Jun Sweets

主婦のレース編みと日々の出来事

刑事7人 最終回(ネタバレあり)

2019年09月19日 | 日々の出来事

男性の遺体が発見される。名前は岡崎誠(井上康)。腹部を複数回刺されたことによる他殺。

数字が書かれた紙片を右手に握りしめていた。

またポケットにあった財布の中から外交官水田純平(河相我聞)の名刺が発見される。

合同捜査会議に呼ばれる専従班メンバー。水田(倉科カナ)は父親の法事があったため皆より遅れて会議室に来る。

水田は捜査資料を見て驚く。その様子を天樹(東山紀之)は見ていた。

管理官が到着する。以前一緒に捜査していた沙村(高嶋政宏)が管理官だった。

沙村は専従班は捜査からはずすと言う。片桐(吉田鋼太郎)が反論するが一蹴されてしまう。

居酒屋で話す専従班メンバー。

青山(塚本高史)が「あの頃一番突っ走ってたのは沙村さんじゃないか!」と憤る。

「山下(片岡愛之助)の件以来、それぞれの正義の形が変わったんだ。

沙村には沙村の正義の形があるんだろう」と青山を諭す片桐。

天樹が珍しく水田をバーに誘う。そして何かあったのかと水田に問う。

名刺の水田純平は水田の父親だった。外交官だった純平は水田が幼い頃ほとんど自宅にはいなかった。

16年前インドネシアから帰国した純平は何故か千葉の港で転落死し、事故死として処理された。

その純平の部屋から被害者が写った写真が見つかった。そのことで嫌な予感がするという水田。

「だったら調べてみませんか?その違和感は水田さんが刑事という職業の中で培った勘です。

少しでも不審な点があるのならその勘を信じるべきです」と言う天樹。

でも自分たちは外されたと言う水田に「僕たちが一度でも上の言う通りに動いたことがありますか?」と

天樹に問われ、水田が「ない」と答えると頷く天樹。水田は「ありがとう、天樹くん」と礼を言う。

捜査情報を得ようと青山が捜査本部の共有情報を閲覧しようとするが、アクセス権を拒否されていた。

自分たちでゼロから調べるしかないと言う海老沢(田辺誠一)

