こだわりおやじの独り言

東洋医学とオステオパシーが通じる事柄は、貴方の健康への道しるべです
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東医宝鑑を観る37(大便2)

2017年07月28日 | 日記


東医宝鑑 内景篇(内科)四
二六、大便(二)

<風泄>
風邪が胃腸に入ると大便にならず下痢する。下痢しながら便に清血をおびる症には
胃風湯をつかう。  風邪が中で萎縮した症は桂枝麻黄湯を飲む。

<寒泄>                                   
身が重く腹が脹って切るように痛み、ゴロゴロと鳴って消化不良のときに理中湯に
赤茯苓・厚朴を加え、また治中湯に縮砂を加える。
寒泄を一名鵞溏というが、大便が水と同じである。附子温中湯、または平胃散に
理中を合わせて使う。
寒泄には四柱散・六柱散が良い。寒泄には朝夕に薬を飲まなくてはならぬ。

附子温中散  中寒・腹痛・下痢で水穀が消化されないとき使う。
    処方 附子炮・乾薑炮各一銭半、人蔘・白朮・白茯苓・白芍薬・甘草各一銭、
       厚朴・草豆蔲煨・陳皮各六部を水で煎じて空腹時に服用する。

四柱散    臓が冷え腹が痛く、下痢と耳鳴りがするときに使う。
    処方 木香・白茯苓・人蔘・附子炮各一銭二分半、薑三、棗二枚、塩を入れ、
       水で煎じて空腹時に服用する。

六柱散    元臓が冷え腹が痛み、下痢するときに使う。
    処方 四柱散本方に訶子・肉豆蔲を等分に加えたもので、水で煎じて服用する。

<暑泄>                                   
小便が赤く下痢は水のようなときに薷苓湯に白芍薬・車前子を加えまたは桂苓甘露飲を使う。
 夏にひどい水のような下痢をして、脈が弱いとき香薷散・異功散を合わせ白芍薬・車前子
を加え陳米炒100粒、鳥梅一、燈心一を入れて煎じて服用する。
暑泄には麹朮元・静六丸・通苓散・益元散・六和湯・清暑益気湯をつかう。

薷苓湯    夏の下痢で痢疾になろうとするときに使う。
    処方 沢寫一銭二分、猪苓・赤茯苓・白朮・香薷・黄連薑汁沙・白萹豆・厚朴
       製各一銭、甘草三分を水で煎じて服用する。

桂苓甘露飲  傷暑・煩渇・下痢又は霍乱・吐瀉を治す。
    処方 滑石二両、赤茯苓・沢寫・石膏・寒水石・甘草各一両、白朮・肉桂・
       猪苓各五銭を細末にして毎二銭を熱い湯か冷水で調服する。蜜か薑湯を少
       し入れるとなお良い。

麹朮元    傷暑暴泄を治す。
    処方 神麹炒・蒼朮製を各等分に作末し麺糊で梧子大に丸め空腹時に米飯で三
       〇~五〇丸呑み下す。

静六丸    湿熱下痢を治す。
    処方 益元散三両に紅麹半両を炒って加え作末し、陳米飯に梧子大に丸め空腹
       時に白湯で五〇~七〇丸呑み下す。

通苓散    暑熱下痢を治す。
    処方 沢寫・白朮・猪苓・木通・茵陳・瞿麦・車前子各一銭、を剉作して燈心
       一、麦門冬一〇を入れ煎じて服用する。

<火泄>                                   
即ち熱泄で、口が乾き冷たいものを好み、痛みと寫が交互に押しよせる。黄連香薷散に
四苓散を合わせて白芍薬・梔子炒を加えて使う。
腹が痛むか、痛みがひとしきりして止むと、こんどは下痢する症で便はつまったようで
血が下り、小便は赤く、煩渇して脈は多い。これには万病四苓散を使う。
腹痛で水を吐き、腸が鳴る症には四苓散に木通・滑石・黄苓・梔子を加えて使う。

万病四苓散  火泄を治す。

    処方 一銭、甘草灸五分、鳥梅一、燈心一を入れて煎じて服用する。

四苓散    即ち五苓散で肉桂一味を抜いたもの。