こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
詳細は左欄下段の『ブックマーク』にお進み下さい

東医宝鑑53  (大便13)

2017年12月15日 | 日記

東医宝鑑 内景篇(内科)四
二六、大便(13)

五、疾痢の治療法
血の運行を良くすると便膿はおのずと治る。
下痢の治法は後遺症を治すのが大事でで、それには木香・檳榔を使い、また木香檳榔丸を使う。腹痛はとめねばならぬが、これには芍薬・陳皮を使い、また芍薬甘草湯を使う。身体が重ければ湿を除かねばならぬが、茯苓・沢瀉・を使い、また五苓散を使う。
脈が緩い症は風邪をなおさねばならぬので、奏艽・防風を使い、また敗毒散を使う。
膿血が枯れたのには重薬を、つまり大黄・芒硝か大黄湯を使う。
身体が冷え汗が出る症には、熱薬で温め、附子乾薑を使い、また漿水散を使う。
風邪がこもった症には、汗を出させねばならぬので、麻黄白芷・乾葛を使い、また麻黄升麻湯を使う。鶩溏が出るときは温め、肉桂・木香を使い、また水煮木香丸を使う。
外にある症は発し、中にある症は下し、上にある症は吐き、下にある症はなくす。
身体の外に熱のある症は内に疏通させ、小便の渋いのは分利させる。
便色の黒いのは大黄、紫は地楡、紅いのは黄苓、淡いのは生薑、白いのは肉桂、黄色いのは山楂、水泄には栗、痛には木香・杷子などである。
痢の初症には立効散を一服すると治り、また木香導気湯でその毒を除去する。
痢疾に阿膠珠・当帰・青皮・赤茯苓・黄連で作剤し、鳥梅を蜜で煎じて飲む。

立効散     赤石膿血痢と腹痛に効く。
処方 黄連四両、呉茱萸二両を水につけて炒り、茱萸は捨て、枳麩炒二両を作末して、毎三銭を空腹時に黄酒で飲む。

木香導気湯    痢疾がはじめて起きたとき、腹痛が繰り返し発熱した噤口の症を治す。                                 処方 大黄一銭半、白芍薬・朴硝・黄連各一銭二分、厚朴・黄連各一銭、当帰尾・赤茯苓各八分水で煎じて服用する。

六、痢疾の治療に使う薬
痢疾の諸症で臍腹が痛み、鮮血が出、または瘀血、紫黒血、白膿がおり、または赤白が相まじり、また黒豆汁または芽屋の漏水、魚のくさったような症などに、水煮木香膏・六神丸、香連丸・加味香連丸・白朮安胃散・和中飲・易簡断下湯・寧胃散・救命延年丸などを使う。

水煮木香膏      一切の痢疾を治す。
処方 罌栗殻蜜炒三両、縮砂・肉豆蔲煨・乳香各七銭版、木香・丁香・詞子・蒮香・当帰・黄連・厚朴・陳皮・青皮・白芍薬・甘草灸各五銭、枳実・乾薑炮各二銭半を作末し、蜜で弾子大に丸め水一盃、棗一枚を煎じて服用する。

六神丸          一切の痢疾を治す。
処方 黄連・木香・枳殻・赤茯苓・神麹炒を各等分に作末し、神麹糊で梧子大に丸め、毎五〇~七〇丸を、赤痢には甘草湯で、白痢には乾薑湯で赤白痢には乾薑甘草湯でそれぞれ呑み下す。

神香連丸        一切の痢疾を治す。
処方 黄連炒二両、呉茱萸炒一両、木香一銭、白豆蔲煨一銭半、乳香・没薬各一銭を作末して鳥梅を水で浸したものの肉を取って、梧子大に丸め毎三〇丸を服用する。

白朮安胃散      一切の痢疾を治す。
処方 罌栗殻蜜炒二銭、赤茯苓・白朮・車前子各一銭、五味子・鳥梅肉各五分を水で煎じて服用する。

百中散          一切の痢疾を治す。
処方 罌栗殻蜜炒・赤色厚朴薑製各二両半を作末して毎二~三銭を空腹時に調下する。

和中散          痢疾の赤白に使うが、ただ発熱には使わない。
処方 罌栗殻酸炒一銭半、陳皮・白朮・赤茯苓・赤芍薬各一銭、陳倉米二銭、草果仁七分、甘草三分、砂糖3銭、鳥梅一、薑三、棗二枚入れて水で煎じて服用する。

易簡断下湯      一切の痢疾を治す。特に虚滑痢に効く。
処方 罌栗殻一四枚、筋・腹・帯を捨て醋につけて炒末にし、白朮・赤茯苓各一銭、甘草灸五分、草果一、連皮を作末して水一椀に薑七片、棗と梅それぞれ七分を濃く煎じて二回に分けて服用する。


コメントを投稿