こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る30

2017年06月15日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二五、小便(六)



一二、淋疾の各種
淋疾は小便が粟粒のようで、小腹がつっぱり痛む。
淋疾の発生はみな腎虚に依って膀胱に熱があるところに起因する。
心腎に気が鬱すると蓄積が下にあって、膀胱が急し膏血が砂石と化して小便とともに流れ出
すが、出るか出ないかぐらいもれ出して止まらない症状がおき、ひどいのでその穴をふさぐ
と切るように痛む。
腎虚がひどくて淋疾になったのは、腎精を補い、小便を利するべきである。単用は利水剤だけ
ではいけない。
五淋とは膀胱の蓄熱である。
淋疾は小腹が脹る、寫腎湯を使う。

一三、淋疾の八種
一は労淋、二は血淋、三は熱淋、四は気淋、五は石淋、六は膏淋、七は沙淋、八は冷淋である。
<労林>
労苦、疲倦に依る虚損が甚だしいと、小便は不通になり小腹が痛い。
労傷、虚損すると発し、四物湯に知母・黄柏・琥珀を加えて使う。
酒色がすぎると膀胱の気を傷つき、虚損がつもると淋疾となるが補中承気湯を使って真気を補う。
情慾を強制し、排泄しないと淫精が滲下して洗疾となる場合があり、これには益元固真湯を使う

益元固真湯  情慾を無理に抑制して淫精を出さず、滲下して淋疾になったのを治す。
    処方 甘草梢二銭、山薬・沢寫各一銭半、人蔘・白茯苓・蓮芯・巴戟・升麻・
       益智仁・黄柏酒で炒ったもの各一銭を剉作して水で煎じて服用する。

<血淋>
小便が出ず小便が出ず、ときどき血が出ていたむ。
熱があると発し、はげしいと尿血し、ねつがこもって陰茎が痛む。
四物湯に知母・黄柏・沢寫・赤茯苓を加えて使う。色のきれいな症は心が小腸と同じように
弱った証で導赤散に甘草を抜いて、黒い黄苓を加えて使い、色が黒豆汁のようなものは腎と
膀胱の火で五淋散を使い、血淋には増味導赤散・金黄湯・小薊飲子を使い、死血で淋になった
症には牛膝膏が最も良い。

増味導赤散  血淋の渋痛を治す。
    処方 生乾地黄・木通・黄苓・車前子・梔子仁・川芎・赤芍薬・甘草各一銭、
       薑三片、竹葉一〇片、を入れ空腹時に服用する。

金黄湯    小便に出血があり、尿道が痛むときに使う。
    処方 鬱金・瞿麦・生乾地黄・車前子・滑石・芒硝各五銭を粗末にして毎五銭
       を水で煎じて空腹時に服用する。

小薊飲子   下焦は結熱した尿血と淋痛を治す。
    処方 生地黄二銭、小薊根・滑石・通草・蒲黄炒・藕節・竹葉・当帰・山梔仁
       ・甘草灸各七分を水で煎じて空腹時に服用する。

<熱淋>
小便が熱し色が赤く淋瀝で痛み、不快で臍の下が急に痛む。
暴淋は痛みがはげしく、小便は赤く淋瀝したときは八正散・導赤元・を使い、磁腎丸
一〇〇丸を導赤散に梔子を加えて煎じた水に空腹時に呑み下し、益元散二銭は木香・檳榔・
茴香各一銭を作末した物を加えて空腹時に白湯で点服する。

<気淋>
小便が渋く滞して何時も余瀝があって小腹が脹るのに沈香散・通秘散または益元散に木香・
檳榔・茴香を作末したものを加えて空腹時に白湯で点服する。
気虚によるものには八物湯に黄芪・虎杖根・黄苓・牛膝を加え煎じて服用する。

沈香散    気淋で小腹の脹ったときに使う。
    処方 葵子・赤芍薬各七銭、沈香・石韋・滑石・王不留行・当帰各五銭、陳皮
       ・青皮・木香・甘草各二銭半、を作末し毎二銭を空腹時の大麦煎じた湯
       で調服する。切って一両を煎じて服用する事を沈香散ちいう。

通秘散    気淋の痛みに耐えられない症を治す。
    処方 香附子・陳皮・赤茯苓を各等分に剉作して五銭を水で煎じて空腹時に服
       用する。

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