原っぱ夕景

最近いろんな事が妙に懐かしくなった昭和生まれのおっさんの埒もない独り言にお付き合い下さい。

暗闇でドキドキ その⑩ THE ROCKY HORROR PICTURE SHOW

2022-05-26 19:48:29 | 日記
まいど!にゃんこふです。
念願の、もう本当に待ちに待った「ロッキーホラーショー」のサントラ盤をゲットした私。その夜は、もう一晩中聴きまくりました。さすがに夜、しかも壁も薄い安アパートですからね、ヘッドホンして聴いてました。おかげで耳が痛くて痛くて…。

我に返った時には、もう夜が明けてましたが、とりあえず1本だけカセットテープにダビングできました。
自主休講する訳にもいかないので、目覚まし2台にして服着たまま仮眠。

虎の子はたいていて買ったウォークマン(初代です!確か3万ちょっとしました)に「ロッキーホラーショー」のカセットぶち込んで、聴きながら大学のあるお茶の水へと向かいました。
この頃のウォークマンのヘッドホンって音漏れ酷くて、一時期はちょっとした社会問題にもなりましたね。
だからボリュームはちょっと抑えめです。ただ音量下げると電車の走行音に負けちゃうんです、だから最終的にはシャカシャカ音漏れ全開で聴く事になってしまうのです(笑)

講義が終わった後、いつものように友人達と近くのサ店へ。
「ロッキーホラーショー」を一緒に観た友人たちにサントラ盤ゲットを報告しました。一緒に行った友人達は大騒ぎして喜んでくれましたが、この映画を知らない友人達は「?」って感じで、ほぼ無反応でした。
そう、この「ロッキーホラーショー」って映画、本当に好き嫌いがハッキリ分かれちゃう映画なんですよね。
まあ、映画に限らず音楽やマンガ等、いわゆるエンタメの世界は「好き」と「嫌い」の両極によって成り立ってるんじゃないかと、にゃんこふは愚考する訳です。
でも、この映画に関しては好き嫌いが本当に顕著なんです。

「ロッキーホラーショー」が完成した1977年、20世紀FOXは映画評論家やメディアの関係者を招いて、けっこう盛大な試写会を開催したそうです。が!!
映画開始後30分も経たないうちに半数近い人が試写会場から出て行ったという話が残っています。
そして、公開後の興行成績はアメリカでも日本でも散々な結果となってしまったのです。

映画「ロッキーホラーショー」は、この時点では失敗作、もしくはただのB級映画として終わる運命にありました。
しかし、公開から1年後一人の男の登場により、現在の「キング・オブ・カルトムービー」への道が始まったのです。

男の名はサル・ピロ。いつも思うのですが、変な名前ですね〜。
まあ、サル・ミネオなんて俳優さんもいらっしゃいましたので、向こうではそこまで変という事でもないのかも知れません。
あ、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、サル・ミネオさんは「理由なき反抗」でジェームズ・ディーンの友人役で出演されてた俳優さんです。確かオスカーは逃しましたが、助演男優賞にもノミネートされてました。

話を戻しましょう。このサル・ピロ氏、元はニュージャージーのとある高校で教師をやってました。ある日NYのウェイバリー・シアターで週末行われていたレイトショーで「ロッキーホラーショー」を観て、すっかり魅せられてしまったのです。

▲右側の白いキャミソール姿のヘンタイ…
いえ、男性がサル・ピロ氏です(笑)

その後20世紀FOX公認のファンクラブを立ち上げたサル・ピロ氏。やがて彼の周りには熱狂的な「ロッキーホラーショー」ファン達が集まりました。
今や伝説ともなったNY8丁目の映画館81st.PLAY HOUSEはファンクラブの拠点となり、「ロッキーホラーショー」の聖地とも呼ばれるようになったのです。

