原っぱ夕景

最近いろんな事が妙に懐かしくなった昭和生まれのおっさんの埒もない独り言にお付き合い下さい。

暗闇でドキドキ その5 怖い映画が苦手な理由

2022-03-24 18:51:00 | 日記
まいど!にゃんこふです。

ここで映画の話をしてて、ふと思いました。今まで私は何本の映画を観てきたのだろう…と。例えば21歳の年。この年は157本だった事を憶えています。なぜ憶えてるかと言うと、実はこの頃日記ぽい物を書いてまして(笑)
まだ家庭用のビデオは普及しておらず、テレビでの視聴は含みません。
つまり、157本すべて映画館で観た本数です。週末や講義のない日はとにかく映画館にいました。

特にジャンルには拘ってませんでしたが、恐怖系や残酷系は基本NGでした。だって、とにかく怖いのも痛そうなのも苦手なのです。

トラウマとまではいきませんが、テレビで観たとある1本がその原因となっている気がします。
タイトルを忘れてましたが、主演がダナ・アンドリュースという男優さんだった事は憶えていたので、wikiや色んな映画サイトで調べてみました。
ありました!「怪奇!呪いの生体実験」がその作品。1967年製作のイギリスとアメリカの作品でした。

作品解説によると元ナチスの科学者が終戦間近に冷凍保存したナチスの兵士達を蘇生させようとしていますが、ことごとく失敗。
そして、そこから始まるこの科学者の暴走と一人の女性に降りかかる残酷な運命…とまあ、こんな感じのお話です。

正直言って元ナチスの科学者とか冷凍人間の蘇生なんて部分は、全く憶えてません。
上記の公開時ポスターにも私の記憶している要素は皆無です…原題にしても「The Frozen Dead」?…凍死?って…なに?。

とにかく強烈に脳裏に刻まれているのは、壁から生えた(?)無数の腕がじたばた動くシーンと、あの…ラストシーン。
おぼろげに憶えているストーリーは、冷凍人間蘇生の為に新鮮な脳が必要だと考えた科学者。その為に助手が一人の女性を拉致して殺害、彼女を人体実験に使います。
必要なのは新鮮な「脳」であり、その為に彼女の頭部だけを生かして実験を開始する科学者。
しかし、自分の姿に絶望した彼女の壮絶な復讐により科学者は死亡。そこへ彼女の失踪を捜査していた刑事達が踏み込んで来るのですが、そこで彼らが見たものは頭部だけになり、コードとチューブで機械に繋がれ、変わり果てた彼女の異様な姿でした。
そしてラストシーン。彼女は刑事達に言うのです…
「私を…埋めて…」と。
彼女は自分の死を望み、自分を見つめる刑事達にそう哀願するのでした。

その画面のおぞましさ、そして彼女の声音の恐ろしかった事。多分今観ればSFXや特殊メイクも時代を感じさせる物だとは思います。現代風にカテゴライズすればB級ホラーになっちゃうんでしょうね。
でも、当時の私にとっては充分過ぎる恐怖を与えてくれたのです。
カラー作品ですが、私にはモノクロの印象が強いです。家はまだ白黒テレビだったからでしょうね。

でも、どうして怖いのに最後まで観ちゃったんだろう…考えますに、それは多分あのラストシーンが一番怖かったという事なんでしょうね。円盤化もされてるのでご興味ある方は、是非ヒヒヒヒヒヒ…(笑)

あ、ラストシーンが怖かった映画がもう一本ありました。作品名は「蝿男の恐怖」。
1950年代SF映画の傑作とする人も多い1958年製作のアメリカ映画ですね。

プレス機に挟まれた死体が発見された事を発端に物語は始まります。事件に至る経緯の解明が主だったストーリー。
物質電送機、実験中紛れ込む一匹の蝿、誕生する蝿男と人間バエ…。
この主役とも言える蝿男が良いのですよ。ただの異形と化したモンスターではなく、知性を持ち哀しみに満ちています。
元の姿に戻る事ができないと知った蝿男は自らプレス機に入り、愛する妻に始動スイッチを押すよう懇願します。
蝿男は言葉を発する事ができませんが、その事が物語に更なる悲劇性を加えます。

映画としてもなかなか良い作品なので、ぜひ一度チェックしてみて下さい。
あ、怖かったラストシーンの事忘れてた。
研究室から逃げ出した人間バエが蜘蛛の巣に囚われ、人への言葉で助けを求めています。事件にの捜査に来ていた刑事がそれを見つけますが、あえなく蜘蛛に捕食される人間バエ。刑事は傍らの石を持ち上げ、蜘蛛の巣に投げ落とします…。
映画はここで終わるのですが、顔と髪が白く恐怖に顔を歪める人間バエの助けを求める甲高い声が、もう怖くて怖くて。庭の隅に蜘蛛の巣を見つけても直視できませんでしたね。

後年クローネンバーグ監督でリメイクされましたが、どちらかと言うとSFXの進化のせいもあって、かなりグロい作品になってましたが、こちらも人気は高いようです。
意見が分かれる所でしょうが、個人的には圧倒的に旧作に一票です。

長くなりましたが、書いたお陰で妙にスッキリしました。でも、苦手は苦手。これから先もあまり積極的に観る事はないでしょうね(笑)