しかし、通話の開示請求等、捜査一課長の判がないと無理な状況。

水田は「本当にいいんですか?私の個人的な事情で・・」と片桐に言うが、

「これは環(水田)さんのためとかじゃないんですよ。

環さんが柄にもなくもやもやされると部屋のテンションが下がるんですよ!」と青山に言われてしまう。

片桐は沙村が出張ってきたことが腑に落ちない。裏に何かあるなら徹底的に調べると皆に告げる。

野々村(白洲迅)を見張りをさせ青山が捜査本部のパソコンから共有情報をUSBにコピーする。

片桐は同僚に愛人と写った写真を見せ、同僚から情報を得る。

ここ数日外務省がざわついていて、詳細は不明だがこの事件と無関係ではないだろうと皆に告げる。

岡崎は以前の職業は海外コーディーネーターでインドネシアで個人会社を経営していた。

純平がインドネシアに行っていた時期と被っており、岡崎は純平と仕事上のつながりがあった。

天樹と水田は事故死で処理された純平の件について調べる。

所轄ではたいした資料はなく、警視庁のデータベースで調べようとするも、

特S案件ということでアクセスできないようになっていた。

海老沢が外務省の外務審議官・山口敏也(橋本じゅん)を訪ねる。

山口は当時、純平の上司で水田のことも小さい頃からよく知っていた。

警視庁の上層部で慌ただしい動きがある、こちらが関係しているようなのですが・・と尋ねる海老沢。

4日前に怪文書が届いたと言う。そこには2003年の外交機密費に不正流用の疑いありと書かれていた。

審議が定かでない上に、時効も成立している。しかし、これが事実であれば膿を出し切る覚悟だと山口は話す。

共有情報から岡崎は2人の人間に頻繁に電話していたことがわかる。

それは沖野と佐伯。佐伯の名前を聞いて驚く水田。佐伯は当時外務省で純平の部下だった。

沙村が専従班室にきて「共有情報に不正コピーの痕跡が見つかった。何故勝手なことをする」と言う。

青山が俺たちがやった証拠でもあるんですか?と言うも、

最後通告だ、これ以上の独断行為は警視庁に居場所を失うことになると話す沙村。

それを聞いた青山は「沙村さんが一番嫌いだった人種になりましたね。これが沙村さんの正義ですか!」と返す。

口の利き方に気をつけろと忠告する沙村。

「私たちは警視庁という組織に守られている。しかし、事件解決に必要なのは正攻法だけとは限らない。

その為の専従捜査班なのでは?」と天樹が沙村に言う。

しかし沙村は以前仲間だった永沢(鈴木浩介)と山下のことを持ち出し、

警視庁の汚点と言って、組織から外れた個人行動をする事を悪かのように言う。

片桐が沙村に「俺たちを首にするって、そんな権限あるの?」と言うと

この件については自分にすべて一任されていると言って沙村は部屋を出る。

片桐は今回の事件は上がどうしても知られたくない何かがあるようだなと話す。

青山がフリースクールを経営している佐伯の元を訪ねる。岡崎からの電話について聞くと、

インドネシアで知り合って帰国後疎遠になっていたが、ここ数日お金を貸してくれと言ってきたと。

知り合った当時、女性に貢いでいたらしいので、多分女性がらみでは話す。

海老沢と野々村が沖野の元に行く。岡崎は店の常連で初めて会ったのこの店で4~5年前だと言う。

海老沢たちが去ったあと、沖野はどこかへ電話をかけていた。

天樹と水田は堂本(北大路欣也)に会う。純平の件で頼んでいたのだ。

純平は司法解剖に回された記録がなかった。

しかし、死体検案書には頭部の他に頸椎に打撲痕がみられると記入されていた。

転落した際の損傷とみれば問題ないが、不自然さは否めないと話す堂本。

解剖に回されなかった理由については2つ考えられると。

一つ目は日本のシステムの問題。異常死解剖率は行政解剖を含めても未だ十数%。

日本の犯罪率は下がり続けていると言われるが、原因は犯罪者が減ったからではなく、

解剖医不足と環境設備が未だ不足だから。

二つ目は誰かが何かを隠そうとしている場合だと。

純平が転落死した場所に来た天樹と水田。防犯カメラはなかった。

水田家に来た二人は水田の母に当時の話を聞く。純平から空港から今から帰るという電話を受けた。

あとはプレゼントのぬいぐるみは届いたか?と聞かれたと。

帰宅後娘に会えるのを楽しみにしていたとも。

純平の部屋を捜索する。すると亡くなった岡崎、沖野、佐伯が純平と一緒に映った写真が見つかる。

そして手帳に挟んでいた外交費の出納履歴の紙を発見する。現場にあった紙片はこれの一部だった。

