こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑 外形扁(外科)面1

2018年06月20日 | 日記

東医宝鑑 外形篇(外科)一
二、面(1)

ひたいは天庭で心に属し、あごは地閣で腎に属し、鼻は顔の真ん中にあって脾に属し、左頬は肝に属し、右頬は肺に属する。
これが五臓の部位であり、その色を巡って病を見分ける。
鼻から髪ぎわに至るまでを天中といい、天中の下を天庭といって即ちひたいであり、天庭の下を司空といい、司空の下を印堂いって両眉の中央にある。
印堂の下を山根、即ち両眼の間をいう。
山根の下を鼻準、即ち明堂、鼻準の下を人中といい、人中の下を漿(穴の名)といい、承漿の下を地閣、即ちあごである。額の両側角を方広または太陽穴という。
天中・天庭・司空・印堂・額角・方広などのところに病があると存亡を定め、これが命門であるにもかかわらず、比較してそれを測る人は少ない。
天中・天庭・司空・印堂・額角・方閣、みな命門の部位で安危を占うところである。
五色は明堂で決定する。明堂は即ち鼻である。
明堂の色が青黒いと痛みがあり、黄赤の色だと熱があり、白いと寒がある。
脈の動静で精明(穴の名)を見、五色をさぐって五臓の有余・不足と六腑の強弱・盛衰を見、これに依って死生を決定する。

二、顔に熱があるとき
顔が熱いと足陽明の病である。
顔が赤く酔ったような症は、胃熱のある症である。
面熱は鬱熱が原因であり、また胃病でもある。面熱出苦しむが脈が多いのは陽明経に血が多いためで、膏梁の積熱依る症である。
従って調胃承気湯七銭に黄連三銭、犀角一銭を加え、二・三回疏下させ、次に升麻黄連湯で治す。

升麻黄連湯   面熱を治す。
     処方 升麻・乾葛角一銭、白芷七分、白芍薬・甘草各五分、黄連酒炒四分、犀角屑・川芎・荊芥穂・薄荷角三分、を切って、先に水半杯に川芎・荊芥・薄荷を漬け、残りはみな水二杯で煎じて一杯くらいになると、味をつけてまた煎じ、七分くらいになったら滓は捨て食後に温めて服用する。

二、顔面が冷たいとき
顔面が冷たい症は胃の弱いためである。
胃中には寒と湿があるが、顔が冷たい症で堪えられないときは、先に附子理中湯を使い、次に升麻附子湯を使う。

升麻附子湯   顔面が冷たいのを治す。
     処方 升麻・附子炮・葛根・白芷・黄芪蜜炒角七分、人参・英豆蔲・甘草灸各五分、益智仁三分を作末し連鬚葱白三茎を入れ、煎じて食前に服用する。

沖和気湯    
     処方 葛根一銭半、升麻・白芷・防風各一銭、黄芪八分、人参七分、甘草四分、白芍薬・蒼朮各三分に薑三・棗二を入れ、水で煎じて服用する。

三、面載陽症のとき
すべて病で顔が赤い症は、火熱が潜伏している症状で、みだりに内だけを治療することを禁ずる。邪気が経にあると表を発散させるからで、瘡瘍また同じである。
傷寒小陰症の面載陽は下虚から来るもので、通脈四逆湯に葱白九茎を加え、煎じて服用する。

四、胃風症
胃風は面腫を発する。
面腫を風という。
食べたあと、風にあたると麻痺し、奥歯が痛く、目玉がくらつき、胃に風があって顔がはれるときは、升麻胃風湯を使う。

升麻胃風湯   胃風でなった面腫を治す。
     処方 升麻二銭、白芷一銭二分、当帰・葛根・蒼朮各一銭、甘草一銭半、麻黄五分、柴胡・藁本・羌活・黄柏・草豆蔲各三分、蔓荊子二分に薑三、棗二を入れ水で煎じて食後服用する。

犀角升麻湯   陽明胃経の風熱毒を治す。
     処方 犀角一銭半、升麻・羌活・防風各一銭、川芎・白附子・白芷・黄芪・甘草各五分を水で煎じて食後寝しなに各一服する。


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