毎週末行われるレイトショーでの上映前の客いじりや上映中のツッコミなど、現在見られる観客参加型映画「ロッキーホラーショー」の原点がこの81st.PLAY HOUSEにあったのです。
ちょっと想像できないという方は、青春映画の名作「フェーム」で、その様子を見る事ができますので、ぜひ。
実はこの「フェーム」こそ日本の「ロッキーホラーショー」の観客に大きな変化をもたらした作品と言われています。
そうそう、「コールドケース」という海外ドラマのシーズン4のエピソードでも「ロッキーホラーショー」が取り上げられていますので、こちらもぜひ(笑)

▲上映中のスクリーン前でのパフォーマンス
 不思議と邪魔に感じないのです。

ちなみにサル・ピロ氏、1988年渋谷のシネマライズでのリバイバル上映の際、ファンクラブのメンバーを率いて来日し、上映前のプレショーやバージン・サクリファイス(客いじり)など、本場のパフォーマンスを見せてくれました。私?もちろん行きましたよ〜!
実はこの時の館内の様子が某写真週刊誌に掲載されまして、私しっかり写ってました(笑)

さて次回は「ロッキーホラーショー」を語る時に忘れてはいけないもう一本のカルトムービー・・・そう、あの映画の事(笑)

to be continued 

暗闇でドキドキ その⑨ THE ROCKY HORROR PICTURE SHOW

2022-05-15 21:16:00 | 日記
まいど!にゃんこふです。

さ〜て、いよいよ念願の「ロッキーホラーショー」のサントラ盤の入手が間近となりました。
と、その前にちょいと訂正を。
今まで記事のタイトル並びに記事中において「ロッキーホラーショー」の英語表記を「The Rocky Horror Picture Show」と小文字混じりにしてきましたが、本来は「THE ROCKY HORROR PICTURE SHOW」と大文字での表記でした。何度も繰り返して観てきたのになんで間違ったのかな。いや〜思い込みって怖いな〜。

渋谷の「SUMIYA(すみや)」で「ロッキーホラーショー」のサントラ盤の取り寄せを依頼してからは、毎日毎日郵便受けをドキドキしながらチェックするのが日課となりました。こんなに郵便受けが気になったのって、中学生の頃に文通してた時以来でしたね(笑)

文通とかペンフレンドなんて、もはや死語ですが、文通ってみんな普通にやってたんですよ。今のメールやツイッター、LINEみたいな位置付けかな。
時間はかかりますが、知らない土地の知らない異性と交流する手段なんて文通しかなかったですから。
相手の情報源は、雑誌の文通欄(!)のコーナー。趣味や好きなタレント、スポーツ、作家などなど、色んなカテゴリーから選ぶ事ができました。

私の場合、「中一コース」か「中一時代」だったと思います。
もちろん、こちらから文通希望の手紙を書いても断られたり、返信がなかったりする事も多いんですが、上手くいくと楽しい文通ライフが始まります。

私は、今でもそうなんですが、字が下手っぴいなんです。文章書くのは得意な方だったので、手紙を書く事は苦にはならなかったんですが、字がね…。
断られたパターンは字が原因だったかも知れません。
まだワープロなんか影も形もない時代でしたからね。一通の手紙を書くにも時間をかけて丁寧に書いたもんです。でも、字の下手さは特に改善もされませんでした(笑)

使用する便箋や封筒も気を使いました。
茶封筒に縦書きの普通の便箋じゃ、なんかカッコ悪いと思ったんでしょうね。
それで当時出始めてたキャラクターもの…スヌー○ーとかミッ○ーとか考えたんですが、買うのが恥ずかしくて。
それに友達にそんなモノ買ってる所見られたら、何を言われるか分かりませんからね。

おっと、また脱線しちまったぜ!と言う訳で話を戻します。

待望のハガキが届いたのは、あの日から3週間ほど経った頃でした。
その日もアパートに帰ってまず郵便受けをチェック。
すると中に1枚のハガキが!
裏を見ると紺色のスタンプで「SUMIYA」のロゴが押されています。そして、その上には手書きの文字で…

