長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

東野圭吾著【人魚の眠る家】

2018-04-07 21:10:52 | 本と雑誌

東野はんは何でこんなややこしいことを提議しはるんやろ、うちようわからしまへん…。
娘の小学校受験が終わったら離婚する。そう約束した仮面夫婦の二人、播磨和昌と薫子。
彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前だった。娘がプールで溺れた…。
病院に駆け付けた二人を待っていたのは残酷な現実。そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。
娘の瑞穂は植物人間状態、所謂脳死の状態と見られると宣告され、さらに臓器提供の意思があるかと問われる。
一度は臓器提供を受け入れようとしたが、しかし直前で翻意し夫婦が選んだのは、脳死であっても、瑞穂を生かし続けることだった…。
最新式の横隔膜ペースメーカーを埋め込み、瑞穂に人工呼吸ではなく、自発的呼吸をさせ在宅介護ができるようにした。
そして父親の和昌は、自ら経営する会社の社員でBMI(ブレーン・マシン・インタフェース)チームの中では特異な発想を持つ星野祐也を、娘の瑞穂の専従担当として任命する。
それから瑞穂の母親の薫子の狂気は始まるのだった…。
過酷な運命に苦悩する母親。
その愛と狂気は成就するのか…。
答えてください、娘を殺したのは私でしょうか。
愛する人を持つ、すべての人へ問う。
うちやっぱり、ようわからしまへん、究極の愛って、どんなもんどっしゃろと思うだけどす…。