この出納履歴には名目値があり、実質値よりも多く記入して差額を懐に入れる典型的な横領の手口。

純平は機密費を自由に管理できる立場だった。

純平は何者かに殺された可能性がある。そこには機密費が絡んでいると天樹はにらむ。

そして写真に写っていた岡崎、沖野、佐伯も無関係ではないと。

当時からの知り合いということで、沖野が嘘を言っていたこともわかる。

水田は山口に会って不正の証拠にもなる出納履歴を見せる。父親がもしかして・・・と話すが、

彼はいい部下で、いい官僚で、それ以前に俺の親友だ、あいつはそんな奴じゃない、

君が疑ってどうすんだ!と言う山口。

捜査本部ではやはり事態は最悪の方向に向かっていると沙村に話しかける捜査一課長にわかっていますと答える沙村。

岡崎誠の死亡推定時刻は午前0時から2時の間と判明する。死因は腹部刺創による失血死だった。

海老沢と野々村が死亡時刻の沖野の動きを捜査、片桐と青山で岡崎と沖野の金の流れを追う。

天樹は佐伯のフリースクールに行くが、佐伯はいなかった。

片桐が知り合いに開示させた資料を見ると当時10億円もの入金が振り込み人不明で岡崎の口座に入金されていた。

そしてその後すぐ引きだされていた。沖野の口座には岡崎名義で2千万の振り込みがあり、

毎月20万の振り込みが同じく岡崎名義であったがここ数年は止まっていた。

天樹が歩道橋で女の子が泣いているのを見つけ「どうしたの」と話しかける。

その時背後から来た人物に刺され、天樹は倒れる。刺した人物は立ち去り、女の子も去っていく。

野々村が専従班室に駆け込み天樹が刺されたことを告げ、メンバーは慌てて病院へ行く。

病室で天樹が目を覚ます。油断したと言う天樹に、付き添っていた片桐が済まなかったと謝る。

天樹が刺されたことにより、尚奮起して捜査を始めるメンバー。

海老沢と青山が沖野を取り調べる。彼女の話だと、岡崎は16年前ある外交官に協力して外交機密費を横領した。

沖野はその頃岡崎に口説かれていたから、店の開店資金を出してくれたら付き合うと言った。

帰国してから別れたけど、暫くは毎月お金を送ってくれていたが、ここ数年は止まっていた。

それで殺したのか?と青山が問うも黙るので、もしかして誰かかばってる?と問うと違うと言う沖野。

海老沢が金の出所について聞くと、水田さんって人だと。

その話を聞いて水田はそんなはずはないと憤るが沖野は岡崎から聞いたと言う。

水田は山口に話を聞きに行く。するとその可能性は否定できないと。当時の権限では室長以上にしかできないと言う。

「すまない。あの時自分が純平のそばにいれば」と言う山口。ショックから辞表を出す水田。

時効といえど身内から犯罪者が出たとなると・・・。そうなる前に身を引きたいと水田に代わり片桐が話す。

それを聞いた青山が「被疑者の証言ですよね?信用できんのかよ!?」と。

当時の上司の証言もあり、開けちゃいけねぇ箱を開けちまったかもなと言う片桐。

水田は父の部屋で写真を見ながら幼い頃の自分と父を思い出し、泣いていた。

沙村が天樹の病室に来て話す。沖野の店から血の付いたナイフが発見された。

血は岡崎と天樹、両方が検出されている。沖野は否認しているが時間の問題だろう。

この後事件は2課に引き継ぐ。時効だが水田順平は機密費横領事件の犯人として認定される。

これがお前たちの招いた結末だ。捜査をかく乱し、ゆがんだ正義にとらわれた結果だ。

所詮お前らは組織に抗うことしか出来ない厄介者の集まりだと話して立ち去る。

翌朝、看護師が病室に来ると天樹はいなくなっていた。

途中痛みで苦しみよろめきながらも天樹は水田家に向かう。

水田の母から聞いた順平が帰国前に送っていたぬいぐるみを見つけ、

縫い目を割くと、中からフロッピーディスクが出てくる。

専従班室に来た天樹は、事件は終わってません!もう時間がありません!と皆に告げる。

自分を襲ったのは佐伯。答えは16年前に純平が残したこのフロッピーディスクにある。

そしてもう一人口座履歴を確認したい人物がいる、この一連の事件の首謀者でしょう、と。

その人物を守るために霞が関と警察庁が圧力をかけたと。

野々村が規則では捜査一課長の判がいると言うと、規則、規則とうるせぇな!と叫ぶ片桐。

捜査一課長がダメなら上の刑事部長を説得すると。

青山がどんだけ銀行があると思ってるんですか!と言うも、だったら走れ!と言う片桐。