「ロッキーホラーショー サウンドトラックLPレコード入荷しました」

私は部屋に入る事なく、渋谷へと向かいました。

当時の私は杉並区阿佐ヶ谷という所に住んでいたのですが、中央線から山手線に乗り継いで大体1時間位で渋谷駅に到着しました。
嬉しくて半ば走ってた気がしますが、転ぶ事もなく無事「SUMIYA(すみや)」にたどり着きました。
店内に飛び込みレジへ直行して、勝ち誇ったかのように(なぜ?)ハガキを店員さんに突き出しました。
「こ、これ届いたんですけど!」
店員さんはハガキをチラッと見て後ろの棚をごそごそ、1枚のレコード取り出しました。
「はい、これですね」
店員さんの手には、私が夢にまで見たレコードが!!!
って、実はこのジャケットは初見でした(笑

会計を済ませてレコードを受け取り、店の外に出るとすっかり暗くなってました。
でも渋谷の街を彩り始めた照明、とりわけ逆三角形のKENWOODの黄色いネオンサインが私を祝福してくれる様に輝いていました(うん、たぶん気のせいだね 笑)

そして私は来た時の倍のスピード(うん、これも気のせいだね 笑)で阿佐ヶ谷のアパートへと急いだのです。
とにもかくにも無事アパートへと帰り着いた私。
当時私が住んでいたのは、四畳半一間、トイレ共同、もちろん風呂なし、でも一応南向きの角部屋。
部屋にあるのは机と本棚(一応学生ですので)、そして工学部の友人が格安で組んでくれたコンポのステレオ。
部屋に入って机の上に「SUMIYA(すみや)」の袋を置いて深呼吸をひとつ。時計を見ると8時ちょっと過ぎ、すぐレコード聴きたいけどお腹も減ってるし、銭湯にも行って汗も流したい…
よし、ここまで待ったんだから後1時間位どうって事ない!まずは飯食って、銭湯に行こうっと。
さっぱりして銭湯から戻り、ちゃぶ台(食卓です)の前に座って買ってきた缶コーヒーで一服しました。
さていよいよレコードを袋から取り出す「開封の儀」。

赤地に映画のキャラクター達がコラージュ風にレイアウトされたジャケット。
輸入盤らしく全体がぴっちりビニールでパックされています。慎重に封を切ってレコードを取り出すと、なんともチープな作りでした。
普通LPレコードって二つ折のジャケットで、ライナーノートとか歌詞の冊子みたいなのが入ってて、レコーディング中のアーティスト写真なんかが内側にたくさん掲載されてるって感じなんですよね。
でも、この「ロッキーホラーショー」のレコードは違いました。まずジャケットは二つ折のじゃなくて、袋状になってて中にレコードが入ってます。せめて歌詞カード位入ってて欲しかったのですが、それもなし。
代わりに入ってたのは、この映画にコロンビアという役で出演してるリトル・ネルさんのレコード宣伝の安っぽいチラシが1枚だけ…。

でも、もうそんな事はどうでもいい!とにかく早く聴かねばああああ!

to be continued 

暗闇でドキドキ その⑧ The Rocky Horror Picture Show

2022-05-08 20:54:38 | 日記
まいど!にゃんこふです。


やった!
とうとう探し求めていた「ロッキーホラーショー」のレコードを見つけました。
…見つけたのですが…
ここでちょいとした問題が発覚したのです。
いえ、問題って言うと語弊があるかも知れません。
どちらかと言うと「ロッキーホラーショー」に対する私の知識不足に起因するものだったのですが…。

私が渋谷の「SUMIYA(すみや)」で見つけたレコードは間違いなく「THE ROCKY HORROR SHOW」のレコードでした。ただし「Original Roxy Cast」というモノ。

