■今週の秀句②■
★鬼ごっこ落ち葉踏みしむ音高く/高橋秀之
落葉も気にせず、元気に鬼ごっこをする子たちを詠んでいて、読めばたのしくなる。「音高く」に子どもの動きが見える。(高橋正子)
★初雪や静まる林光満つ/丸山美知子
初雪なので、静まる林が鮮明な印象。「光満つ」で林に喜びがあるような明るさがある。(高橋正子)
★大根干す空気甘しと思いつつ/宮本和美
ほどよい風があり、小春日和の日差しに空気が甘いと感じられる。こんな日に大根を干すと日と風に甘く干しあがるだろうと思う。(高橋正子)
★菜園の冬菊芳し朝晴れに/小川和子
菜園の隅に菊が植えられているのをよく見かける。その菊も冬に入ると、朝の晴れに芳しい香をあげる。これこそ冬菊の香。(高橋正子)
★一村に鎮守いずこも銀杏の黄/黒谷光子
一つの村には、鎮守の杜が一つずつ。どの鎮守の杜にも銀杏があって黄葉している。それが点在するので、日本の原風景があって、うれしい。(高橋正子)
★朝日受け霜の白菜かがやけり/小口泰與
白菜がしっかりと巻いて立派に育っている。その白菜に霜の降り、朝日が差すと、きらきらかがやいて、生きいきとしている。(高橋正子)
★シクラメン窓辺に咲いて朝日射す/堀佐夜子
華やかなシクラメンの花を窓辺に置けば、朝日がさして、心地よい日当たりに華やぎを増してくる。明るい窓辺に生活も楽しくなる。(高橋正子)
■今週の秀句①■
★冬晴れにハンドベルの音透き通る/飯島治朗
ハンドベルの音色が特に透き通って聞こえるのは、クリスマスが近いころ。冬晴れの日には、音に透明感が増す。(高橋正子)
★門灯を消す静けさに今朝の雪/志賀泰次
門灯を消そうと外を見ると雪が積もっている。朝の静けさが雪をもってなお静かになった。(高橋正子)
★若狭きて鄙びた宿の松葉蟹/小河原宏子
若狭の鄙びた宿で出された松葉蟹。ただそのことだが、いい詩情がある。(高橋正子)
★雪吊りの天辺きりりと結わえられ/黒谷光子
出来たばかりの雪吊り。縄も新しく、きりりと張られている。天辺がきりっと結わえられたからこそ。(高橋正子)
★一片の雲なき空よ波郷の忌/多田有花
波郷の忌日は、11月21日。肺結核を病んだ波郷に、一片の雲もない空と空気が、何よりの手向けと感じられる。(高橋正子)
★木枯に黄昏さそう紺の海/篠木 睦
木枯が吹くと、紺色の海にさえ、黄昏が来るのが早まるようだ。目にある紺が次第に色薄れてさびしくなるときである。(高橋正子)
★洋館を丘にとどめて冬きたる/藤田荘二
洋館は変わりもせず、丘の上に。冬も変わりもせずやって来た。こうして幾年も過ぎて来たのだろうし、また過ぎてゆくのだろう。(高橋正子)
★晴れし日の鶺鴒白き胸を張り/大西 博(添削)
もとの句は、季重なりなので添削した。鶺鴒は、地面を歩いていることもしばしば。いい天気なので、鶺鴒も胸を張って歩いているようだ。胸の白が印象的。(高橋正子)
★鬼ごっこ落ち葉踏みしむ音高く/高橋秀之
落葉も気にせず、元気に鬼ごっこをする子たちを詠んでいて、読めばたのしくなる。「音高く」に子どもの動きが見える。(高橋正子)
★初雪や静まる林光満つ/丸山美知子
初雪なので、静まる林が鮮明な印象。「光満つ」で林に喜びがあるような明るさがある。(高橋正子)
★大根干す空気甘しと思いつつ/宮本和美
ほどよい風があり、小春日和の日差しに空気が甘いと感じられる。こんな日に大根を干すと日と風に甘く干しあがるだろうと思う。(高橋正子)
★菜園の冬菊芳し朝晴れに/小川和子
菜園の隅に菊が植えられているのをよく見かける。その菊も冬に入ると、朝の晴れに芳しい香をあげる。これこそ冬菊の香。(高橋正子)
★一村に鎮守いずこも銀杏の黄/黒谷光子
一つの村には、鎮守の杜が一つずつ。どの鎮守の杜にも銀杏があって黄葉している。それが点在するので、日本の原風景があって、うれしい。(高橋正子)
★朝日受け霜の白菜かがやけり/小口泰與
白菜がしっかりと巻いて立派に育っている。その白菜に霜の降り、朝日が差すと、きらきらかがやいて、生きいきとしている。(高橋正子)
★シクラメン窓辺に咲いて朝日射す/堀佐夜子
華やかなシクラメンの花を窓辺に置けば、朝日がさして、心地よい日当たりに華やぎを増してくる。明るい窓辺に生活も楽しくなる。(高橋正子)
■今週の秀句①■
★冬晴れにハンドベルの音透き通る/飯島治朗
ハンドベルの音色が特に透き通って聞こえるのは、クリスマスが近いころ。冬晴れの日には、音に透明感が増す。(高橋正子)
★門灯を消す静けさに今朝の雪/志賀泰次
門灯を消そうと外を見ると雪が積もっている。朝の静けさが雪をもってなお静かになった。(高橋正子)
★若狭きて鄙びた宿の松葉蟹/小河原宏子
若狭の鄙びた宿で出された松葉蟹。ただそのことだが、いい詩情がある。(高橋正子)
★雪吊りの天辺きりりと結わえられ/黒谷光子
出来たばかりの雪吊り。縄も新しく、きりりと張られている。天辺がきりっと結わえられたからこそ。(高橋正子)
★一片の雲なき空よ波郷の忌/多田有花
波郷の忌日は、11月21日。肺結核を病んだ波郷に、一片の雲もない空と空気が、何よりの手向けと感じられる。(高橋正子)
★木枯に黄昏さそう紺の海/篠木 睦
木枯が吹くと、紺色の海にさえ、黄昏が来るのが早まるようだ。目にある紺が次第に色薄れてさびしくなるときである。(高橋正子)
★洋館を丘にとどめて冬きたる/藤田荘二
洋館は変わりもせず、丘の上に。冬も変わりもせずやって来た。こうして幾年も過ぎて来たのだろうし、また過ぎてゆくのだろう。(高橋正子)
★晴れし日の鶺鴒白き胸を張り/大西 博(添削)
もとの句は、季重なりなので添削した。鶺鴒は、地面を歩いていることもしばしば。いい天気なので、鶺鴒も胸を張って歩いているようだ。胸の白が印象的。(高橋正子)