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*** june typhoon tokyo ***

奈良 vs FC東京 @ロートF【ルヴァンカップ】


 終了間際のPKで、ルヴァンカップ初戦に辛勝。

 J1からJ3までの60チームが頂点に挑むYBCルヴァンカップが開幕。1stラウンドは、ACLエリート、ACL2に出場する浦和、神戸、川崎、横浜FM、広島の5チームを除くJ1の15チーム、J2、J3各20チームの合計55チームが7つのグループに分かれ、一発勝負のノックアウト方式で行なわれる。各グループを勝ち上がった7チームが、プレーオフラウンドに進む。試合前にはオフィシャルで下位カテゴリのチームが上位カテゴリのそれを打ち破る、いわゆる“ジャイアントキリング”の過去映像を公開していたが、試合はカテゴリが下位のチームがホーム(同一リーグの場合は2024年シーズンのリーグ戦下位のホーム)となるため、天皇杯同様に番狂わせが多くなりそうなレギュレーションとなった。

 そのなかで、FC東京はJ3の奈良クラブと対戦。奈良クラブは2023年にJ3へ昇格したJリーグでは若いチームだが、現在J3では首位と勝ち点2差の6位とリーグ上位につけており、好調をキープしている。一方、FC東京はなかなかピッチ上で質の高さや連動性を発揮することが出来ず、フラストレーションが溜まりがちな試合が少なくない状態だ。

 奈良はリーグ戦での従来の3バックではなく、重心の低い5バック気味で対応。FC東京は引き続き3-4-2-1だが、前節のリーグ福岡戦から俵積田と白井以外はメンバーチェンジを敢行。塚川が1トップとなる予想フォーメーションだったが、実質は0トップ気味。GK波多野が今季初先発。ベンチには西堂、北原、常盤、小柏、エヴェルトン・ガウディーノなどが入った。

 FC東京は序盤こそ5分に左サイドから進出した俵積田のクロスに安斎が合わせるシーンが生まれたが、GK岡田慎司の正面で弾かれる。その後は奈良が粘り強い守備に加え、ロングボールからのカウンター、素早い前へのパスなどで好機を演出。酒井達磨をはじめ、MF中島賢星からのDF背後へのロングボールに抜け出した田村亮介など、得点の匂いを感じさせるシュートを放っていく。

 前半を通してもどかしさを払拭できないままに終わったFC東京は、後半開始とともにテコ入れ。木村に代えて野澤零温を投入し、3バックから4バックへとシステムを切り替え、野澤零温が右サイドから攻め込む場面を作る。ただ、それでも果敢に攻める奈良が優勢に試合を運び、MFの岡田優希を中心に積極的にシュートを放つが、サイドネットやGK波多野に阻まれるなど、最終局面での精度を欠いて勝機を手繰り寄せきれない。FC東京は、東慶悟に代わってピッチへ送り出され、ルヴァンカップ最年少出場記録を更新した北原が縦パスで推進力を生み出そうとすると、同じく俵積田と代わった小柏などが前へ押し上げる動きでようやくゴール前へのシーンも増えて始め、さらに小泉を常盤、塚川を岡にスイッチし、圧力を高めようとするが、奈良もしっかりと対応。

 終盤の86分、FC東京は奈良のミスからボールを奪ったのを機に野澤零温がゴールを狙うGK岡田慎司のほぼ正面、佐藤恵允のクロスにダイレクトで小柏が合わせるも枠外と決定機をものに出来ず仕舞い。アディショナルタイムもスコアレスのまま時間を費やし、延長戦にもつれ込むかと思われた矢先、GK波多野からのロングフィードに抜け出した安斎が左サイドからボックス内へ侵入。奈良DFがブロックしたボールに佐藤恵允がいち早く反応。それまでDFとして良く守り、前線へ有効なボールを供給していた生駒稀生が、佐藤恵允を後ろから倒してしまい、PKの判定。これを安斎が確実に決めて、土壇場でFC東京が先制した。

 当初予定の5分のアディショナルタイムも過ぎて97分になりかけ、FC東京が左奥のコーナー付近でボールをキープし、時間を進めようとするなか、奈良の選手のアタックのなかでこぼれたボールを佐藤恵允が持ち出して、ゴールライン際をドリブルで突破。ボックス内でのラストパスが奈良の選手に当たってボールがこぼれたところへ、野澤零温がシュートを放つも、ポスト右に跳ね返されてしまう。すると、最後まで諦めない奈良は跳ね返ったボールをMF堀内颯人が回収、右サイドへボールを展開してカウンターを発動させる。一度はエンリケ・トレヴィザンが対応しそうになるが、足を滑らせて転倒すると、右サイド奥へ流れたボールを拾って浮き球のクロス。競り合いのこぼれ球を収めた途中出場のDF中山雅斗が左脚を振り抜くが、ゴール枠上に。このラストチャンスを奈良は活かすことが出来ず、そのまま試合終了のホイッスルが響き、FC東京が辛くも初戦をものにした。