実はこれを見つけたすぐ後で、もう1枚の異なる「THE ROCKY HORROR SHOW」のレコードを見つけたのです。
最初の1枚とは全く異なるかなりポップなデザインのジャケットで、こちらには「ORIGINAL LONDON CAST」と言う表記があります。

最初は頭の中に「?」が大量発生し、かなり混乱してしまいました。
今だったらスマホでググれば、難なく解決する話なんですけどね。当時は、この2枚を前に真剣に考えこんでしまいました。

で、考えた末に出た結論。
私が観たあの映画、元は舞台で上演されてた作品なのではないのだろうか?
「ORIGINAL LONDON CAST」とあるのは、英国ロンドンで上演された際のキャストによるレコーディング盤。
「Original Roxy Cast」は、う〜ん「Roxy」ってなんだろ?
でも、まあ上演された地名もしくは、劇場の名前であろうと結論づけました。

後にこれは正解だったと分かるのですが、そうなると映画のサントラ盤の存在がますます気になってくる訳です。
ここで気を取り直して、再度ミュージカルのラックでの捜索を再開しました。
が…残念ながら、サントラ盤を見つける事はできませんでした。

取り敢えず見つけたこの2枚を購入する事も考えましたが、やはりここは初志貫徹。まずは映画のサントラ盤のゲットを目指す事にしました。そして2枚のレコードをラックの人目に触れない隅っこに戻し(笑)レジへと向かいました。

レジでは男の店員さんが何やら書類に目を通していましたが、私に気付き顔を上げました。

「いらっしゃいませ」
「あ、あの、ロッキーホラーショーのレコードってありますか?」
「あれ?ラックにありませんでしたか?」
「あ、あの舞台版じゃなくて、映画の方なんですが…」
「ああサントラ盤ですね。う〜ん、今は在庫切れですが、お取り寄せできますよ」

そう言ってにっこり笑う店員さんには、後光が差していました(笑)

「お、お願いします」
「大体2週間から1ヵ月程で入荷すると思いますが、よろしいですか」
「あ、は、はい。大丈夫です、待ってます」

入荷したらハガキで連絡してもらう事にして店を出ました。
まだ現物を手にしてはいないものの、嬉しさのあまり口元が緩んでしまいます。

この日はレコード探し以外に目的もなかったので、渋谷の街をぶらぶらして帰る事にしました。
青山界隈とは違って、普段から買い物や映画を観によく来てたので緊張する事もありません。地理的な事からすれば新宿の方が断然近くて便利なのですが、ちょっと苦手だったんです新宿。

まだ109もハンズも文化村もなかったんじゃないかな…とりあえずハチ公口から三千里薬局を右手に見つつスクランブル交差点を渡ってセンター街へ。平日なのに人でごった返す通りを抜けて西武百貨店のある井の頭通りに出ます。ここにも小さい映画館が2軒ありました。西武の地下1階の雑貨屋さんと本屋を覗いて地上に出て、今度は井の頭通りを宇田川町方面へ。

少し歩くと右手に細い坂道があります。坂と言っても道は階段状だったような。
そう、ここがスペイン坂。なんでもスペイン風の内装やメニューで有名だった喫茶店(レストラン?)があった事が、その名の由来だとか。当時はまだあったのかな?ちょっと記憶にありません。
小さな間口の雑貨屋さんとかカジュアル系の服屋さんが両サイドに並んでたのは、なんとなく憶えてます。
そこにあった「大中」って言う中華雑貨屋さんで、なぜかカンフーシューズ(笑)を衝動買いした記憶があります。もっとも購入後は一度も履きませんでしたが(笑)

そうだ!当時のスペイン坂と言えば、ラブホテルですね(笑)。
坂を上りきった左手にありました。PARCO目の前ですよ、すごいですね。
というか、宇田川町界隈は元々その手のホテルや旅館が多い土地柄だったそうで、若者の街なんて呼ばれる前は、間違いなく大人の街であったようです。

