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ジョニーの子守唄 #2

~カメラとバイクと、ときどきオトン~

変身

2007年01月25日 | 
このところ本を紹介できてないです。年が明けてからなかなか読む気になれないんですよ。時間は年末に比べたら断然多いんだけどね。ちょっと読み疲れかな?

そんな訳で今回は薄い本を読んでみました。ページにして100ページほどです。1時間半もあれば読めるかな?間に休憩を挟んでも2時間あれば充分。

カフカの『変身』
読んだことのある人も沢山いると思う。かなりメジャーな本だもんね。私も読むのは2回目です。20歳の頃に1度読んだことがある。

あることがきっかけで、ちょっと読んでみようかなって気になりました。
裏表紙の解説にはこう書いてある。
「ある朝、目を覚ますと自分が巨大な毒虫に変わっているのを発見する男グレゴール・ザムザの物語は、異常な事件それ自体よりも事件をごくありふれた日常茶飯事のように語る冷静な報告書の文体によって読む者に激しい衝撃を与える。第一次世界大戦後のドイツの精神的危機、破局の意識から来る絶叫、忘我、新しきものの待望などを変身した男に託して描き、現代実存主義文学の先駆をなす傑作。」

なるほど、この文を読む限り何やらおもしろそうな作品に違いないと感じる。おそらく20歳の時の自分もそう感じたんだろう。
記憶は曖昧だけど、当時はコレを読んだ後の感想は、『何が言いたいんか、よ~解らんなぁ。』だったと思う。
しかし、時を経て少しは読解力もついたんじゃないか?年齢が違えば感じ方も違うんじゃないか?そう思って読んでみました…

結論から言うと『やっぱりよく解らんかった…』です。
解説の通り、精神的危機、破局の意識から来る絶叫、忘我、新しきものの待望、etc…
そんなの微塵も感じなかったよ~。私の読解力が劣っているからかな?
否、これを読んでそう感じる人のほうがおかしいよ。凡人じゃないよ。
精神的危機を書いてるから、そうじゃない人は解らないと言われればそれまでだけど、これを傑作と呼べるかはかなり疑問です。

私個人的には、「引き篭もりを社会的に見て異形な人、つまりここで言う『毒虫』に見立てて書いている。そしてその『毒虫』の精神的苦悩を描き綴ってる『手記』のようなもの。混迷する21世紀社会に合致した内容」と感じました。
反論もあるとは思うけど、本なんて個人々々で認識の仕方は違うものなので、それが正解ってのはないんだろうけど、私と同じように感じた人も居るはず。

裏表紙の解説がなければ、意外と現代の社会問題を描写した秀作なのかもしれない。
これから読む人がいれば、裏表紙を否定しながら読んでみるといいかもね。


話は変わるけど、私が買ったこの本の定価は140円になってます。昭和55年の発刊。これを古本屋で100円で買いました。全然安くなってないけど、今新品を買うと400円ほどします。
本の物価は確実に右肩上がりです。所得は横ばいなのに、この傾向は非常に辛いですね。本好きな人は古本屋を活用しないと、いくらお金があっても足りないよね。