17日(水)
★観音の坂せせらぎと冬紅葉/黒谷光子
観音へ参る坂にせせらぎと冬紅葉があって、気持ちが満たされてあたたかくなる。(高橋正子)

★くるまれて赤子冬陽の中に出る/多田有花
おくるみに大切にくるまれて、冬陽の中に連れてでられた赤子の無垢そのことが、幸せである。(高橋正子)

■11月18日(木)
★短日の街を灯して書店混む/藤田洋子
短日の街の様子が書店を通してよく見える。短日の人で混む書店に充実感が見える。(高橋正子)

■11月19日(金)
★雪吊りの縄の放射の緩びなき/黒谷光子
雪吊りの縄は、松の木の天辺から放射状にぴんと張られ、冬の日に輝いて美しい。「緩びなき」張りが、雪吊りの美しさである。(高橋正子)

■11月20日(土)
★石蕗の花はや日輪の傾きぬ/多田有花
句の姿が整っている。暮れ急ぐ日にしずかに灯る石蕗の黄色い花が印象に残る。(高橋正子)

■11月21日(日)
※該当作品なし

■11月22日(月)
★冬満月湖も山野も包み込み/黒谷光子
満月が湖を照らし、なおかつ山も野も照らすのをふところうちに入れて「包み込み」と詠んで、句が大きい。冬満月の煌々と照る光が美しい。(高橋正子)

■11月23日(火)
※該当作品なし

■11月24日(水)
★紅葉散りいよいよ空の透けている/多田有花(正子添削)
紅葉が散ると、空はますます透明感を増してくる。その美しさ。(高橋正子)

■11月25日(木)
★黄千両今宵の月の色に生る/佃 康水
千両には、赤い実をつけるものと、黄色い実をつけるものがある。その黄色い実を今宵の月の下で見ると、まさに月と同じ色。玲瓏とした黄千両の実である。(高橋正子)

■11月26日(金)
★枯蓮に陽の燦々と降り注ぐ/多田有花
蓮が枯れるころは、秋の好天に恵まれ、陽が燦々と降り注ぐ。青々とした蓮の葉の茂りもまたよいが、枯蓮に陽の注ぐ風景も清潔感があって、よい。(高橋正子)

■11月27日(土)
★雪山の襞くっきりと迫りけり/小口泰與
雪山となって、山襞がくっきりと見えるようになった。「迫りけり」に山の威容が読み取れる。(高橋正子)

■11月28日(日)
※該当作品なし

■11月29日(月)
★子らの声桜紅葉に包まれる/藤田裕子
桜紅葉の下で遊ぶ子供たちの声が、すっぽりと桜紅葉に包まれている。活発な子どもの声に、桜紅葉の色も今が最高。明るく、活力のある世界。(高橋正子)

●今日の佳句/高橋正子選

2010-11-16 07:07:06 | Weblog

■11月16日(火)
★紅葉散る蒼き水辺を平らかに/小西 宏
★何処までも歩きたい夜や星月夜/迫田和代
★上棟の柱の香満つ小春空/柳原美知子
★水音の聞えていたり真菰枯る/桑本栄太郎(信之添削)

■11月17日(水)
★芝生広場大きな空は冬の青/渋谷洋介
★さみどりの銀杏落葉を書に挟む/後藤あゆみ

■11月18日(木)
★あけぼのの水鳥湖を満たしけり/小口泰與
★ポインセチアほのと明るき昼の居間/後藤あゆみ
★短日やボール遊びの子等の声/桑本栄太郎
★通り雨桜紅葉の明るさに/川名ますみ

■11月19日(金)
★はみ出して鴨の一羽は草の上/祝恵子
★日向ぼこしてほころびを繕いぬ/井上治代
★屋根裏の小窓をつつく冬の鳥/後藤あゆみ
★記憶より狭き校庭空っ風/小口泰與
★冬めいて眩しき窓の結露拭く/小西 宏

■11月20日(土)
★冬入り日湖に光りの束を投げ/黒谷光子

■11月21日(日)
★冬めく陽入れてやわらか松林/多田有花
★冬浅し森の木漏れ日鳥の声/祝恵子
★大銀杏色きわむれば散り始む/黒谷光子
★膝掛けに紅葉一枚舞い落ちて/迫田和代

■11月22日(月)
★日野菜蕪土を流せば朱の顕わ/古田敬二
★句座たのし銀杏黄葉の街のカフェ/後藤あゆみ
★小雪の湯船にたっぷり湯を満たし/柳原美知子

■11月23日(火)
★剥きたての柿干して空晴れ渡り/藤田洋子
★己が身を燈し銀杏の時雨れけり/桑本栄太郎
★水鳥や朝練の子等声交わし/小西 宏
★千切れては夫々富士へ冬の雲/川名ますみ
★生け花の南天の葉も紅葉せり/古田敬二

