*** june typhoon tokyo ***

東京六大学野球 秋季リーグ 優勝の行方


 奇跡は、ほとんど最後に起こるか。

 2022年の東京六大学野球連盟の秋季リーグは、10月17日(月)をもって第6週が終了。第5週まで無敗で首位を走っていた明治が慶應に1勝2敗で勝ち点を落とし、慶應が首位に躍り出た。残すは第7週の法政対東大、第8週の明治対立教、最終週の早稲田対慶應のみ。第6週終了現在で、立教の4位が確定し、第7週の法政対東大の直接対決で5、6位が決定。優勝争いは慶應、明治、早稲田の3校に絞られた。

 そこで、あらためて慶應、明治、早稲田それぞれの優勝条件を確認してみる。

◇◇◇

【勝敗表 第6週 10/17現在】

順位   試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率  
1 慶大 --- ○●○   △○○ ○●○ ●○○ 12 8 3 1 4 .727  
2 明大 ●○● --- ○○   ○○ △○○ 10 7 2 1 3 .778  
3 早大   ●● --- ○○ ○○ ○○ 8 6 2 0 3 .750  
4 立大 △●●   ●● --- ●○○ ○○ 10 4 5 1 2 .444  
5 法大 ●○● ●● ●● ○●● ---   10 2 8 0 0 .200  
6 東大 ○●● △●● ●● ●●   --- 10 1 8 1 0 .111  


【日程】
第7週
10/22 (土) 10:00 東大 - 法大 (*ヤクルト✕オリックス)
10/23 (日) 10:00 法大 - 東大 (*ヤクルト✕オリックス)
(*)プロ併用日
第8週
10/29 (土) 13:00 ※ 立大 - 明大 ※(*ヤクルト✕オリックス)  
10/30 (日) 13:00 ※ 明大 - 立大 ※(*ヤクルト✕オリックス) 
※プロ野球日本シリーズ同日開催の場合は、開始時刻10時に変更
第9週
11/5 (土) 13:00 慶大 - 早大  
11/6 (日) 13:00 早大 - 慶大 

◇◇◇

 まず、第8週の明治対立教において、明治は立教に勝ち越し、勝ち点1を積み上げることが優勝への必須条件となる。明治が立教に1勝2敗以下で勝ち点を落とした瞬間に、優勝争いから脱落し、優勝争いは早慶の直接対決の結果に委ねられることになる。
 一方、明治が立教に2連勝した場合には、最終週で仮に早稲田が連勝しても、勝率で明治に及ばないため、早稲田の優勝はなくなり、明治と慶應の争いに。明治が立教に2勝1敗とした場合は、慶應、明治、早稲田それぞれにチャンスが生まれる。

 レギュレーションは、同じ対戦で2勝したチームに「勝ち点1」が与えられ、勝ち点の数で順位を決定。勝ち点数が同じ場合は、勝率の高いチームが順位が上(勝率の計算に引分の試合数を含めない)となる。1位のチームが、勝ち点、勝率とも同じで並んだ場合は、1試合の優勝決定戦を行なう。

◆第8週 明治✕立教
 明治2勝0敗 9勝2敗1分 勝点4(.818)→ 明治慶應
 明治2勝1敗 9勝3敗1分 勝点4(.750)→ 慶應早稲田明治
 明治1勝2敗 8勝4敗1分 勝点3(.667)→ 慶應早稲田
 明治0勝2敗 7勝4敗1分 勝点3(.636)→ 慶應早稲田
 
 次に上記のパターンを踏まえて、最終週・早慶戦を加味した優勝の条件を見てみることにする。

◆第9週 早稲田✕慶應
 早稲田は優勝争いから脱落(明治 09勝2敗1分 勝点4(.818))
慶應2勝0敗 10勝3敗1分 勝点5(.769)→ 慶應優勝
慶應2勝1敗 10勝4敗1分 勝点5(.714)→ 慶應優勝
慶應1勝2敗 09勝5敗1分 勝点4(.643)→ 明治優勝
慶應0勝2敗 08勝5敗1分 勝点4(.615)→ 明治優勝