PARCOと言えば、私バイトしてた事があるんですよ。
と言ってもファッション関係じゃなく、当時テナントして入ってた甘味処。調理と接客やってました。
土地柄か芸能人の方の来店も多く、当時人気の女性アイドルにみつ豆作ってお出しした事もあります。名前は出しませんが、うん、めちゃくちゃ可愛いかったです。良い匂いもしたし(笑)

PARCO横を抜けて公園通りへ。左に行けば渋谷公会堂やNHKのある代々木方面へ、右に行けば渋谷駅方面に戻ります。

途中、山手教会があり、その地下には伝説のライブハウス(小劇場)「ジャンジャン」が営業してました。
当時ロングランで上演してた「授業」っていう芝居を観た事があるのですが「不条理劇」なんて言われる通り、私には難解すぎてよくわかんなかったです。
でも、定期的にやってた某バンドのライブには良く行きましたね。エレキの音をあんな間近に聴いたのは初めてでした。だって「ジャンジャン」って本当に小さい小屋なんです。キャパシティは100人位だったでしょうか。お古い所ではよしだたくろう氏のライブ盤の舞台がここでしたね。

昔を思い出しながら色々書いてるうちに渋谷に行きたくなってしまいましたが、この歳になるとなかなか難しいですね。
まあ、若い頃の記憶をネットでググった情報で補完しながら一人楽しむ事にしましょう。

ようやく念願のサントラ盤を入手できる運びになりましたが、またまた話が脱線してしまいました。

という訳で、次回「サントラ盤ゲットだぜ」編でキミと握手!ってなんだこれ?(笑)

to be continued 



暗闇でドキドキ その⑦ The Rocky Horror Picture Show

2022-05-05 17:52:42 | 日記
まいど!にゃんこふです。

青山の小洒落た輸入雑貨のお店の中、
目を血走らせて壁を指差す男と怯えるように立ち竦む女性店員さん…。

てな訳で前回の続きです(笑)
情報誌「ぴあ」で得た情報で訪れた青山の輸入雑貨のお店で、念願の「ロッキーホラーショー」のレコードを見つけた私。

「そ、そのレコード下さいいぃっ!」

その時の店員さんの表情、今でも憶えてます。あの時は驚かせて本当に申し訳ありませんでした。
私の指差す壁を首だけ捻じ曲げるように見る店員さん。私の方に向き直ると、ようやく営業スマイル(ややひきつってはいましたが)を浮かべ、言いました。

「申し訳ありません、店内のレコードやポスターは全てディスプレイ用で売り物ではないんですよ」

もちろん私は食い下がりました。あの連日のレコード店通いを脳裏をよぎります。

「そ、そこをなんとか」
「ごめんなさい」

失意のうちに店を出る私。
私の記憶にはレコードのジャケットが鮮明に残っていました。しかし、同時にわずかな違和感を感じていたのです。
その時は違和感の理由がなんなのか分かりませんでしたが、取り敢えず気を取り直して、もうひとつの情報にあった渋谷東邦生命ビルの「SUMIYA(すみや)」へ向かう事にしました。

あ、そうだ!前回の投稿で「青山の鈴丹」と書いてましたが、あれ「青山ベルコモンズ」でした。

地下鉄で渋谷へ。
今はなんだか凄い事になってるみたいですね〜。
当時ももちろん「NOWなヤング」の街でした。
道玄坂方面には雑居ビルが並び、映画館もたくさんありましたね。
でも、目指す東邦生命ビルは反対側の宮益坂の方。
こちらも商業地区ではありますが、オフィスビルが多かったような気がします。
こちら側には東急文化会館があり、パンテオンはじめ映画館も複数入ってました。
そうそう、ここの屋上にはプラネタリウムもありましたね。なんでも創業時の計画では、屋上水族館なんて話もあったそうです。