■11月24日(水)
★冬の蝶日当たる場所を選りており/黒谷光子
★小春日や右に左に鳥の声/下地鉄
★小春日や琵琶湖を渡り来る風も/小口泰與

■11月25日(木)
★枯野原北へ真っ直ぐ高速路/多田有花
★イルミネーション十一月の月光下/山中啓輔
★電車揺れ冬夕焼の濃くなりぬ/小川和子

■11月26日(金)
★晩秋の夕日きらめき鳥の声/河野啓一
★ひと時の子等の下校や木の葉散る/桑本栄太郎
★銀杏散る朝日が照らす丘の上/後藤あゆみ

■11月27日(土)
★ここまでは街音届かず枇杷の花/古田敬二
★水鳥の潜りししぶき陽に真白/川名ますみ
★梅枯れて枝のおのおの天を指す/多田有花

■11月28日(日)
★陽だまりに薄い影残す冬の蝶/迫田和代
★それぞれの高さに枯れて荻すすき/多田有花

■11月29日(月)
★まだ誰も踏まぬ落葉を踏み歩く/山中啓輔
★山茶花に朝の日差しはまだなくて/多田有花
★愛らしく赤き実ついばむ冬の鳥/井上治代

●11月投句選句箱②

2010-11-16 06:59:16 | Weblog
※①11月16日(火)~30日(火)の投句は、こちらの<コメント欄>にお書きください。
※②投句は、1日3句以内です。好きな句(コメント付きの選句)は、1日1句です。投句された方は、必ず<好きな句>を選んでください。
※③今回の入賞発表は、11月30日(火)となります。
※④30日(火)の午後6時から午後12時までの間は、入賞発表の作業中ですので、投句を禁止いたします。
※⑤花冠同人以外の方のご投稿は、ご遠慮ください。


●今日の秀句/高橋正子選

2010-11-02 08:42:52 | Weblog
■11月1日(月)
★秋光や印旛の沼の雑魚揚がる/後藤あゆみ(正子添削)
もとの句の「雑魚ひかる」と「秋光や」は、一種の取り合わせで、「秋光」の季語がこわれている。印旛沼のひろがりが秋光を十分に感じさせている。雑魚がたくさん水揚げされる様子とすれば、味わいのある句となる。(高橋正子)

■11月2日(火)
★底なしの空の青から雁の列/迫田和代(正子添削)
「底なしの」を「青」に係るように添削した。底なしの空の青さが強調される。その抜けるような青い空から、いつ現れたか、雁の列。高さ、遠さ、また広さを想う句。(高橋正子)

■11月3日(水)
※該当作品なし

■11月4日(木)
★黄落の森に漏れ見ゆ摩天楼/小西 宏(正子添削)
黄落の森の色彩と、その間に漏れて見える摩天楼の色彩がつくる都会の瀟洒な美しさは、やはり日本的な美しさであろう。それを捉えた感覚がよい。(高橋正子)

■11月5日(金)
★秋入日作りし畝へ畝の影/古田敬二
入日の時刻。きれいに土を盛って、今作ったばかりの畝に、隣の畝の影が伸びてきて重なる。入日のあたる土の色と影の色に、一日の終わりの静かな明るさがある。(高橋正子)

■11月6日(土)
★甘蔗(きび)の穂の風の吹くまま返すまま/下地鉄
サトウキビの穂が風にざわざわと騒ぐ景色は、沖縄の象徴的な風景。秋風が吹くまま、また返すままは、無為自然。(高橋正子)

■11月7日(日)
★花土を購いおれば冬ぬくし/黒谷光子(正子添削)
花を植えようと、花土を買っていると、冬なのに暖かいことよ。ふかふかの土に花もよく育つことであろうと、思いが走る。「冬ぬくし」の温かみがよく伝わってくる。(高橋正子)

■11月8日(月)
★バス停の黄葉明りとなりにけり/桑本栄太郎
バス停に佇むと、あたりは、黄葉の明るい空間である。「バス停」という場所が生きて、つまり、自分の立つ位置が揺るがす、黄葉明かりを鮮明に印象付けている。(高橋正子)

■11月9日(火)
★参道の一樹一石落葉踏む/藤田洋子
落葉の積もる参道の一樹一樹の姿を見上げ、踏む道の石一つ一つの具合を確かめつつ登る。伽藍へと導く参道がそうさせる。「落葉踏む」が手堅い。(高橋正子)

■11月10日(水)
※該当作品なし

■11月11日(木)
★大根を洗いて白を輝かす/黒谷光子
畑から抜き取ったばかりの大根は、洗えば水に白さが輝く。けっして大げさではなく、「輝く」のである。シンプルな句で大根がしっかりと詠まれている。(高橋正子)

■11月12日(金)
★松林透かせば冬の湖光る/黒谷光子
松林のあいだにきらきら光る冬の湖。松林が、冬の琵琶湖の侘びた風景を眼前に見せてくれている。(高橋正子)

★茶の花や老婆の軽ろき鍬の音/桑本栄太郎
畑の周りに茶の垣根を巡らしているのだろうか。茶の花が咲くうららかな日、老婆は鍬音も軽く、楽しみながらの畑仕事である。京都では、畑やそこに働く農民を庭園の一部として鑑賞した地位の人もいたというから、そういった風雅がしのべる。(高橋正子)

