大野課長の記事によると、日本のマイル・ポイントは今バブルのピーク期らしいが10年ちょっと前の米系FFP/FSPは現在基準からすると想定の範囲外と言って良いほどのバブルであった。特にヒルトン/UAのこのキャンペーンは(Edy永久機関のような労力を伴う脱法的な裏技を除けば)至上最強であったと思う。
まず当時の状況をまとめてみると
UA1マイル→HHonors2ポイントで自由に交換可能。
但しHHonorsは米系ヒルトンのみのプログラム。
コード名ALONで知られる、ハワイのヒルトン6泊ステイ(ワイキキ、当時ヒルトン系であったタートルベイ、丁度センチュリーハイアットからヒルトンに移ったヒルトンワイコロアビレッジ)がどこでも10万ポイントで可能(但しSilver VIP以上の特典。現在も同制度はあるが17.5万ポイント必要)
であった。従って、比較的集めやすいUAマイルがわずか5万マイルでハワイに1週間ステイ出来たのである。(Premier Executiveなら米国2往復で5万マイルが可能)。
この条件でも十二分においしかったのだが96年後期に登場した写真の期間限定オファーはUA Premier以上の会員限定ではあったが、UA→ヒルトンの換算率を「倍」、即ちUA1マイルをHH 4ポイントに交換可能という物であった。UA2.5万マイルでHH10万ポイントになるので、Premier Executive以上の会員であれば
UA格安航空券でアメリカ1往復する毎にハワイのヒルトンに1週間無料ご招待
と、まさに夢のようなキャンペーンであった。
キャンペーンに応募するにはUAのPremier Deskに電話する必要があったのだが「本当に何マイルでもいいんですか?」と聞いたら「幾らでもどうぞ」と言われたので、「じゃあ10万マイル程」ということで一気にHH40万ポイント持ちの大富豪(笑)になってしまったことを思い出した。
当時はWEBもそれほど普及していなかったので、このようなキャンペーン情報は航空会社から送られてくる郵便物を真面目にチェック(しかも英文のオファーが多い)する必要があったのと、ネットでおいしい情報が拡散する範囲も限定的であったので日本ではほとんど祭りにならなかったが、今同様のキャンペーンをやったらあっという間に中止に追い込まれる程の、ちょっと信じられない換算率設定であった。
その後貯めたHHポイントを利用してワイコロアには数回泊まったし、そうこうするうちにHHが米系ヒルトンと米国外ヒルトン(ヒルトンインターナショナル)の統合FSPになったので、溜まったHHポイントを利用して国内のヒルトンにも利用できるようになったのも力強かった。
統合当初はHHのPoint Stretcher(閑散期に少ないポイントで泊まれる制度)も東京ベイヒルトンに適用されており、確か2.5万ポイントで東京ベイヒルトンに週末2泊出来たので(2000年のHHガイドブックによると3.3万ポイントになっているがこれはちょっとした改悪があった以降のことだと思う)、Point Strecher期間になる度にベイヒルトンに泊まっていたことも思い出した。(しかも有料宿泊者がフロントでチェックインしている傍らで、HH専用デスクに座りながら悠然とチェックイン出来たのは、「こっちはUAの格安切符の片道分のマイルで2泊してるんだけど。。。」なんだか非常に申し訳ない気分になったものである)。
Hilton HHonorsは数年前に突然大改悪が行われてUA→HHへの道が閉ざされただけでなく、1泊に必要なポイント数も7割増し程度になったので、無料宿泊という意味では極めて凡庸なプログラムになってしまったのでちょっと残念である。