現在は「渋谷ヒカリエ」っていうすんごいビルが建ってるそうで、もう私の知ってる渋谷駅周辺とは完全に様変わりしてるようですね。

おっと、東邦生命ビルへ行かなくちゃ。
でも、ここも名前が変わってるんですね。「渋谷クロスタワー」おお、なんかカッコいいぞ。
さて、気を取り直して本題へ。
2階だったか3階だったか曖昧なんですが、外に面したわかりやすい場所に「SUMIYA(すみや)」はありました。

「あった、ここだ」

なんか普通のレコード屋と違い、えらくシンプルな店構え。
店内に入ると、目に付いたのは壁に貼られた映画のポスターの数々。
そう、この店こそ映画音楽サントラ盤の聖地と言われ、2008年惜しまれつつも閉店した伝説(?)のお店だったのです。

店内には輸入レコード屋っぽい感じでジャンル毎にラックが並んでいます。
しかし、目指すジャンルはひとつ「ミュージカル」です。

実はこの所のレコード屋巡りで、とあるスキルに目覚めてました。
それはラックに入ったレコードを両手を使って素早くチェックする事。

とある輸入レコードの店で、いかにもロック好きですってお兄さんがやってるのを見て真似してたのですが、いつのまにか身についてました。
後日友人とレコード屋に行った際には

「おおっ!にゃんこふ、カッコいいじゃん」

なんて言われました(笑)。

おっとまた脱線してしまった。

さて自慢(笑)のスキルを駆使してミュージカル映画のラックを漁る事5分。

ありました!!!!

さっき青山の雑貨屋さんの壁にあったあのジャケット!
白地にエアブラシで大きく描かれた女性の顔、大きく見開かれた目、額に書かれた「Rocky Horror Show」のタイトルロゴからは血が滴っています。
裏面は女性の後ろ頭が描かれ、キャストやスタッフの名前が書かれています。

しかし、ここで青山で感じた違和感が再び。
そう、映画のサントラ盤なら劇中のシーンの写真が使われてるはずなんですが、そうした物が一切ないのです。
もちろんジャケットに写真を使ってないサントラ版もないではありません。
タイトルロゴだけのアルバムもあります。
記憶では中学生の頃買った「ウェストサイドストーリー」なんかが確かそうでした。

それよりもまず頭に浮かんだのは高校生の時に買ってしまった「燃えよドラゴン」「ドラゴン怒りの鉄拳」という両A面のEPレコード。
両方とも例の「アチョー!」って言うリーの気合い、怪鳥音が曲に組み込まれています。

確か友人と博多に遊びに行った時に、とあるレコード屋の店頭のワゴンセールで買ったものです。
当時はEPレコード1枚400円位だったのですが、そのレコードはなんと破格の100円。ジャケットをよく見もしないで即買いしました。
地元に戻り、友人宅で早速聴く事になったのですが…。

「何これ?」
「叫んでるのブルース・リーじゃないね」
「だれ?」

ここで初めてジャケットを確認。
まず映画のシーンやブルース・リーの写真なし…
サウンドトラックの文字なし…
演奏はムービーサウンドなんちゃらオーケストラ…
歌(「怒りの鉄拳」は歌詞付きです)は、聞いた事もない日本人歌手…
まあ作った方には大変失礼な言い方かもしれませんが…。

「なんじゃこれ、パチもんやんけえぇっ!」

そう、よくありますよね。
人気・流行にのっかったヤツ、それでした。もちろん、映画のシーンの写真なんてひとつもありません。
言い方変えれば「カバー」?
「いやん、バカ〜」

それでもブルース・リーや映画についての簡単な解説はありました。
なんかそれが余計に腹が立った若きにゃんこふでした。

い、いかんまた話が逸れてしまった。
「んふ、僕の悪い癖」
などと杉下右京氏の台詞を借りつつ次回へ。

to be continued