■11月13日(土)
※該当作品なし

■11月14日(日)
★星月夜飛機の灯しもその中を/藤田裕子
星月夜の美しさに佇むと、星にまがう飛行機の灯がひとつ動いている。静かなまたたきの中の一点の動く灯に、星月夜がより印象的に人に近づいてくる。(高橋正子)

★麦の芽の畝くねりつつ交わらず/黒谷光子
麦の芽が黒い土に芽生えると、色彩的にもうつくしい。整然とした畑ではなく、畝もくねっているが、決して交わらない。真を得ている。(高橋正子)

■11月15日(月)
※該当作品なし

●今日の佳句/高橋正子選

2010-11-02 08:42:02 | Weblog
■11月1日(月)
★竜胆を手折るに雨滴こぼるるよ/古田敬二(正子添削)
★切岸を疾走せるや淡き霧/小口泰與(正子添削)
★柿の木の夕日に染まり冬隣/河野啓一
★間引き菜の少し大きが篭あふる/黒谷光子
★街の声少なし夜寒の別府駅/高橋秀之(正子添削)
★色鳥の声や葉色に染まりつつ/桑本栄太郎

■11月2日(火)
★紅葉初む街路樹抜けて路線バス/後藤あゆみ
★拾いゆく紅葉かつ散る一枚を/多田有花
★たまさかの出会いの湖辺小白鳥/黒谷光子

■11月3日(水)
★秋の朝師に賜るや道案内/河野啓一
★山ふたつ掛けて大きく秋の虹/黒谷光子
★日当たりて温きぞうりや文化の日/桑本栄太郎
★火の国の段々畑に稲架高し/高橋秀之

■11月4日(木)
★野の池や鳥の数だけ水の紋/河野啓一
★三つ星のさやかに秋の夜の明ける/黒谷光子
★吾が佇てば忽ちそよぐ蘆の花/桑本栄太郎
★星月夜明日を待たずにポストまで/小川和子

■11月5日(金)
★赤とんぼ連なり飛ぶよ夕野原/後藤あゆみ
★紙ヒコーキ飛ばしてデイは秋の空/河野啓一

■11月6日(土)
★うす紅葉透かして仰ぐ研究棟/川名ますみ
★一品は掘りしばかりの芋を煮る/黒谷光子
★天窓の秋光射しこむ朝の卓/後藤あゆみ

■11月7日(日)
★秋暁の陽を吸いこみてピラカンサ/河野啓一
★雑踏のイルミネーション早や聖樹/後藤あゆみ
★歩幅ほどの川の流れて石蕗の花/佃 康水
★雲も葉も眩しき窓にけさの冬/川名ますみ
★冬に入る畳にものの影伸びて/藤田洋子

■11月8日(月)
★街空は銀杏黄葉の上に晴れ/藤田洋子
★秋の実の色よく並ぶ無人店/渋谷洋介
★一面に桜落葉の丘香る/小西 宏

■11月9日(火)
★短日の優勝セールの人込みに/後藤あゆみ
★初冬の陽に百合の木の照り残る/小西 宏
★糸瓜棚盛り過ぎしが十ばかり/黒谷光子

■11月10日(水)
★街路樹のいや増す色や今朝の冬/河野啓一
★冬めきて犬と遊べる人丘に/多田有花(正子添削)

■11月11日(木)
★尾根道に厚き落葉の音明るし/小西 宏
★朝日差すさくら紅葉の下に居る/河野啓一
★欅黄葉雲無き空をさやさやと/古田敬二
★せせらぎに赤黄を重ね散る紅葉/佃 康水

■11月12日(金)
★百合の木の高き黄葉(もみじ)の剪られけり/小西 宏(信之添削)
★初冬の雲の深まる茜色/祝恵子(信之添削)
★初冬の播州平野に黄沙来る/多田有花
★医院出で銀杏黄葉の眩しさよ/後藤あゆみ

■11月13日(土)
★菜畑の広きにひとつ冬の蝶/黒谷光子
★武蔵野の落葉の香り踏みしめて/渋谷洋介
★残菊を剪りてバケツに香を満たし/柳原美知子
★神殿の冷たき手水に身を清む/後藤あゆみ

■11月14日(日)
★落葉して乙女の塑像園に立つ/河野啓一
★すり大根添えて朝食整えり/井上治代

■11月15日(月)
★波に乗り波に呑まれて鴨の群れ/黒谷光子
★慎ましく白綻ばせ茶の花よ/佃 康水
★雲厚し柿の赤さで夜は明ける/河野啓一

●11月投句選句箱①

2010-11-01 18:55:13 | Weblog
※①11月1日(月)~15日(月)の投句は、こちらの<コメント欄>にお書きください。
※②投句は、1日3句以内です。好きな句(コメント付きの選句)は、1日1句です。投句された方は、必ず<好きな句>を選んでください。
※③今回の入賞発表は、11月30日(火)となります。
※④31日(火)の午後6時から午後12時までの間は、入賞発表の作業中ですので、投句を禁止いたします。
※⑤花冠同人以外の方のご投稿は、ご遠慮ください。