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録音データが示す「AT1債」裁判の新たな展開 三菱UFJモルガンは商品性を理解していたのか(東洋経済より)

録音データが示す「AT1債」裁判の新たな展開 三菱UFJモルガンは商品性を理解していたのか

クレディ・スイスがUBSに買収される際に無価値になってしまったAT1債をめぐり、投資家が債券を販売した証券会社を訴えている裁判の解説記事。

「昨年3月に全額が毀損したクレディ・スイスのAT1債をめぐり、債券を販売した三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して、新たに14人の投資家が13億6588億円の損害賠償を求めて東京地裁に集団訴訟を起こした。

6月28日に提訴した今回の訴訟は、2023年8月と12月に続く第3弾となる。これで三菱UFJモルガンを訴えた原告の数は106人に上り、賠償請求金額は82億9974万円に拡大した。」

「三菱UFJモルガンの営業担当者が商品性を正しく理解することなくクレディ・スイスのAT1債を販売していた疑い」があるのだそうです。

「企業存続事由」という条項を知らなかったのではないかとのことです。

「クレディ・スイスのAT1債は、破綻前に元本が毀損するトリガーはこれだけではなく、「企業存続事由」も定められていた。具体的には、規制当局が発行者の破綻を防ぐために公的部門の特別支援が不可欠だと判断し、その支援を発行者が受け入れた際も元本が全額毀損する。

クレディ・スイスのAT1債は、この企業存続事由のトリガーがヒットして元本が全額毀損した訳だが、会話のやり取りからは、営業担当者がCET1比率のことしか認識していなかったこと

代理人の山崎弁護士によれば「企業存続事由について三菱UFJモルガンの営業から説明を受けたと話す原告は1人もいない」と言う。」

日本の銀行も似たような債券を発行しているそうです。しかし、トリガー回避できる公的支援の方法があり、公的支援によるモラルハザード抑制というAT1債の目的に反するのではないかということをいっています。実質的に、資本の代わりにはなっていないのでしょう。

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