会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

米グルーポン、昨年度決算を修正―収入は半分に(WSJより)

米グルーポン、昨年度決算を修正―収入は半分に

IPOを準備中の米グルーポンが、昨年度の決算報告について収入を半分に修正したという記事。

「グルーポンは23日、SECと協議した結果、決算報告を修正すると発表。従来オンライン・クーポンの総額を収入としてきたが、その手数料だけを収入とするとしている。これまでは例えば、10ドルのレストラン商品券を販売した場合、一部をレストラン経営者に還付していても、全額を収入として計上していた。

 今回の修正により、昨年度の収入は7億1340万ドルから3億1290万ドルに減額される。・・・」

日本の過年度遡及修正基準的にいえば、(会計方針の適用の誤りではなく?)表示方法の誤りによる修正再表示ということになるのでしょう。

Accounting Change Cuts Groupon’s Revenue(NYT)

グルーポンは収益の報告方法に関する「誤謬の修正のため」過去3年間の財務成績を修正再表示しました。従来、あとでマーチャント・パートナーに支払われる金額も含めた顧客からの収入全額を収益としていましたが、修正後は、マーチャント・パートナーへの支払を除いた「純収益」を報告しています。

In its latest filing, Groupon says that it has restated its financial results for the last three years “to correct for an error” in the way it reported revenue. Before, the company reported as revenue all the money it collected from customers, including cash that was later paid out to Groupon’s merchant partners.

Now, Groupon is reporting what it calls “net revenues,” which exclude the retailer payouts.

グルーポンの会計上の変更は、グーグルが2004年の上場前に行った変更の逆方向のものです。グーグルは、当初、ディストリビューション・パートナーとの間で分配するキャッシュを除いた金額を収益としていましたが、その後、そのような支払を含めた金額を収益とするよう変更しました。

Groupon’s accounting change is the inverse of what Google did before its own public debut in 2004. The search giant initially excluded cash that was shared with distribution partners in its revenue figures. It later changed its revenue to include those payouts.

今回のグルーポンの修正再表示は、最終利益には影響しないものです。

The revenue restatements do not affect the company’s bottom line: Groupon still reported a $253.9 million loss attributable to common shareholders for the same time period. ・・・

(感想)たぶん、グロスかネットかというのは微妙な問題なのでしょう。グーグルの場合は、広告サービスを提供しているのはあくまでグーグルであって、パートナーには場所代を支払っているだけなのでグロス表示、グルーポンの場合は、商品やサービスを提供するのはマーチャント・パートナーであって、グルーポンはマーチャント・パートナーのために代金回収と販促活動をやっていると考えてネット表示というような理屈でしょうか。
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