こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る29

2017年06月10日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便(五)

一一、小便の不禁症
小便を遺失する症は肺気が弱ってそうなるので、必ず熱があり、黄柏・生地黄を使う。
小便が少なく、淋瀝がこらえられないと陰挺が痿痺した症で六味地黄丸に沢寫を抜いて
益智仁を加えて使う。小便不禁は熱と虚に屈する症で、熱には五苓散に解毒湯を加えて使う。
虚には五苓散に四物湯を合わせ山茱萸・五味子を加えて使う。
下が弱く損傷して小便が出ないときは、膀胱の貧血を補って火邪を出させる方が良い。
加減八味丸・六味地黄元に知母・黄柏・五味子を加えたのと、補陰丸が最も良い。
虚冷のためにひどくなった症状には縮泉元・秘元丹をつかい、老人、虚人には五子元・
家韭子元蔘芪湯をつかい、産後の遺尿には補脬飲・猪脬湯をつかい、小児の遺尿には鶏腸散
・鶏肶胵散をつかい、通用には大兎絲子元・茸香元・既済丸をつかう。
傷寒遺尿と中暑遺尿はみな本門にある。

縮泉元    脬気が不足して小便が少なく一日百余回もするときに使う。
    処方 鳥薬・益智仁を等分に作末し、酒で煮た山薬糊で梧子大に丸め、七〇丸
       呑み下す。

秘元丹    虚損して小便の不禁を治す(処方前述)

五子元    小便不禁、夜になおひどく、めまいがし足の弱い老人、虚人にこの症が、
       多く精液を消耗し、急死することがある。
    処方 兎絲子酒製・韭子略炒・益智仁・茴香炒・蛇床子炒を各等分に作末し、
       酒糊で梧子大に丸め、糯米飯で五〇~七〇丸呑み下す。

家韭子元   腎陽が衰退し脬が冷え、遺尿不禁を治す。
    処方 家韭子略炒六両、鹿茸燎去毛四両、肉蓯蓉酒に浸したもの牛膝の酒で浸
       したもの、熟地黄・当帰を酒で洗ったもの各二両、兎絲子酒製・巴戟各
       一両半、杜仲炒・石斛酒洗・乾薑炮・桂心各一両を作末し、酒糊で梧子
       大に丸め空腹時に温酒または塩湯で一〇〇丸呑み下す。
 
蔘芪湯    気虚、遺尿を治す。
    処方 人蔘・黄芪蜜炒・白茯苓・当帰・熟地黄・陳皮各一銭、益智仁研八分、
       升麻・肉桂各五分、甘草三分、薑三片、棗二枚、入れて水で煎じて空腹時
      に服し、老人は炮附子を加える。

補脬飲   婦人の出産で脬を傷つけて小便不禁、またはしめった症が乾かないときに
      ときに使う。
   処方 生黄絲絹一尺をよって白牡丹の根皮末二銭、白芨末一銭を水一杯で煮て煮
      て、絹が飴のようになったら、空腹時に頓服する。 服するときしゃべっ
      てはならぬ。

猪脬湯   婦人の脬が傷つき、小便が不禁の症を治す。
   処方 人蔘・白朮各二銭、桃仁・陳皮・黄芪・白茯苓・川芎・当帰各一銭を剉作
      して猪脬または羊脬を入れて煎じ、空腹時に服する。

鶏腸散   小児の遺尿不禁を治す。
   処方 鶏腸焼いたもの、牡蛎粉・白茯苓・桑螵蛸蒸したもの各五銭、辣桂・竜骨
      各二銭半を剉作して毎二銭に薑三片、棗二枚入れ、水で煎じて空腹時に服
      用、または作末して一銭を米飲で調服する。

鶏肶胵散  小児遺尿によい。
   処方 鶏肶胵一具、鶏腸一具、猪脬一箇を灸焦を作末して一銭づつ酒で調服する。

大兎絲子元 脬気が虚して小便不禁になった症を治す。
   処方 兎絲子酒製・肉蓯蓉酒に浸したの各二両、牡蛎煆・五味子・附子炮・鹿茸
      酒灸各一両、桑螵蛸酒灸・鶏肶胵灸各五銭を作末し酒糊で梧子大に丸め、
      空腹時に温酒または塩湯で七〇丸呑み下す。

茸香元   虚損・虚冷で小便不禁の症を治す。
   処方 鶏内金灸七銭半、鹿茸酥灸・肉蓯蓉酒で浸したもの、当帰酒で洗ったもの
      各五銭・竜骨煆・牡蠣粉・巴戟・赤石脂・禹余粮煆醋淬研・白薑・益智仁
      ・乳香各二銭半を作末して糯米糊で梧子大に丸め空腹時に塩湯で七〇丸呑
      み下す。

既済丸   脬気不足で陰火があって小便不禁になったときに使う。
   処方 兎絲子酒製・益智仁炒・白茯苓・韭子炒・肉蓯蓉酒で洗ったもの、当帰・
      熟地黄各五銭、黄柏と知母の塩水で炒ったもの、牡蛎粉・山茱萸肉の酒で
      蒸したもの各三銭、五味子一銭を作末し麵糊で梧子大に丸め、空腹時に塩
      湯で一〇〇丸呑み下す。

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