のんびり茶屋

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自分の作品鑑賞眼に自信がなくなってきた

2018-08-10 22:30:07 | 紹介・感想・レヴュー

●自分の作品鑑賞眼に自信がなくなってきた。

昔みたいに「面白かった」「つまらなかった」
と言い切るのがなんていうか怖くなった。
自分の鑑賞眼がフシアナになったのか、
元々フシアナだったのにやっと気づいたのか、
どちらかはわからない。

●そんなフシアナっぽいここ数年の作品鑑賞眼。
目安になるかはわかりませんが、最近観たものを紹介します。

●盗作疑惑と内容が薄いとの評価で世間でとっても不評とされる(一例はこちら)
(上記記事は本文が削除されてしまったので補足や削除前の魚拓URLがあるはてブはこちら)

『回復術士のやり直し』を第9話-2まで読んでみたのだけど

読んで思ったのは
「こういうのウケる層は多そう。
スピード感が最重要と感じた。
結末どうするかは気になる。
他人には勧めない。」位です。

●次は大好評の例として
平日休みの日なら…と観に行こうと思うもすべて予約で満席
(厳密には「残席わずか」が一コマだけあるも行けない時間だった)な
映画『カメラを止めるな!』を観てきました。

感想こんな感じ
1ツイートで感想書ききれた。

強いて付け加えるなら最後の成長描写は良かった。
あれなかったら評価大分落ちてる。

●そんな私が今普通に面白いと思っているのは
中村博文『パンプアップ』
物語の運び方、ちょっとしたキャラクターのしぐさや台詞、
作品全てが優しくて観ていてじんわりと安心してしまう、そんな漫画。
多分次回で最終回。

●…と、こんな自分の鑑賞眼ですが、
自信を失った切っ掛けは
森下裕美『大阪ハムレット』の『サリバン先生』。
(Webで前編のみ読めます。後半は単行本5巻にて)

読んでて揺さぶられるけど
これを良いと言い切っていいのかわからなくて
なんていうか、悩んだんです。

この時はしばらく悩んだ末に
Twitterにて思いを吐き出している

●次に同じ感覚になったのは、
S.SHIMIZU『ヨゾラノ星』

これは『サリバン先生』の比じゃなく揺さぶられた。
しばらくたっても頭から作品が抜けない。
…いや、いつまでたっても頭から作品が抜けない。
そしてこの作品への思いを吐きだそうにも

適切な語彙を選べない自分がいる。

このシーンはあのシーンとかけてるな、とか
キャラの立ち位置(物理的にも構成的にも)考えてるなー、とか
相当調べて描いてるよね、とか、
色々思うところはあるんだけど
そういうのをピックアップして語る事が
なんていうか違うだろって感じてしまう。

●んで、この作者さん
毎年8月6日に原爆に関する作品を
アップロードしているようで
『ヨゾラノ星』以外の作品も追いかけていくと、

『暗闇を逃れて』
未完に終わった『はだしのゲン 第二部 東京編』が描こうとしていた
被爆者差別の話じゃないかと思えたんです。

中沢啓治が東京編の執筆をあきらめた時に
ゲンの続きはみんなが考えて欲しい、
という旨のコメントを残した、って記憶があって
まさに此処に形になったそれがある、と思ったのです。

そこまで思うと『ヨゾラノ星』って
『はだしのゲン』の別作者アプローチ…みたいな感じ??って気がしてきて、
(作者さん『はだしのゲン』のイラストも描いてた記憶がある。)
例えにならないかもだけど
フジファブリック聴いてるとユニコーンを感じるような感覚で。

●トラウママンガの代表格にされがちな『はだしのゲン』ですが
私は違和感なく普通に読めるタイプで、
初めて読んだ時、子ども心に
これは自分が今夢中で読んでいる連載中の漫画達より前の世代の漫画……
…いわゆる「古典」と認識する事で
距離を置いて読むことができた、
という部分が大きかったと思っていて、

ゆえに作画もネームもプロットも
現代寄りの『ヨゾラノ星』では
『はだしのゲン』ではかわせていたボディーブローを
マトモに喰らったという事なのかもしれない、
と理解するようになってきました。

●と、頭の中が整理しきれてはいないものの
心の中で私はこの作品を読んだ、という事を
S.SHIMIZU様へのエールという形で
Webに書き残したいという気持ちがあるのは自覚できまして、
作者がなんらかのアクションを起こす可能性のある8月6日までに
私はこの作品を読んだよ、というブログ記事が書きたかったのです。

●…と、うだうだと文を推敲したりしていたら
今年の8月6日に『ヨゾラノ星2』が始まったんです。
前述したように8月6日に作者からなんらかのアクションはあると思っていたので
それまでにこの記事を書き上げたかったのですが
(それでもまさか続編とは思っていなかったので驚いたのなんのって。)
実はワタクシ今11年振りに演劇脚本を書いてまして
そっち書くの優先してたら乗り遅れてしまいました。

なのにうっかり『ヨゾラノ星2』の1話を読んじゃったもんだから
またずっと頭の中でぐるぐるぐるぐる回り続けるの。
脚本書く時に頭から切り離せなくて大変でした。

●長々とと書きましたが
結論としては『ヨゾラノ星2』を見守っていきたいな、という話でした。
完結した暁には前作ともども紙でも電子でも書籍化して欲しい。買います。

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●蛇足。
自分の語彙が喪失している件、
2年前に書いた『爆Tech!爆丸』の感想が大概ひどかったのを思い出した。
語彙なんてそもそも持ち合わせてないっぽい。


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