 この試合は、双方の“詰めの甘さ”が最終的に影響を及ぼした。奈良にとっては、前半で自身のプレーが通用する、やれる、勝てると余計に意識してしまったことが、フィニッシュの精度を欠いてしまったことに繋がってしまったか。FC東京にとっては、そのうちにゴールを奪えるだろう、スピードやテクニックで負かせるだろうという意識が強かったのか、連動性がなく、奈良の対策してきた術中にはまってしまっていた。

 FC東京は大幅にメンバーを替えて、リーグ戦での停滞感のある流れを払拭したかったところだが、やはり前線の塚川へのサポートがあまりなく孤立化してしまうという、ディエゴ・オリヴェイラの時の課題に陥り続けている。後半4バックにしてチャンスを作ったが、だからといって4バックで万事解決ということではない。失点を恐れるあまりに1トップ以外重心が低くなってしまう、ということでもなく、最終ラインやボランチからの推進力のなさと精度の欠如で、裏返されてしまう。無駄にネガティヴなトランジションが散見され、攻撃を完遂出来ずに、自陣に戻っての守備を余儀なくされ、ピンチを増やしてしまっていた。

 攻撃時にボックスやゴール近辺へボールを持ち運んでも、人数をかけて攻撃することが出来ない状況を、いかに打破していくのか。それ以前に、素早く相手陣内へボールを運び、動かし、揺さぶる展開へ持っていけない連動性のなさを、どのように修正するのか。来週末の川崎を迎えての多摩川クラシコ、そして4月初めのミッドウィークにて、アウェイとして味スタへ乗り込むヴェルディとの東京ダービーと落とすことが出来ない試合が続くが、これまで以上の効果的な準備をしていかないと、事態を悪化させかねない。

 一方、奈良はチャンスを決め切る精度に欠けたことが勝敗を分けることになったが、得るものは少なくなかっただろう。J3リーグ前節・相模原戦から4名スターティングメンバーを入れ替えたが、J1に対してアグレッシヴなパフォーマンスで戦い切ったことは、自信になりそうだ。

 FC東京はルヴァンカップ1stステージ2回戦へ進出。3月26日に行なわれるいわき対大宮の勝者と4月16日に対戦する。

◇◇◇

JリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド 第1回戦
2025年3月20日(木・祝)14:03KO
ロートフィールド奈良
入場者数: 4,497人 → 3,709人 ※入場者数の集計不備により3月24日に訂正発表
天候:晴 / 気温:13.8℃ / 湿度:30%
主審:今村義朗
副審:浜本祐介、中澤 涼
第4の審判員:中井敏博

奈 良 0(0-0 / 0-1)1 FC東京

【得点】
(奈):
(東):安斎颯馬(90+5分)

〈試合経過〉
46分*  交代 東京 木村誠二 → 野澤零温
53分  警告 奈良 都並優太
65分  交代 東京 東 慶悟 → 北原 槙 / 俵積田晃太 → 小柏 剛
69分  交代 奈良 都並優太 → 川谷 凪 / 酒井達磨 → 田村翔太
75分  警告 奈良 川谷 凪
79分  交代 東京 小泉 慶 → 常盤亨太
83分  交代 奈良 田村亮介 → 國武勇斗 / 中島賢星 → 中山雅斗
85分  交代 東京 塚川孝輝 → 岡 哲平
90+5分 得点 東京 安斎颯馬(PK)
90+7分 交代 奈良 佐藤大翔 → 森田 凜

◇◇◇

【FC東京メンバー】
〈スターティングメンバー〉
GK 13 波多野豪
DF 04 木本恭生
DF 07 安斎颯馬
DF 44 エンリケ・トレヴィザン
DF 47 木村誠二
MF 10 東 慶悟
MF 35 塚川孝輝
MF 37 小泉 慶
MF 99 白井康介
FW 16 佐藤恵允
FW 33 俵積田晃太

〈控えメンバー〉
GK 41 野澤大志ブランドン
DF 30 岡 哲平
DF 32 土肥幹太
MF 27 常盤亨太
MF 36 西堂久俊
MF 53 北原 槙
FW 11 小柏 剛
FW 28 野澤零温
FW 98 エヴェルトン・ガウディーノ

〈監督〉
松橋力蔵




◇◇◇

【FC東京 JリーグYBCルヴァンカップ 2025 試合日程】
〈1stラウンド〉
第1回戦 03月20日(木)14:00〇FC東京 1-0 奈 良(A・ロートF
第2回戦 04月16日(水)00:00 FC東京 ✕(いわき・大宮の勝者)(未 定)


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