平成26年 新指定 国宝・重要文化財
2014年4月22日~5月11日
東京国立博物館 本館8室・11室
おそらく毎年開催しているのだろうが、私が見るのはこれが2回目。
会場は、本館2階8室(ただし、仏像彫刻は本館1階11室)。
時代(縄文~昭和)も分野も所蔵者も全く異なり、お互いの関連性を見いだせない品々。
それら品々が、ただ1点、「平成26年に国宝・重要文化財に新指定」という突如沸いた共通項だけで、日本全国から東京上野の1室に集合する。
過去に、同じ部屋(または同じ企画展、同じ施設内)で同時に展示されたことはなかっただろうし、将来も、同じ年に国宝に新指定されるという偶然中の偶然がない限りは、ないだろう。
なんとも壮観な眺めである。
非常に楽しんだが、特に楽しんだのは、再見となる次の品々。
土偶(茅野市尖石縄文考古館)
縄文後期・前2000-前1000年
土偶の国宝指定は5件目らしい。
国宝や重要文化財に指定されるようなレベルの土偶というのは、何と美しいのだろう。
2009-10年開催「国宝土偶展」にて、深く感じた。
同展の作品番号1を担ったこの「仮面土偶」も、実にすばらしい。
その造形美にしばし酔う。
狩野山雪≪寒山拾得図≫
(京都・真正極楽寺)17世紀
大サイズの画面に、グロテスクな男二人。
2013年開催「狩野山楽・山雪」展以来の再見。
村上華岳≪裸婦図≫
(山種美術館)1920年
日本画に疎い私でも、山種美お馴染みの作品で、日本画で最大級のお気に入り作品。
「私はその眼に観音や観自在菩薩の清浄さを表わそうと努めると同時に、その乳房のふくらみにも同じ清浄さをもたせたいと願ったのである。それは肉であると同時に霊であるものの美しさ、髪にも口にも、まさに腕にも足にも、あらゆる諸徳を具えた調和の美しさを描こうとした、それが私の意味する『久遠の女性』である。」
山本芳翠≪裸婦≫
(岐阜県美術館)1880年頃
何度かお目にかかったが、今回は残念ながら岡山出張中のため、パネル展示。村上華岳と並ぶ様を見たかった。
隣の7室では、尾形光琳≪風神雷神図屏風≫が展示。
昭和15年に重要文化財(当時の国宝保存法に基づく国宝)に指定された作品である。