 慶應・早稲田・明治に優勝の可能性(明治 09勝3敗1分 勝点4(.750))
慶應2勝0敗 10勝3敗1分 勝点5(.769)→ 慶應優勝
慶應2勝1敗 10勝4敗1分 勝点5(.714)→ 慶應優勝
慶應1勝2敗 09勝5敗1分 勝点4(.643)/ 早稲田2勝1敗 8勝3敗0分 勝点4(.727)→ 明治優勝
慶應0勝2敗 08勝5敗1分 勝点4(.615)/ 早稲田2勝0敗 8勝2敗0分 勝点4(.800)→ 早稲田優勝

 明治脱落、早慶一騎打ち
慶應2勝0敗 10勝3敗1分 勝点5(.769)→ 慶應優勝
慶應2勝1敗 10勝4敗1分 勝点5(.714)→ 慶應優勝
慶應1勝2敗 09勝5敗1分 勝点4(.643)/ 早稲田2勝1敗 8勝3敗0分 勝点4(.727)→ 早稲田優勝
慶應0勝2敗 08勝5敗1分 勝点4(.615)/ 早稲田2勝0敗 8勝2敗0分 勝点4(.800)→ 早稲田優勝

 明治は立教に連勝すると、早稲田の優勝は潰える。だが、早稲田は優勝に届かずとも“早慶戦は別物”と捉えているゆえ慶應戦へのモチベーションは高く、早稲田が勝ち点を挙げて明治に優勝が転がり込んでくる可能性も十分に考えられそうだ。ただし、明治が立教に1敗でもしてしまうと、早慶戦で早稲田が連勝すると早稲田にも逆転優勝の芽が出てくるため、明治の優勝は早稲田が2勝1敗で慶應を降せばという条件付きになる。それゆえ、明治としては立教に連勝して最終週を待ちたいところだ。

 明治が立教から勝点を奪えない場合は明治が脱落し、早慶戦での一騎打ちに。すでに勝ち点4を上げている慶應が一見有利に見えるが、早稲田は慶應に2勝すれば、勝ち点は並んでも勝率で上回るため、単に慶應に勝てばいいというシンプルなものに。春季の成績から見れば、実力的には慶應がやや上回っているかもしれないが、近2年の秋季リーグでの対戦では、早稲田は2021年は5-3、3-3、2020年は3-1、3-2の3勝1分と、秋は慶應に強い結果を残している。早慶戦での直接対決となれば、早稲田が逆転優勝を果たしても、何らおかしくはない。

 とにもかくにも、第8週の結果次第で大きく優勝の可能性が変わってくることは間違いない。立教は既に4位を確定しており、モチベーションの持って行き方が難しいかもしれないが、投手ランキング3位の池田は防御率を下げておきたいだろうし、荘司はドラフト後の登板とはなるが、好投で有終の美を飾りたいだろうから、明治としても簡単な試合とはいかないはずだ。明治は投手ランキング6位の蒔田が防御率4.61とやや不安だが、打線は活発。打率2位の村松(.400)、4位の宗山(.366)、6位の上田(.325)あたりが好調を維持出来るかがカギとなりそうだ。

 個人成績では、早慶もタイトルを競っている。投手では早稲田の加藤が防御率0.88で1位、慶應の増居が防御率1.42かつ6勝で2位。早慶戦の結果次第では入れ替わりもあり得る。早稲田は加藤頼みの比重がかなり高いが、加藤が慶應から勝利すれば、タイトルと状況によってはチームの優勝も見えてくる。慶應は明治同様打撃陣が活発で、打撃成績1位に萩尾(.429)、3位に宮尾(.389)、5位に古川(.348)とランクイン。早慶戦でも打撃好調が続けば、優勝にグッと近づきそうだ。

 最後に、どこか蚊帳の外にも見えがちな第7週だが、こちらも意外と熱い戦いだ。法政と東大の直接対決で、勝ち点を挙げた方が5位となる。特に東大にとっては、2017年秋季リーグ以来の5位(早稲田と同順位)のチャンス。当時も連勝で勝ち点1を挙げた相手は法政だった。今季は明治に1分、慶應から1勝を挙げ、立教には2敗も接戦を繰り広げるなど、粘り強いところを見せている。法政は篠木、尾崎がいま一つで、打撃陣も低調と苦しい状況だが、5位死守のために全力で挑んでいかないと、東大に足元を掬われかねない。

 上位、下位それぞれに“奇跡”の予感を抱かせる残り3週。日本シリーズで注視される神宮球場だが、東京六大学野球においても熱い戦いが繰り広げられること必至。ドラフト候補の学生時代のプレイも見納めとなる神宮球場に、是非とも足を運んでもらいたいところだ。




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