*** june typhoon tokyo ***

My Favorite Songs of ICE〈epilogue〉


 時を重ねるほどに胸を膨らませる、愛おしき楽曲たち。

 独断と偏見とその時の感情で身勝手に愛すべき楽曲たちを選ぶ拙ブログの企画「マイ・フェイヴァリット」シリーズは、ついにICEに手を染めてしまった。当初から選曲が難しく悩ましいことこの上ないばかりか、なかなかまとめられないことは判っていたゆえ、ずっと温めたままの企画だったが、この10月に何かの拍子でエントリーした次第。まずはその前編を“プロローグ”(「My Favorite Songs of ICE〈prologue〉」を参照されたし)として公開。ノミネート楽曲の過程を紹介した。
 しかしながら、全ての楽曲からピックアップする作業は難航を極めるため、

(1)オリジナル・アルバム11枚の収録曲のみを対象とする
(2)楽曲全体から候補を選ぶのではなく、各アルバムから上位2曲を選ぶ方式とする

という制限をかけて、強引に「マイ・フェイヴァリット」を決めてしまうことに。

 要するに、11枚あるオリジナル・アルバムごとに2曲を選び、その計22曲から〈マイ・フェイヴァリット・ソングス・オブ・ICE〉を決定するという方式とした。やや変則的な選出方法であるゆえ、早速あの大名曲「SLOW LOVE」がオリジナル・アルバム未収録ということで対象外となるエキセントリックな状況となっているが、もうそれは仕方がないことなのだ(と言い聞かせることにする)。

 それでは、前編「My Favorite Songs of ICE〈prologue〉」にて選出された〈マイ・フェイヴァリット・ソングス・オブ・ICE〉ノミネート楽曲22曲を改めて列記していこう。

◇◇◇

【〈My Favorite Songs of ICE〉ノミネート22曲】
〈1st 『ICE』〉
・PRECIOUS LOVE
・TELL THE TRUTH
〈2nd 『WAKE UP EVERYBODY』〉
・ANALOG QUEEN
・MOON CHILD
〈3rd 『ICE III』〉
・Dreams To Remember
・No-No-Boy(Pt 1&2)
〈4th 『We're in the Mood』〉
・DRIVE
・OVER THE RAINBOW
〈5th 『SOUL DIMENSION』〉
・Love Makes Me Run
・Medicine Street
〈6th 『MIDNIGHT SKYWAY』〉
・COME TONIGHT
・LIVIN' IN THE CITY
〈7th 『TRUTH』〉
・Tonight Is The Night
・Truth
〈8th 『SPECTRUM』〉
・ECHOES(Emotional Mix)
・SLIDER
〈9th 『Formula 21』〉
・I saw the light
・spirit
〈10th 『RIGHT NOW!』〉
・BABY BLUE
・Morning Dew
〈11th 『Speak Low』〉
・BLUE MOON
・EYES OF YOUR MIND

◇◇◇

 10月時点では上記の22曲をノミネート曲に選出した。だが、自身が選んでおいて言うのもなんだが、改めてアルバムを聴き直してみると、他の楽曲と入れ替えたい衝動に駆られまくる始末。ただ、それをやり始めてしまうと、本当にいつまで経っても決められないスパイラルに陥る可能性が大なので、そこはグッと堪えて、この22曲から5曲までに絞って〈マイ・フェイヴァリット・ソングス・オブ・ICE〉ベスト5を発表していくことにする。カウントダウン形式でまずは第5位から見ていくことにしよう。



◇◇◇

■ 第5位「DRIVE」 from album『We're in the Mood』《4th》

 ある意味、アーバン、スタイリッシュといったICEのイメージを象徴するような、ナイトクラビングなナンバー。タイトルどおりミッドナイトのハイウェイを疾走する光景が似合う都会的なクールなポップ・サウンドで魅了してくれる。


■ 第4位「Livin' In The City」 from album『MIDNIGHT SKYWAY』《6th》

 前編でも記したが、COSA NOSTRAの中でも好きな楽曲「LIVING FOR TOMORROW」風というのも理由の一つではある。ジワジワと内なる感情を揺さぶるようなグルーヴィなギターリフと高揚を煽るパーカッションが迫るなかで艶やかなヴォーカルが舞う、ハードでミステリアスな展開が絶妙。




■ 第3位「ECHOES(Emotional Mix)」 from album『SPECTRUM』《8th》

 おそらくメロディラインやサウンドがとりわけ図抜けていると思った訳ではないが、自分としては珍しく歌詞にも耳が惹かれ、その詞とサウンドのマッチングバランスの良さに何度もリピートしたのを覚えている。宮内が“自分たちの世代の曲”と言い、年を重ねても夢を見ていいと代弁した詞世界が強く響いたからだろうか。




■ 第2位「Medicine Street」 from album『SOUL DIMENSION』《5th》

 宮内のアジテーション風の掛け声から幕を開け、ロックとスムースR&Bの狭間を縫うようなサウンドメイクがなんともグルーヴィ。中盤の“泣き”のギターソロや国岡のヴォーカルもメランコリックだが、どっぷりと落胆せずに微かな華やかさと気品を伴いながらセクシーを創出する展開が白眉。



◇◇◇

 ここまで5~2位までを発表し終えたが、自ら選びながら「おい、このままだと〈Moon Child〉が入らないじゃないか……」というジレンマに既に陥っている状況に。ICEの名曲揃いに感嘆する一方、この企画を始めてしまった後悔もやや生じてきていたりもする。とはいえ、残りはあと1曲。本音を言えば、2位以下はタイミングによって他の楽曲と順位が入れ替わる可能性が少なからずあるかもしれないが、次の第1位となる曲はいつ、どんなノミネート方法を採ろうとも、マイ・フェイヴァリットの3本の指に入る楽曲であることは間違いない。

 ということで、(無駄に長く引っ張ったきらいもある)〈マイ・フェイヴァリット・ソングス・オブ・ICE〉の第1位を発表しよう。

◇◇◇

■ 第1位「COME TONIGHT」 from album『MIDNIGHT SKYWAY』《6th》 

 派手さはそれほどないが、浸透性の高い楽曲に溢れた6thアルバム『MIDNIGHT SKYWAY』から「PEOPLE,RIDE ON」などを抑えての選出。ICEクラシックスの要素を凝縮したようなギターをはじめとするグルーヴ満載のトラックと、アンニュイながらもしなやかな芯の強さを感じるヴォーカルとで醸し出すスムース&メロウでセンシュアルなムードは、ICE楽曲でも随一ではないか。それでいて洗練性を失わないエレガントが横溢。見事、そして大好物。



◇◇◇

 いかがだっただろうか。おそらくロック・ファンの割合が多く占めているICE愛好者たちとは嗜好が異なるゆえ、思いもよらない結果になったと思う人も少なくないだろう。ならば、これをいい機会として、改めてICEの楽曲群を聴き返しながら、自分なりのベスト・オブ・ICEを探してみるのも一興だ。とはいえ、珠玉の楽曲群を聴き込むうちに、ベストなどはどうでも良くなるほどのグルーヴの波に呑まれてしまうかもしれないが。


◇◇◇

【ICEに関する記事】
・2013/10/04 ICE@下北沢GARDEN
・2015/03/19 ICE@BLUES ALLEY
・2019/01/26 ICE@横浜Bay Hall
・2019/10/12 My Favorite Songs of ICE〈prologue〉
・2019/12/16 My Favorite Songs of ICE〈epilogue〉(本記事)



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