俺たちみたいな半端もんは走るしか能がねぇだろ!結局最後は刑事らしさが物を言う訳だ、と。

野々村は外されているのに捜査していいのかと海老沢に問う。

海老沢は定年まで自分の妻や子供たちを食わせていきたい。しかしうちの女たちはかなり男気が強い。

保身のために正義を曲げたら、それこそこいつらに怒られちまうと家族写真を見ながら話す。

片桐は刑事部長室に行くが、許可することはできないと言われる。

片桐は「最近、中途半端に偉くなったせいか刑事の本質を忘れてましてね。

こうやって汗水流して働いていると、まだ駆け出しだった頃を思い出します。

証拠っていうのは天から降ってくる訳じゃない。名もなき刑事たちが、

100件、200件、朝から晩まで聞き込みを続けてようやくその片鱗が手に入る。

それは気の遠くなるような作業です。その片鱗はちっぽけで米粒にも満たない小石です。

でも小石でも積み上げれば、大きな濁流をせき止めることが出来る。

俺たちはそれを信じて駆けずり回っています。それぞれの正義のために。

それが警察官の教示ってやつじゃないでしょうか」と語る。

刑事部長は片桐の言葉に動かされたようで、ちょっと待っていなさいと言う。

捜査本部に乗り込む片桐と天樹。専従捜査班より重大な報告があると。

岡崎を殺した実行犯は佐伯。

沖野は足取りを調べた結果、公園に呼び出されて1時間その場所にいた。犯行を擦り付ける為に佐伯が呼び出したのだ。

沖野は佐伯に好意があった。そのことを利用し包丁を彼女の店に隠した。

16年前、インドネシアにいた岡崎はとある外交官と協力し、巨額の外交機密費を横領した。

その外交官は水田純平ではなく、山口敏也だった。そのお金が佐伯と岡崎に流れ、岡崎から沖野に流れた。

証拠は純平が残したフロッピーディスク。その中身は山口の名で作られた機密費の改ざんデータだった。

山口が所有する口座には16年前に総額10億円以上の入金が確認された。

純平はその横領に気づき、その罪を暴こうとした。それで山口と佐伯は共謀して純平を殺害。

岡崎は金が尽きたから、佐伯を恐喝し外務省に怪文書を送った。

山口の指示を受けて佐伯は岡崎を殺害し、名刺と出納長の切れ端をわざと残した。

純平に横領の罪を着せる為に。山口の身柄は既に確保し、水田が取り調べをしていた。

山口は全ての罪を認めた。罪を擦り付ける為に純平の手に出納履歴の切れ端を持たせたが、

何故か事故死で処理されたと。

最後に聞きたいことがあるという水田。何故、親友の父を殺したのかと。

すると金のためだと。それは親友を殺してまで手に入れたい物なの?と聞くと当たり前だと答える山口。

その言葉を聞いて怒った海老沢が山口を殴る。

山口が自供したことを言いに捜査本部にやってくる水田達。

沙村さんは最初から・・・と言う水田。そうですよねと言う天樹。沙村は話す。

16年前、かつての上層部は純平の死を事故死として処理し、特S案件として機密費横領事件の蓋をした。

そして今回の事件が起きた。正攻法では必ず水田純平に行きつく。必然的に機密費横領の汚名を着ることになる。

それは水田が警視庁を去ることも意味する。事件の背後にはもっと強大な力が存在しているはず。

かつての上層部が何を隠そうとしていたのか、自分たちの手で暴くつもりだった。

天樹も言う。だから専従捜査班を捜査から外し、佐伯たちを泳がせた。水田を守るために。

俺だけじゃない、我々警視庁の総意だと話す沙村。

まだ庁内に不安分子はいる。山下の事件以降浄化作用が働き、警視庁は変革期を迎えている。

刑事部長も参事官も我々の味方だと。すると座って聞いていた刑事達が立ち上がる。

青山が「沙村さん。すみませんでした。俺、沙村さんのことを疑って」と謝る。

沙村は謝られる筋合いはないと。組織の一員は家族だ。だから命がけで守る。ただそれだけのことだと言う。

直後、天樹が倒れこむ。沙村は傷が完治するまでしっかり療養しろと言う。

天樹がそんな権限沙村さんにあるんですか?と問うと、この事件は俺に一任されているからなと笑う沙村。

片桐はこれはもう必要ないだろ?と水田に辞表を返す。水田はその辞表を破る。

天樹と沙村が対立するシーンもあり

沙村と敵対か?と思っていたのですが、違いました。

結局彼は管理官という立場を使って事件を解決することだけでなく、

刑事を守ることも大事に思っていたようですね。

沙村は上からの圧力に屈しない立場になって事件を解決し、仲間を守る、

それが彼の考える正義の形だったようです。